星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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ちょっと遅れました(昼過ぎ)


今後に備えて

 無事にフロンティア彗星を爆破し、地球へ向かう可能性がある破片はトラクタービームを使って回収。調査ついでにせっかくなので地球への手土産とすることにした。

 ティナはプラネット号へ帰還するが、疲労困憊の様子であった。

 

 

「身体が重い……まるで中性子星みたい」

 

 

 

「例えの規模が大きすぎるよ☆まあ、無茶をすれば疲れが溜まるのは当たり前。フェルちゃん、後のことはやっておくからティナちゃんをメディカルルームへ連れて行って。あとカレンちゃんもね☆」

 

 

 

「待ってよばっちゃん、カレンは怪我をしていないし元気だよ?」

 

 

 

「ティナちゃん、プラネット号内部は私達アード人に適した環境なんだよ?保護魔法もない地球人のカレンちゃんを生身で連れ込んでいるんだから、なにか起きたら大変なんだよ?☆」

 

 

 

「あっ」

 

 

「あはは……私は元気だよ?ちょっと身体がふわふわするけど」

 

 

 

「些細なことが大変な事態を招くこともあるんだよ☆フェルちゃん、大丈夫だとは思うけどカレンちゃんも医療ポッドに入れて検査しておいてね☆」

 

 

 

「はい、分かりました。カレン、ついてきてくださいね」

 

 

 

「分かった!」

 

 

 

「はぁ、またやらかした……ジョンさんに土下座しないと」

 

 

 

「ふふっ、土下座がティナの新しい挨拶になっちゃうよ?」

 

 

 

 とは言え、宇宙船の中は密閉空間でありパンデミック等が非常に発生し易い環境である。それ故に滅菌設備は充実しており空気を供給する通気孔などにも特殊な滅菌フィルターが設置され、外部から船内に入る際は自動的に除染魔法が発動。基本的に艦内は無菌室レベルに保たれている。

 もちろん限度はあるが、惑星アード由来の細菌等は徹底的に排除され、他の星の菌なども持ち込ませぬよう最大限の処置が行われているのでカレンの身に異常が出る可能性はほとんど無いのだが。

 

 

 

 プラネット号のメディカルルーム。ラーナ星系の戦いを経て機能をより充実させるべく、宇宙開発局で使われていなかった医療ポッドを追加で複数台設置。合計十台の医療ポッドが並ぶその空間はまさにSFと言えた。

 フェルは手早くティナの衣服を脱がせていく。

 

 

 

「ワォ!こんなところで始めるの?フェルってば大胆ね!」

 

 

 

「えっ?ちっ、違いますよ!」

 

 

 カレンの言葉にフェルは顔を真っ赤に染めて否定し、ティナが困ったように笑いながら訂正する。

 

 

 

「あはは、違うよカレン。医療ポッドを使うためには服を脱がなきゃいけないんだ。ナノマシンの液体で満たされることになるから」

 

 

 

「じゃあ、私も脱いだ方がいいかな?」

 

 

 

「そうだね、そっちに脱衣所があるからそこで……」

 

 

 

「OK!」

 

 

 

 するとカレンは大胆にもその場で衣服を脱ぎ始めた。上着を豪快に脱ぎ捨て、その凶悪な胸部装甲が露となる。

 

 

 

「カレンも大胆ですよね、恥ずかしくないんですか?」

 

 

 あまりにも大胆な行動にフェルは気まずそうに視線をそらす。今まさに自分がティナにしている行動を忘れているようだが。

 

 

 

「だって女の子同士だし、一緒にお風呂に入った仲じゃない。なんだっけ、裸の付き合い?」

 

 

 

「それはちょっと違うかな?まあ、風邪を引くし早く入ろう。横になってリラックスしとけば終わるよ。フェル、お願い」

 

 

 

「終わるまで側に居ますね」

 

 

 

