星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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交易品について一部訂正します。


我が家へ

それから私はアード近海に到着するまでの間“トランク”でアリア、フェルと一緒にのんびり過ごした。

地球との交流について意見を交わしたり、手土産についても心行くまで語り合った。やっぱりたくさんの“トランク”を持ち込むのは避けた方が良いって結論になった。何度も訪問する予定だし、少しずつ持ち込んで馴染ませていくのが正解かな。

 

 

 

ただ、“トランク”を持ち込むにしても“ギャラクシー号”じゃ狭すぎる。実は“トランク”の中に“トランク”を収納することは出来ないんだよね。

厳密には出来るんだけど、その場合中身が破損したり紛失したりするらしい。詳しくは分からないけど、出来ないものは出来ない。となると“ギャラクシー号”の中だとスペースが足りない。

“トランク”は地球にあるトランクケースと同じくらいの大きさだから、結構嵩張(かさば)るんだよね。

だから小さくても良いから船が欲しい。

 

 

 

もう一つは、医療シートにしようかなって思ってる。これは見た目は大きなカットバンなんだけど、簡単な治癒魔法が付与されてるんだよね。

傷口に貼り付けると痛みを和らげて止血し、傷が癒えるのを助けてくれる優れもの。

瞬時に治る!なんて事はないけど、傷が癒える時間を半分程度に出来てしまう。

ただ、テープでしっかりと覆わないとダメだから傷口が広い怪我だと複数枚必要になるし、病気には効果がない。

 

 

 

ただし、“トランク”同様取り扱いには厳重な注意が必要になる。

この辺りは地球の人と要相談かな。どれだけ予算が降りるか分からないし。

 

 

 

アード到着の前日、私はもう一つの問題を解決するためにフェルと話し合いをすることにした。それはフェルの出自について。

だって見た目が普通と違うんだもん。私だって違うけどさ。

綺麗な金のサラサラした髪に二対の羽。どう見ても一般的なリーフ人とは違う。

 

 

 

よくあるパターンが王族とかそんな感じの高貴なお方。その場合一緒に冒険なんて出来ないし、下手をしたら問題になる。びくびくしながら聞いてみると。

 

 

 

「うーん、別に特別な身分とかじゃありませんよ?確かに両親はあの船のリーダー的な立ち位置でしたが、高貴な生まれだなんて聞いたこともありませんし」

 

 

 

「そうなの?」

 

 

 

「はい。最初は髪とか羽を奇異な目で見られることはありましたけど、特別な扱いは受けていませんね」

 

 

 

「あー、何かごめんね?嫌なこと思い出させちゃったかな」

 

 

 

「ふふっ、大丈夫ですよ。皆優しくしてくれましたから。ティナだってそうでしょう?」

 

 

 

「まぁねぇ」

 

 

 

私も金髪しか居ないアード人の中で銀髪だから、奇異な目で見られるってのには慣れてるかな。

いや、前世じゃそんな経験無いから逆に優越感に浸ってたりする。

 

 

 

「でも良かったぁ。もし王女様とかだったらどうしようかと思ったよ」

 

 

 

「大丈夫、私は何があってもティナと一緒に旅をすると決めたんですから」

 

 

 

笑顔が可愛い。じゃなくて!

 

 

 

「じゃあ、尚更宇宙船を手に入れないとね!」

 

 

 

翌日、ゲートを抜けた“ギャラクシー号”の目の前に大きな海洋惑星が広がる。私の故郷、惑星アードだよ。

 

 

 

「アリア、管制局に連絡をお願い。直ぐに局長と会いたいとも伝えてくれるかな?」

 

 

 

『畏まりました……管制局よりナビゲーションデータを受信。ガイドに従い誘導を開始します』

 

 

 

私は自動操縦にして、“ギャラクシー号”を委ねた。管制局からの誘導に従ってアードの大気圏に突入。

 

 

 

『シールド全開、大気圏に突入します』

 

 

 

断熱圧縮で機体が赤くなったけど、問題なく突破。そしてどこまでも広がる海と空に浮かぶ無数の人工島が見えてきた。うん、無事に帰り着いた。

地球時間では1ヶ月、アードだと20日くらいかな?まだ陽も高いし、今日中に報告を済ませたい。

 

 

 

ガイドに従って人工島の一つにあるハンガーへ“ギャラクシー号”を停めた私は、操縦席の後ろに納めてる“トランク”を開いた。

 

 

 

「フェル、良いよ」

 

 

 

声をかけると“トランク”からフェルが勢い良く飛び出してきた。私は慌てて翼を羽ばたかせてフェルに飛び付いて、そのまま着地した。危なかった。

 

 

 

「ありがとうございます、ティナ。まさかあんなに勢い良く飛び出すなんて思いませんでした」

 

 

 

「私もだよ。あー、ビックリした」

 

 

 

ちなみにフェルには既に抗体を投与してる。これは友好的な異星人、つまりリーフ人がアードを訪れても大丈夫なように急遽開発されたもので、この薬を服用することでアードに存在する微生物や細菌、ウイルスなんかの抗体を体内に作り出す。

まあ、要はアードで問題なく過ごせるようになる薬かな。定期的に服用しなきゃいけないのが問題だけど。

 

 

 

すると、連絡してくれたみたいで宇宙開発局のザッカル局長がハンガーに来てくれた。

相変わらず二十代のイケメン天使にしか見えない。

 

 

「ティナ、ご苦労だった。予定より少し早かったようだが、収穫はあったかね?」

 

 

 

「ありましたよ、局長!詳しくはデータを送りますけど」

 

 

 

私は手短にフェルのこと、そして地球を発見したことを伝えた。ビックリしてるね。

 

 

 

「なんと、センチネルに……犠牲者に哀悼の意を捧げます」

 

 

 

「ありがとうございます、ザッカル局長様」

 

 

 

局長がフェルに頭を下げて、フェルも下げた。

 

 

 

「我々は盟約に従い貴女を保護することをここに断言します。手続きが必要となりますので、お時間を頂きますが」

 

 

 

「お世話になります」

 

 

 

「ティナ、お手柄だな。まさかリーフ人にまだ生き残りが居たとは」

 

 

 

「フェル達だけとは思えません。この広い宇宙には他にも居ると思います」

 

 

 

「だが捜索はしない。政府が許可するとは思えないからな」

 

 

 

むぅ。アード上層部は宇宙に出ることに消極的だ。センチネルの脅威があるから仕方無いけどね。

 

 

 

「とにかく、ご苦労だった。報告書については充分に吟味する。また、彼女についての手続きも此方で行うから、三日後に管理局へ彼女を連れて顔を出してくれ。そこで今後の話をしよう」

 

 

 

「分かりました。フェル、うちに来る?アレならホテルもあるけど」

 

 

 

「ご迷惑じゃなければ、ティナのお家にお邪魔したいです」

 

 

 

「よしきた。お母さん達に紹介しないとね!」

 

 

 

「あまり無理をさせないようにな。一応リーフ人協会にも知らせておくから、連絡が来るかもしれないが」

 

 

 

「それは私達で対応しますよ」

 

 

 

「分かった。では、フェラルーシア女史。ようこそアードへ」

 

 

 

「はい!」

 

 

 

ん、フェルも笑顔だ。さぁて、家に帰ろう。濃厚すぎる1ヶ月の土産話もあるからね。お母さん達驚くかな?

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