星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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次回は来週になりますなぁ


政治的な強かさ

 ジャッキーさんが調整のために部屋を出たあと、反省会を開いた。

 またやらかしてしまったことが判明したけど、ばっちゃんとしてはそれを利用するように仕向けるみたいだ。何をするんだろう?

 

 

 

「今現在、地球の為政者達はティナちゃんに振り回されているのが実情だよ。これはティナちゃんが無自覚にやらかすからなんだけど」

 

 

 

「激しく反省しております」

 

 

 

「このやらかしが続けば、地球の為政者達に連帯感を持たせられるんじゃないかな?」

 

 

 

「どう言うこと?」

 

 

 

 私のやらかしで合衆国がまた大変なことになってるんだけど。

 

 

 

「今のターゲットは合衆国だけど、交流が進めば他の国にも矛先が向くのは為政者ならある程度は予測できる筈だよ☆」

 

 

 

 やらかすのを大前提にされているのが悲しい。否定できないのが更に悲しい。

 ってか、ターゲット呼ばわりって。

 

 

 

「となると、各国は情報共有を密にしてティナちゃんのやらかしに備えようとする。今回だって合衆国は他国を巻き込むことでダメージの分散を狙ってるんだから☆」

 

 

 

「なるほど、つまりティナが……その、やり過ぎてしまった時の対応で協力関係が築けると」

 

 

 

 フェル、一生懸命フォローしてくれてありがとう。

 でも、ばっちゃんらしくないなぁ。そんなに上手くいくかな?

 

 

 

「もちろんこれは理想論だよ?ただし、それを実現させるだけの手も考えているけどね☆」

 

 

 

「何をするのさ?」

 

 

 

「簡単だよ、ティナちゃんのやらかしで苦労させつつアオムシに制裁を加えていく。地球市民はティナちゃんの活躍を見て善意の塊だって知ってるし、関わりがある為政者達も同じ。そしてティナちゃんに悪意を向けるアオムシ退治を大々的に公表して民意を掴む。結局は為政者より民衆の心を握れば良い。これからの交流にアオムシは要らない」

 

 

 

「ばっちゃん、その理屈でいくと……まさか」

 

 

 

「将来的には、地球にアードへ好意的な統一政体を作らせる。銀河の反対側までやって来るんだから、現地で嫌な経験はさせたくないからねぇ」

 

 

 

 ……交流が本格化した時、確かに地球の政体がバラバラだと色んな問題が起きる。

 ばっちゃんは地球そのものを作り替えようとしているんだ。傲慢だと思うのは私が地球人だったからなのかな。

 

 

「まあ、ティナちゃんはこのまま思う存分交流に頑張ってくれれば良いよ。ティナちゃんの頑張りが大前提なんだし、折角交流するなら仲良くしたいもんね?☆」

 

 

 

「分かった……でも、地球人を傷付けるのはダメだからね?」

 

 

 

 それだけは絶対に譲れない。正当防衛なら……仕方無いけど、何をしても弱いもの苛めになってしまうから。

 

 

 

「それは約束するよ☆それで、もうひとつ質問があるんだ☆」

 

 

 

「ん?なに?」

 

 

 

 ばっちゃんからシリアスな雰囲気が消えたし、私もリラックスしてお茶を飲んで。

 

 

 

「何でティナちゃんは日本語が分かるのかなぁ?☆」

 

 

 

「ブーッッ!!!」

 

 

 

 ばっちゃんの爆弾発言で盛大に吹き出した。フェルが障壁で受け止めてくれたから何かを汚すことにならなくて良かった。

 

 

 

「ゴホゴホッ!」

 

 

 

 思い切りむせてしまったけど、フェルが優しく背中をさすってくれた。

 

 

 

「大丈夫ですか?ティナ」

 

 

 

「ん、大丈夫。ありがとう、フェル」

 

 

 

 ああ、フェルの優しさに癒される……。

 

 

 

「出来れば質問に答えて欲しいなー?☆」

 

 

 

「隠れて勉強してたからじゃダメ?」

 

 

 

 

 

 ティナちゃんは可愛らしく笑っているけど、勉強なんてしていないとアリアから教えて貰っている。何より勉強するなら使用率が高い言語である英語だ。

 日本語は日本でしか伝わらないし、何より日本に滞在して一日だけど文化に精通している。どう考えても何かある筈だけど……まあ良いか。

 素直なティナちゃんが誤魔化すんだから、言えない理由があるんだろうな。フェルちゃんも何も言わずに受け入れているし、私が引っ掻き回すような案件でもない。

 

 

 

 その後、外交官の朝霧さんに呼ばれて私達は旅館を後にして日本の国会議事堂へやって来た。地上を走る車かぁ、千年前にはアードにも……いや、無いな。

 アードにはこんなに広い陸地が無かったし、どちらかと言えば船や飛行機が一気に発展してきた。空を自由に飛べて魔法が存在する私達にとって、航空機の開発はそこまで苦じゃなかったからね。

 

 

 

 国会議事堂の敷地内に車で乗り入れ、正面玄関の光景を見たティナちゃんは。

 

 

 

「わぁ……またこんなに大袈裟な」

 

 

 

 そう呟いた。何故ならそこには日本の首相さんを含む政府首脳陣が勢揃いしていた。それ以外にも大勢の報道陣が集まっている。

 ティナちゃんは大袈裟なんて言ってるけど、日本の椎崎首相は良く理解しているやり手だと分かる。首脳陣を集めて大々的な謝罪をすることで誠意を示し、報道陣はそれを地球中に放送する。

 そして私が謝罪を受け入れたことも公表すれば、各国は日本を攻撃し辛くなる。それに椎崎首相とティナちゃんには個人的な関係があるみたいだし、私が謝罪を受け入れないことは万にひとつも無い。

 ……強かだ。

 

 

 

 パトラウスへの報告書にはしっかりと書き込まないといけないね。間違っても地球の為政者を嘗めるような真似はしちゃいけない。彼らは強かだ。

 統一政権が出来て久しいアード人の政治家には無い他国との外交を良く理解している。この国の言葉を借りるなら百戦錬磨、原始文明だなんて馬鹿にしていたら足を掬われる。

 

 

 

 奇しくもこの日本政府による対応はティリスの警戒心を引き上げながらもアードに過剰と言える用心深さを与えることになり、アード内部にあった地球征服論者を黙らせる結果となるのである。

 

 

 

「この度は本当にごめんなさい」

 

 

 

「私は大丈夫だよ☆これからもお姉ちゃんと仲良くして応援してくれたら嬉しいな☆」

 

 

 

「ええ、約束するわ」

 

 

 

「じゃあ、仲直りの印に☆」

 

 

 

「あら?ふふっ、姉妹ね」

 

 

 

 笑顔を浮かべながら抱擁を交わす椎崎首相とティリスの写真は全世界に配信され、日本政府へ攻撃しようとしていた国や勢力の出鼻を挫いた。

 それと同時にティナ、ティリス姉妹と抱擁を交わした椎崎首相への注目度が集まり、日本とアードの深い関係を各国に印象付けることとなった。




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