星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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朝食とジャッキーさん

 まあ、難しいお話は忘れて女将さん達が用意してくれた朝食を楽しむことにした。

 昨日の夕食がとても豪華だったから、一般的な日本の朝食を用意して貰った。もちろんフェルとも話をしているし、日本の一般的な朝食に興味を持ってくれた。

 

 

 用意された朝食はご飯、味噌汁、漬け物、焼き魚というまさに日本の定番と言うものだった。個人的には目玉焼きや卵焼きも捨てがたいけどね。

 フェルは二回目、ばっちゃんは純粋な和食も初めてだから口に合うか心配だったけど。

 

 

 

「よし決めた、私ここに住む」

 

 

 

 焼き魚とご飯を食べた瞬間の言葉である。いやなに言ってんのさ。

 

 

 

「里を放り出して楽隠居なんかさせないからね、ばっちゃん」

 

 

 

「ケチ☆」

 

 

 

「ケチじゃない」

 

 

 

 それだけ感動してくれたと思えば悪い気はしないけどさ。地球の食べ物だけでもアードじゃ大人気だ。次は缶詰ばかりじゃなくて、日本産の冷凍食品も持ち帰ってみようかな。もちろん交易として、医療シートを幾つか譲渡するのは当然だ。

 貨幣が違うし、そもそも経済状況がまるで違うからしばらくは物々交換になるかなぁ。その辺りは本格的な交易が始まった時に、経済に詳しい人達にお任せしよう。

 今は目の前の料理に集中だ。ばっちゃんは素直にスプーンとフォークを選んだけど、私は当たり前のようにお箸を使う。昨日覚えたフェルもお箸だ。

 ……完璧な作法をいつの間にマスターしたのかな?フェルは記憶力すらチートレベルらしい。

 

 

 

 私としては純和食に満足している。なにより漬け物は高菜だ。前世で好きな漬け物は?と聞かれたら、高菜!と即答するくらい好きだった私にとっては嬉しい限り。

 大好物をご飯と一緒に口へ運ぶ。高菜の独特な風味とちょっとした辛さ、ご飯の甘味が口いっぱいに広がって。

 

 

 

「私、ここから出たくない」

 

 

 

「ティナちゃんにもお仕事があるからダメだよ☆」

 

 

 

「ケチ」

 

 

 

「ケチじゃないよ☆」

 

 

 

 ばっちゃんと、同じやり取りをしてしまった。フェルは味噌汁に感動している。以前インスタント味噌汁を振る舞った時とは違う出来立てだからね。

 

 

 

「温かくて優しい味付けですね。それに、良い香りです」

 

 

 

「フェルも気に入ったみたいで良かったよ」

 

 

 

「はい、合衆国の食事は味が濃くて……」

 

 

 

 私はあの如何にもアメリカンな豪快な味付けも好きだけどね。これまでの付き合いで分かったのは、野菜が好きなフェルは濃い味付けがあまり得意じゃない。その点日本食はフェルの好みみたいだ。

 

 

 

「お肉はないの?食べたいんだけど☆」

 

 

 

「朝から肉なんて、胃もたれしちゃうよ」

 

 

 

「私育ち盛りだから☆」

 

 

 

「育ち盛り(千歳)」

 

 

 

「一言余計だよ☆」

 

 

 

 ばっちゃんとバカなやり取りをしたり、フェルとのんびりお話ししながらの朝食は大変満足できるものだった。

 

 

 

 朝食後、お部屋でのんびりしているとお客さんがやってきた。まあ、その。

 

 

 

「やあやあ、マイフレンド☆」

 

 

 

「ふははははっっ!またお会いしましたな、マイソウルフレンド!」

 

 

 

 ジャッキー=ニシムラ(Z指定)さんなんだけどね。ばっちゃんと固い握手をするジャッキーさんにフェルは困ったように笑ってるし。なんで侍の格好してるのかな?

