【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】   作:風人雷震

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バッタリ出会ってショッピング

 

 

林間合宿に必要な物をそれ程買えなかったので、一駅先にあるショッピングモールに行くことにした。前回行ったところはまだ閉鎖中。

案内板を見て、日焼け止めや汗拭きシートなどの軽い物を先に買った。そのあと、服などの嵩張るものを買うために服屋に向かった。

 

 

「「あ」」

「入中さん何してんの?」

「……今時の子供って何が好きなんだ?」

「子ども預かってんの?何歳ぐらい?」

「組長の孫でよ…歳は6つだ」

「女の子?」

「ああ」

「女の子なら可愛い物が良いかな?その子って普段どんな格好してんの?何して遊んでる?外で遊ぶことが多いなら靴とか帽子とかかな?」

「…何も聞かないんだな」

「んー?何が好きとか聞いてるじゃん」

「いや…そうじゃなくてよ……」

「話したくないなら話さなくて良いよ。私はまだヒーロー免許も持ってない学生だし、そっちの事をアレコレ言える立場じゃないからね」

「……お前が信頼できるヒーローは誰だ」

「急にどしたの?」

「もしものためだ。極道相手にも冷静に対応できる、お前が信頼できると言えるヒーローを教えてくれ」

 

 

何かしら事情があるのは理解できるが……もしや組長さんのお孫さんの個性関係?止める人がいないと大変だもんなぁ…

 

 

「イレイザーヘッド、サー・ナイトアイが妥当だと思うよ」

「お前の兄のステインは?」

「地雷踏んだら暴走列車」

「何でイレイザーヘッドを勧めた?」

「組長さんのお孫さんの個性関係かと思ってね。6歳ってまだ個性制御が拙い子が多いし、怒ったり泣いたりすると個性が暴発する事もあるんだよ」

「サー・ナイトアイは?」

「長くオールマイトのサイドキックを勤めていたし、常に最善を考えている。ユーモアとオールマイトが関わらなければ冷静な大人だよ」

「…なるほど」

 

 

どちらに相談するか考えながら子供服を選んでる入中さん。サイズを確認してカゴに入れ……ってちょい待ち!!

 

 

「入中さん!それは無い!!それは無いって!!」

「え?…子供ってネコ好きだろ?」

「だからってGANRIKI☆NEKOはやめよ?!」

「……そう、か…」

「そんなしょんぼりしないでよ…私がいじめてるみたいじゃん」

「良いと思ったんだが…」

「セール中のところに置いてあるんだから需要が無かったんだよ」

「目が大きくて可愛いだろ…」

「入中さんの可愛いって認識そこなの??」

「今の奴らは違うのか?!」

「全員が違うとは言えないけど……私はGANRIKI☆NEKOを可愛いとは思えないなぁ」

 

 

相澤先生は好きそう。あの人、兄さんがあげたGANRIKI☆NEKOのボールペン使ってるみたいだし…

 

 

「ところで、お前も服を買いに来たんじゃないのか?」

「買いに来たけどさ、合宿のために新品買うのって勿体無いなぁ…って思ってやめた」

「合宿行くのか」

「そ。林間合宿」

「……敵に襲撃されたのにか?」

「USJのことでしょ?今更だよ。体育祭とか職場体験とかやったのに林間合宿はやりませーんって言えないでしょ」

「それもそうか」

「あ、入中さん。組長さんのお孫さんって髪長い?」

「ん?ああ…長い方だと思うが」

「このリンゴのヘアゴム可愛いからコレあげたら?外で遊ぶなら髪は結んだ方が良いと思う。でも結ぶのを嫌がった場合を考えて帽子も買っておこう!ヘアゴムは手首に付けとけば目印にもなるしね!」

「目印…」

 

 

可愛いヘアゴムを真剣に選んでる入中さんって超面白い。それだけ大切にしてるんだなぁ…組長さんのお孫さんってのもあるんだろうけど、娘が喜ぶモノを一生懸命考えてるお父さんみたい。

 

 

「ねぇ、組長さんのお孫さんってことは若頭の娘さんだよね?入中さんの役職って中間管理って言ってなかった?給料追加で貰ってる?」

「お前極道を何だと思ってんだ」

「ルールさえ守れば手を出してこないグレーな人たち」

「……大体合ってる…」

「警察とヒーローだって同じでしょ?犯罪や騒ぎを起こしたりしなければ手を出してこない。それに、オールマイトが引退したら必要になるのは敵の抑制力だ。爺ちゃんたちがよく話してるよ?復帰するかどうかって」

「は?!」

「極道のテリトリーなら犯罪率は減る。ある程度は抑制されるんだよ。名前がデカければデカイほどテリトリーが広がる。と、同時に抑制範囲も広がる。オールマイトに頼りっぱなしの時代に終止符を打たなきゃならない……ってのが爺ちゃんたちの意見!」

「お前はどう思ってんだ」

「ある程度は同意してるよ。でも、極道のテリトリーだからワザと騒ぎを起こして罪をなすりつけようとする馬鹿が出ると思うんだよね〜」

「どの世代にもいるぞ。そういう馬鹿」

「実体験?」

「おう」

「ソイツどうなったの?」

「さぁな」

「まぁ、そういったのが出たら台無しになっちゃうかもしれないじゃん?だから全面同意できないんだよね」

「そうだな」

「ヘアゴム決めた?」

「そっちは帽子決めたか?」

「帽子はサイズが分かんないと選べないよ。顔によっては似合う似合わないとかもあるんだよ?」

「そうなのか…」

「代わりに…ほら!リンゴのロケットペンダント!」

「……お前リンゴ好きなのか?」

「いや、リンゴが好きってわけじゃない。リンゴのアクセサリーって殆どの可愛いから小学生辺りの女の子は喜びそうだと思ってる」

「スゲェ偏見」

「自分でもそう思う」

 

 

手を差し出されたので入中さんに手渡す。ロケットを開けたり、デザインを確認したりしている。GPSとかどうやって入れようか考えてるんだろうな。組長さんのお孫さんってだけで狙われる理由になるもんね。

 

 

「ヘアゴムの方にしたら?」

「は?」

「GPS」

「…何で分かった」

「私も付いてるし」

「そのチョーカーか?」

「当たり。敵遭遇率がやばくて兄さんが特注でくれたのよ」

「ヒーローの妹ってだけでも狙われるだろ」

「そっちにも言えることでしょ」

「……ペンダントの方はどうすれば良い?」

「そっちもGPSにしといて全員で共有しておく。ヘアゴムの方は入中さんだけ知っておけば良いでしょ」

「なぜだ」

「なぜって…入中さんってお孫さんを守ろうとしてるでしょ?敵を騙すには先ずは味方から!だよ」

「敵を、騙す……」

「入中さん?」

「………何でもねぇ。ありがとな」

「役に立ったなら良かったよ!じゃ、またね!」

 

 

手を振って店から出る。振り返って入中さんを見ると、何だか憑き物が落ちたような顔をして会計に向かっていた。

入中さんのいる極道で何が起こっているのかは分からない。分かるのは、入中さんが組長さんのお孫さんを守ろうとしていることだけ……次会う時も、入中さんに怪我がないことを願っている。

 

 

 

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