【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
職場体験4日目。保須市でパトロールしてたら入中さんと遭遇した。
「お前、学校はどうした」
「職場体験中でーす。ヒーロー名はスミールド・ロッソネロなので本名で呼ばないでくださいね」
「言ったことねぇだろ」
「それはそう」
「じゃ、俺も仕事あるし行くわ」
「はーい。またね〜入中さん」
「……ああ、またな」
おや?なんかいつもより笑顔が柔らかい????
お疲れなのかな?あ、だったら…
「入中さん、手、出して」
「?おう」
「はい。コレあげる」
「何だコレ?」
「そこのお店の団子。私のオヤツになる予定だった物だよ」
「美味いのか」
「うん」
「…良いのか?」
「入中さんお疲れでしょ?甘い物食べて少しでも疲れを取らないと」
「………ありがとな」
「いえいえ。お仕事頑張ってねー」
入中さんに手を振って私はパトロールを再開する。
えっと次はー…
「嬢ちゃーん、お宅の兄貴どうにかしてくれ〜」
「そう言われても…この職場体験は初仕事で、授業の一環だから私的な事は避けるべきだと思うよ?ドッポ」
「嬢ちゃんも頭硬えなぁ…」
「で?いつからいたの?」
「割と最初から」
「そ」
「アイツ、指定敵団体の死穢八斎會の組員だろ?報告しなくて良いわけ?」
「小学生の頃からの付き合いだし、私は入中さんが極道だってことしか知らない」
「OK…そういう事にしといてやるよ」
「ところで…その格好どうにかならない?」
「無理でーす」
「今のドッポめっちゃ不審者だよ?路地裏から出てきたから尚更」
「だって俺、頭コレだよ?こっちの方が怖がられるでしょ?」
「フードかぶってる方が怖いよ」
本当に今まで良く捕まんなかったな。スゲーわ。
「それは俺も思ってる」
「心を読むな」
「ごめんちょ」
「……そういえば、私ドッポの個性詳しく知らない」
「嬢ちゃんは、俺が心読めるってことしか知らないもんねー?」
「クソムカつく」
「教えるから怒んないで」
「……」
「俺の個性はテレパシー。相手の心を読む事に重きを置いている個性だ」
「テレパスとは違うのか?」
「テレパスは考えを相手に伝える。テレパシーは相手の考えを読む。似てるようで違うぜ」
「なるほど…ドッポの個性は常時発動タイプなのか?」
「そうだぜ。一応切ることもできるけどよ、慣れればどうって事ねぇし…聞こえる範囲も調節できっからなぁ」
嘘発見器として役立ちそうだな。それか情報収集。
「こう…気持ち悪りぃとか思わなぇのか?」
「?今更だろ。どんな個性でも役に立つことがあるんだ。何より、個性だけで判断するほど、腐っては無いよ」
「……」
ドッポとは敵対したく無いからなぁ…作戦とか筒抜け状態で、疑心暗鬼で内部から崩壊していきそう。つーか、敵に良い人材多すぎ案件。ヒーロー何してんだよ。私の兄さん見習え。
「………嬢ちゃん大好き」
「え?何急に。キショ」