【急募】兄を敵(ヴィラン)にしない方法【リメイク】 作:風人雷震
「久しぶりだね。オールマイト」
「AFO…!!」
なんで俺がこんな役割なんだよ?!こういうのは他のヒーローにやらせれば良いじゃねぇか!仁ちゃん圧紘ちゃん早く来て!?俺死んじゃう!!!
「いやぁ…残念だな。弔たちは捕まっちゃうし、あの子は僕のところに来ないし……血狂いを入れたのが間違いだったかな?」
「あの子…だと?」
「そう。僕に素敵なあだ名をくれた赤黒血塗ちゃん」
「?!」
「あの子に僕のことを聞いても無駄だよ。会ったのはたった1回だけ、それも個性が発現していない歳の頃だからね」
は……?嬢ちゃんと…会った?もしかして俺と同じ頃にか?
「ふと目に止まってね。会いに行ったのさ。彼女と話して分かったのは、彼女はギフテッドってことだ。誰よりも頭の回転が速い。最悪を予想し、常に最善を選び続けている。だから、生きてる」
嬢ちゃんがギフテッドってことは理解した。俺と初めて会った時も、嬢ちゃんは大人びていた。今では年相応になっているが、嬢ちゃんの心は昔と何も変わっちゃいない。だから嬢ちゃんはあの個性を難なく使えるんだと思っている。最悪を予想できるから、そうならないよう最善をつくっていくから。
「パンドラの箱……彼女が僕に付けたあだ名だよ。実に的を射ていると思わないかい?僕にピッタリなあだ名だ。彼女は僕を良く理解している」
(………しい)
アイツの心の声か?今の俺に聞こえるはずが…
「僕は友達が多いけど理解者は少なくてね。彼女のような聡明な子が僕を理解してくれている。それが嬉しいのさ!」
(ほしい)
声が聞こえた瞬間、耳を塞いだ。ただの空耳。ただの幻聴。そう願った。
俺の個性はテレパシー。常時発動個性で、人の心の声が聞こえる。嬢ちゃんには嘘を教えた。聞く範囲は操作できるが、切ることはできない。じゃないと常時発動なんて言えないだろ。聞く範囲を狭めることで俺は休んできた。そんな状態でも心の声が聞こえることがある。
それは執着、怒り、憎悪、嫉妬などの強すぎる感情の乗った声。コレはどれだけ範囲を狭めても個性の標準範囲内だったら嫌でも聞こえてくる。無駄だって分かっていても、耳を塞ぎたくなる。
「彼女から来るなと言われてね?彼女に会いに行くことはしなかった。でも、見ているだけじゃ飽きるのさ。だからたまにプレゼントを送ったり、買い物をしているところを遠くから眺めて写真を撮ったりした。街中の監視カメラをハッキングして切り抜いたりもしたね!」
(あの子がほしい)
絡みつくような強い執着…
「安心したまえ、彼女を利用しようとかはあまり考えてないよ。でも、今回は彼女に特等席でキミの死に様を見て欲しかったとは思ってる。できればステインもいてくれれば良かったな…彼女が来なかっただけでここまで失敗するとは……やはり彼女は素晴らしい!!」
(全部ほしい)
底なし沼のような欲望…
「なぜ赤黒少女を狙う?!!」
「決まっているだろう?」
そしてアイツが嬢ちゃんのことを喋る度に強くなる
「僕の花嫁にするためだよ」
(全部ほしいあの子の全てがほしい僕だけのモノにしたい髪も血肉も全部僕のモノにしたい考えることは僕だけにしてほしい僕だけをあの紅い瞳に写してほしい永遠に僕だけを愛してほしい僕だけのモノ僕だけのあの子僕だけの僕の僕の僕の僕の僕の僕のボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクのボクの)
クソイかれた異常過ぎる
「っ……ぅッ!」
吐くな。吐いたらバレる。いや、既にバレてるかもしれねぇが…吐いたら確実に殺される!仁ちゃんと圧紘ちゃんが来るまでの辛抱だ。
しかし、AFOが生きてたとはな。あのガキの声が聞こえた時は半信半疑だったが、こうやって事務所の作戦で実物見れば信じるしかねぇ…
「ドッポ、ドッポ!」
「?……!じ」
「「シー…!」」
「わ、悪りぃ…仁ちゃん、圧紘ちゃん」
「ドッポの方はどうだった」
「当たりだな。戻ったらすぐに会議になるぜ」
「ともかく、俺らの出番はコレで終わり」
「これ以上戦闘が激しくなる前に脱出するよ!俺が運ぶから」
圧紘ちゃんの個性が発動して意識を落とす直前…小さく、風にかき消されるような小さな声が聞こえた。気がした…
(よいち……)