 前世が男であるティナとしては少し複雑な気持ちであり、極力カレンの裸体を見ないようにポッドの中へ身を横たえる。カレンも同じように横になったのを確認したフェルが端末を操作し、ポッドの蓋がゆっくりと閉じられてナノマシンの液体で満たされた。二人の側に椅子を持ってきたフェルは、静かに二人を見つめながら側で過ごす。

 

 

 

 

 ブリッジでは、フェルが戻らないことを見越してティリスとアリアがデータの解析と考察を行っていた。

 

 

 

「偶然にしては都合が良すぎるように感じるけど、アリアはどう思う?」

 

 

 

『マスターティリスの懸念を肯定します。フロンティア彗星は資源採掘のための小惑星であった可能性が非常に高いです』

 

 

 

「やっぱり……センチネルの常套手段だよね。使い道が無くなった小惑星にドローンを仕込んで適当にぶっ飛ばす」

 

 

 

『はい、マスターティリス。万が一知的生命体が存在すればドローンによって信号を放ち戦力を呼び寄せる。発見されずとも惑星に着弾すれば大損害を与えられる。実に効率的な手法です』

 

 

「となると、この近くにセンチネルが居る?」

 

 

 

『そこまでは推測の域を出ません。センチネルの活動範囲や活動拠点については解明されておらず、銀河全域に渡る可能性もありますが』

 

 

 

「数百年前に打ち出したものが偶然ここへ飛んできた可能性もあると」

 

 

『肯定します』

 

 

 

 アリアの言葉を聞き、椅子に座ったまま苛立たしげに足をプラプラさせるティリス。

 センチネルは謎の多い機械生命体であると考えられているが、そもそも生命であると定義するのも難しい存在なのだ。

 基本的に艦艇まで含め全て無人であり、プログラムには知的生命体を発見、殲滅せよとの命令しか付与されていないのだから。

 

 

 

「……今回は私達が居たからなんとかなったけど、居なかったら地球は滅亡していた。ティナちゃんがその事に気付かない筈はない。ずっと地球に残るなんて言い出す可能性もあるけど、あんな無茶は二度とさせられない」

 

 

 

『更なる戦力の強化及び広範囲に渡る索敵拠点、迅速な通信手段の構築を推奨します。また無理をしたことで、ギャラクシー号の損傷も無視できません。専用の設備及びメカニックスタッフによる点検修理を強く推奨します』

 

 

「うーん……パトラウスにお願いするにしても、アードに戻らなきゃ駄目だね」

 

 

 

『はい』

 

 

 

「よし、アードへ戻ろう。ティナちゃんには私から説明する。オメガ弾はあれでお仕舞いだし、次が来る可能性もあるからね。パトラウスの私信は?」

 

 

 

『いつでもデータチップをジョン=ケラーに転送可能です。内容の再生だけならば、操作は単純ですから』

 

 

 

「上出来だね。地球人には悪いけど、今すぐに戻って対策を用意しないとティナちゃんがもっと無茶をする。このままじゃあの娘が死んじゃう」

 

 

 

『マスターカレンも居ますが』

 

 

 

「あー……検査は直ぐに終わるだろうし、フェルちゃんにお願いして合衆国へ送り届けよう。データチップの転送は止めて、彼女からジョン=ケラーさんに渡してもらう。会ってみたかったけど、それは次の機会に」

 

 

 

『畏まりました』

 

 

 

 数分後、簡易検査を終えたカレンはフェルに連れられて合衆国の異星人対策室ビルへ戻り。

 

 

 

「一旦アードへ戻ります」

 

 

 

 ただそれだけ伝えてフェルはプラネット号へ戻り、そのままプラネット号も地球を後にした。

 彗星を破壊して地球が救われ地球中が大騒ぎになっている最中、ヒーロー達の突然の帰還。尚且つパトラウスの私信を直接渡されたジョン=ケラーは遂に吐いた。尚、彼の吐瀉物は学者達が余さず回収したのは言うまでもない。

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