【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
「「「「「つ……ついた…」」」」」
「血塗…大丈夫か?」
「あんなに…血を、使ったのは……久しぶり、だ…」
「血塗ぃ!?」
「15時49分…意外に早かったわね」
「血は大丈夫か?!血塗ぃ!!」
「揺らさないで兄さん。今の体力1だから。血は回復してるから」
血を大量に使ったのは中盤辺り…馬鹿みたいにいた魔獣の討伐で武器を大量生成。個性のデメリットであるはずの真性多血症はあまり作用しなかった。おそらく、個性を使用して失った血液を補うために余分に生成しているのだろう。死ぬぐらいまで失血しなければ、長く戦闘は可能かもしれない。しないけど。それよりも……
「腹減った…」
「それ。お腹減った…」
体綺麗にしてご飯食べたい…
「……?あの子、誰?」
「私の甥っ子の洸太。ちょっと訳ありでね」
「マンダレイさんの甥っ子ってことは、あの子の両親は……」
「ええ…その事件の後からヒーローが嫌いになったらしくて…」
その事件は私もテレビで見た。
「……さ!血塗ちゃんもお風呂入ってご飯食べな!」
「はい」
私はヒーローが殉職する事件を見て毎回思う。血染兄もこうなるのだろうかと…圧紘さんや仁さん、力道、障子……そして、私も。ヒーローを目指すということは、殉職率が高くなるということだ。
洸太くんがヒーローを嫌いになったのはソコだろう。家族を置いて死んでいく。それがヒーローだと思っているから、自分はならないようにしようと思って嫌う。
キミの両親は職務を果たそうとした立派なヒーローだ。なんて、彼が望む答えじゃない。家族を置いて逝くのが立派なら、立派じゃなくて良いと思うだろう。私もそう思う。家族にヒーローがいるからこその悩みだな。
「んだよ」
「別に」
彼の心が開くのは当分先かもしれんな。よし、放っておこう。今はご飯食べたい。
「「美味えぇぇ!!!」」
「米が…米が美味い…!!」
「生き返る…!」
「赤黒、肉食え」
「ん」
皿を障子の方に寄せ、肉をもらった。いくら多血症で回復しているとはいえ、血を増やさなければならない。
「あれ?兄さんは?」
「ステインなら仕事の連絡って言って離れてったよ」
「そうなんですか」
ドッポか仁さん&圧紘さんのどっちからだろ?可能性が高いのは仁さんと圧紘さんだけど…
「力道、それとって」
「ん。血塗、そこのやつ取ってくれ」
「はい」
「熟年夫婦みたいだな」
「………」ズーン…
「障子?!」
「上鳴謝れ!!」
「ごめん!障子!!」
「付き合い長いからな」
「お前はもう少し気にしろよ…」
「今更だろ」
ご飯美味しい。