星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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ファーストコンタクトを終えて

無事に地球との交信を済ませた私は、地球側から観測できるよう“ギャラクシー号”のスラスターの光を地球側へ向けたり、派手な機動で目立つように動いたりと地球側が信用できるように頑張っていた。

メッセージのやり取りだけじゃ信じるのは難しいかもしれないからね。

 

 

 

NASAが無くなってて統合宇宙開発局って名前になってたのはびっくりした。相変わらず本部は北米大陸にあるみたいだけど。

私のメッセージに応えてくれたジョン=ケラーさんには感謝だよ。良い人そうで良かった。

途中から上司に代わるなんて言ってたけど、信じてるなら最初から責任者が対応するよね?

ジョンさんが対応したってことは、私のメッセージを信じてなかったんだと思う。

で、確証が取れたから代わろうとする。組織として間違ってはいないかもしれないけど、個人的には好感を持てなくてあんなメッセージを返しちゃった。

ちょっと傲慢だったかもしれない。そこは反省しないとだね。

 

 

 

取り敢えず地球を発見できたことは嬉しい。インターネットを調べる限りだと、私が死んで三十年くらいは経ってるのかな。

相変わらず激動の歴史が刻まれているけど、大きな変化は無い。

国連もあるし、当たり前のようにアメリカもある。日本もちゃんと存在してたのが一番嬉しい。

 

 

 

最初の交渉相手はやっぱりアメリカになるのかなぁ?個人的には日本が良いけど、それはあちらに任せるしかないかな。

取り敢えず見付けたことを報告して、フェルの事もどうにかしないと。

あと出来れば小さくても良いけど船がほしい。スターファイターじゃ色々不便なんだよね。

後は……何かお土産を考えないと。流石に手ぶらじゃ悪いしねぇ。

何があるかなぁ。

 

 

 

なぁんて考えながら“ギャラクシー号”を走らせてると、地球のインターネットから情報を収集してたアリアが話し掛けてきた。

 

 

 

『ティナ、情報収集が終わりました』

 

 

 

「ありがとう、アリア。どうだった?」

 

 

 

『結論から申し上げれば、交流することに反対します』

 

 

 

「あれ?どうして?」

 

 

 

『先ずは文明そのもののレベルが低いのです。ようやく衛星へ辿り着ける程度では、技術レベルに差があり過ぎます。また、調べる限り魔法も存在しません』

 

 

 

「地球じゃ絵本の世界だもんねぇ」

 

 

 

リーフ人も文明レベルは決して高くなかったけど、私達と似たような魔法体系が存在したし、何よりとても友好的だったから交流が持てた。

 

 

 

『何より問題なのは、地球人の高過ぎる闘争本能です。争いは後を絶たず、統一政体すら存在しません』

 

 

 

もちろんアードにだって問題はたくさんある。緩やかな滅亡を迎えつつあるし、少ない陸地を巡って凄惨な争いが続いてた時代もある。

ただ、私達には魔法があった。万能じゃないし制約は多いけど、空を飛べて魔法が使えるアード人は地球よりずっと早く融和の道を取ることが出来た。争うんじゃなくて、手を取り合って発展していくことが出来た。

 

 

 

「アリア、地球は数千年前のアードなんだよ。皆が手を取り合える未来を探してる」

 

 

 

前世が地球人だから、闘争本能については何も言えない。人間の歴史は戦争の歴史なんて揶揄されるくらいだし、アードより歴史は短いのに、戦争の数は桁違いだけど。

それでも二度と悲劇を繰り返さないために、皆が頑張ってる。まだまだ時間が必要だと思うけど、皆が手を取り合って生きられる未来を目指してる。

 

 

 

「私に出来ることなんて少ない。でも、地球とアードの交流は間違いなくお互いに良い刺激になる。わたしは、そう信じてる」

 

 

 

地球は発展を続けてる若い文明。アードは停滞と終焉を迎えつつある年老いた文明。

アードにとって地球との、若い文明との交流は間違いなく良い刺激になる!

 

 

 

「駄目、かな?」

 

 

 

私の独り善がりだけどね。やっぱりアリアは反対かな?

 

 

 

『分かりました。調査内容を纏めておきます』

 

 

 

「ごめんね、無理言って」

 

 

 

『私はティナのサポートAIです。貴方が望むならば、その道を支えるのが私の使命ですから』

 

 

 

「うん、ありがとうアリア」

 

 

 

渋々、かな。まあこの辺りは交流をはじめて説得するしかない。そもそも局長が許可してくれなきゃ意味がないけど、自信はある。

お母さんやお父さんにもちゃんと報告しないとね。

 

 

 

行きと違って帰りは星間航行システム、所謂パルスドライブで一気にゲートまで戻った。行きは五時間掛かったけど、パルスドライブなら三十分くらいかな。

ゲートが見えてきたから、私は進路を指示することにした。

 

 

 

「アリア、一気にアードまで戻るよ。時間は?」

 

 

 

『半月を要します』

 

 

 

「ん、それで良いよ」

 

 

 

当たり前だけどアードと地球では一日の長さが違う。

アードは一日が36時間ある。地球の1.5倍だね。

 

ただそれだと時差で地球との交流で頭が混乱しちゃうから、探査中は地球で使われてる単位を使用してる。アリアも理解してくれて、地球時間で教えてくれるんだ。

 

 

 

「じゃあお願い。私は“トランク”でフェルと過ごすから、アリアも気軽に話し掛けてね」

 

 

 

『分かりました。ゲートオープン、目標惑星アード近海。ハイパーレーンへ突入します』

 

 

 

ゲートを潜ると、極彩色の空間が広がった。ここから一気にアードまで戻る。先ずは地球のことを知らせて、地球との交流許可を貰わないといけない。フェルの事もあるし、出来るだけうまく立ち回りたい。

まあ、いざとなれば親の力を借りるよ。使えるものは使わないと。お母さんは科学者だし、お父さんは魔法省の職員。

あっ、意外といけそうな気がしてきた。

 

 

 

私はアリアに後を任せて“トランク”に戻ることにした。何があったかをフェルに教えて、何を手土産にするか相談しないとね。

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