 

 

 

「我が父祖の伝統を重んじましてな!」

 

 

 

「数百年は前のお話だからね?」

 

 

 

 うん、マトモに会話してたらこっちがおかしく感じるのは何でだろう。

 いや、先にご用件を聞こう。

 

 

 

「ケラー室長からの伝言を預かっておりましてな。訪米はしばらく待って欲しいのだとか。例の件だと言っておりましたぞ?」

 

 

 

「お姉ちゃん、何したの?☆」

 

 

 

「ん?ばっちゃ……ティリスの持ってるチップをハリソンさんに渡そうってお話なんだけど」

 

 

 

「えっ?ハリソン大統領に?」

 

 

 

 フェルも引いてる。なんでさ?

 

 

 

「アリア、翻訳切って」

 

 

 

『既に切っています、マスターティリス』

 

 

 

「ありがと。ティナちゃん、合衆国に恨みでもあるのかな?」

 

 

 

「あるわけないじゃん。色々お世話になってるし、恩返しはしないと」

 

 

 

 今の私達はアード語でやり取りをしてる。当然ジャッキーさんには理解できないから……何でボディービルダーみたいにポーズ取ってるの?

 フェルも見ちゃダメだよ。

 

 

 

「パトラウスの書簡の事だよね?宛先はなんだっけ?☆」

 

 

 

「地球の首長だよね?」

 

 

 

「そんなものを真っ先に渡される合衆国上層部の皆さんは、今頃胃と頭を痛めているんじゃないかな?☆」

 

 

 

「あっ」

 

 

 

 国連の場で公表するべきだった!?今すぐに取り消して……。

 

 

 

「ダメだよー?パトラウスの私的なものと言っても大事な書簡なんだから、今更渡さないなんて言っちゃダメ☆」

 

 

 

「ひっ、秘密にしておけば……」

 

 

 

「ホワイトハウスだっけ?彼処にだってスパイは居るし、メディアって敏感なんだよねぇ?☆」

 

 

 

「うぐっ……」

 

 

 

 ばっちゃん曰く、スパイが潜り込んでいない政府機関は存在しないだっけ。

 ……あれ?これもしかして。

 

 

 

「私、またやっちゃった?」

 

 

 

「ティナちゃんらしくて良いと思うけどねー?フェルちゃんも分かってて止めてないし☆」

 

 

 

「それがティナの良いところでもありますから」

 

 

 

 後先考えないことを誉められてもなぁ。つまりまた私はハリソンさん達に迷惑を掛けちゃったと。

 

 

 

「今頃合衆国政府は少しでも他の国を巻き込むように動いていると思うよ?普通なら拒否したり代案を提示したりするんだけど、ティナちゃんからの提案だからそのまま受け入れるしかないよね?ティナちゃんの機嫌を損ねる可能性は極力排除したいだろうし」

 

 

 

「つまり私の提案やお願いを断れない?」

 

 

 

「ティナちゃん本人の意思とは関係なくね☆まあそんな対応が出来るんだから、合衆国はこの交流の重要性を良く理解していると思うよ☆」

 

 

 

「あんまり嬉しくないよ。はぁ……お詫びを用意しないとなぁ」

 

 

 

『胃薬や頭痛薬は充分にストックされています』

 

 

 

「アードのお薬はダメだからね?アリア」

 

 

 

『地球人に害はありませんよ?』

 

 

 

「ジョンさん達を見て鵜呑みには出来ないよ」

 

 

 

 流石にもう一度はやらないからね!?

 

 

 

「お話は終わりましたかな?」

 

 

 

「あっ、はい。終わりましたよ」

 

 

 

 言葉は伝わらなかっただろうけど、話が終わったのを見計らったのかジャッキーさんが話し掛けてきた。何故か日本語で。だから日本語で返したんだけど。

 

 

 

「なぁんで日本語が分かるのかなぁ?☆」

 

 

 

 なんかまたやらかしたような気がした。




ジャッキー=ニシムラ(一応天才)
「日本語は気合いで覚えた」
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