星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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前世エピソードはフィクションです。決して作者の体験ではありません。フィクションなんです!(血涙)


鎌倉観光

 フェルの失敗で日本の鎌倉へ転移してしまった私達だけど、それを悔いても仕方ないからそのまま現地の皆さんと交流することにした。数十年経っても日本人の基本的な民度の高さは変わらないみたいで、私達は熱烈に歓迎されながらも混乱が起きることは無くて皆さん礼儀正しく接してくれる。もちろん合衆国やブリテンの人達も良くしてくれたのは間違いないけどね。

 折角だからと現地の皆さんのご厚意で江ノ島電鉄線、通称江ノ電に乗せてもらって江ノ島観光を楽しんだ。

 実は前世でも貴重な休暇を使って観光に来たことがあったんだよね。夕陽に照らされた江ノ島の美しさに心を洗われて、名物のシラス丼を食べようと思っていたら上司から電話が掛かって長々と説教されて(業務に一切影響が無い誰もがするような些細なミス)萎えて食べずに精神的に疲れ果てて帰ったのは良い思い出だよ。ハハッ。

 

 

 

 でも、今回は違う。ちょうどお昼時だったけど、有名なお店の店主さんのご厚意でシラス丼をご馳走になった。

 

 

 

「魚を生で食べるの!?」

 

 

 

「そうだよ、フィーレ。騙されたと思って食べてみなよ。美味しいからさ。ね?フェル」

 

 

 

「私も最初は驚きましたけど、とても美味しいと思いますよ?」

 

 

 

 フェルも初めてお刺身を見た時はビックリしていたもんね。まあ、魚を生で食べる文化はとても少ないし、ここまで色々と料理として発展させたのは日本だけなんじゃないかな?詳しくは分からないけど。

 日本人は猛毒があるフグをなんとか食べようと工夫するクレイジーな国民だって、同僚の外国人さんに言われたことがあったなぁ。

 

 

 

「フェル姉ぇがそう言うなら食べる」

 

 

 

「私は?」

 

 

 

「ティナ姉ぇはたまにやらかすから」

 

 

 

 悲しいことに否定できない。

 

 

 

「じゃあ食べよっか。頂きます」

 

 

 

「「頂きます」」

 

 

 

 フェルとフィーレが私の真似をして、食べ始めた。私はお箸が使えるけど、フィーレは初めてだからスプーンだ。フェル?当たり前のように美しい箸捌きだよ。こんなところでもチートだ。

 

 

 

「んー!」

 

 

 

 醤油ベースの優しい味付けとシラスの風味、そしてご飯が混じりあったこの感触。とっても美味しい!前世で食べられなかった分更に美味しく感じてしまうのは気のせいかな。フェルとフィーレも独特な食感に驚きながらも美味しそうに食べている。

 美味しいシラス丼をご馳走になって、何かお礼をしようと思ってたんだけど。

 

 

 

「要らん要らん!腹一杯食ってくれたならそれで良い!」

 

 

 

 店主さんは豪快に笑うだけだ。とは言え、なにもしないのは気が引ける。何か無いかと考えていたらフェルが突然羽を広げて飛び上がった。店内にいる皆さんが驚いているのを尻目にフェルは店主さんの後ろに着地。

 

 

 

「大丈夫、動かないでくださいね」

 

 

 手のひらから溢れる優しい光を店主さんの腰に当てた。すると。

 

 

 

「うぉ!?腰痛が無くなったぞ!?医者も諦めていたのに!」

 

 

 

 跳び跳ねるように軽快な動きを見せる店主さん。どうやら腰痛に悩まされていたみたいだけど、フェルが治したみたいだ。お礼としては足りないとは思うけど、今の私達にはこれくらいしか出来ない。申し訳ないけどこれでお礼とさせてください。

 

 

 

「何言ってるんだ!長年の腰痛を治してくれたんだ!むしろこっちが申し訳ねぇよ!またいつでも食べに来てくれよ!」

 

 

 

「ありがとうございます!とても美味しかったです!また来ますね」

 

 

 

 うん、シラス丼は美味しかったしフェル達も気に入ったみたいだ。生魚はアード人よりリーフ人の好みに合っているのかもしれない。ばっちゃんは苦手っぽかったし。

 お礼を言ってお店を出ると、相変わらず大勢の人が集まっていたけどよく見たらお巡りさんが何人も居て人集りを整理していた。

 

 

 

「江ノ島警察の者です。ティナさん達で間違いはありませんか?」

 

 

 

「はい、ティナです。急に来日してしまってごめんなさい」

 

 

 

「いえ。しかし我が警察署の人員では警備が不足しています。今後の予定は?」

 

 

 

「折角なので鶴岡八幡宮に参拝したいと思っていますけど」

 

 

 

「分かりました。では鎌倉駅で合流できるように手配します。こちらへ」

 

 

 

 私達はそのままお巡りさん達に護衛されながら鎌倉駅へ移動した。移動は当たり前のように江ノ電を使ったし、お巡りさん達も気さくで他の乗客の皆さんと交流することも出来た。

 ただ、私達が乗り込んだ車両は出入り禁止になったから迷惑を掛けちゃったけど。

 

 

 

 鎌倉駅に着いたら、大勢の人に迎えられた。流石に観光客も多くてまさにごった返しているような印象を受けた。でも、それに負けないくらいお巡りさん達が居て混乱は起きていない。良かった。

 私達は皆さんの声に応えて、手を振りながら鶴岡八幡宮へ向かった。私はあんまり大袈裟なのは苦手だ。日本側もそれをよく理解してくれているのか、警備もまばらだ。

 

 

 

『周辺を囲む観光客は全て私服警官です』

 

 

 

 いやまあ、そうだろうけどさ。

 

 

 

 鶴岡八幡宮は前世でも観光に来たことがある名所だ。古くからある由緒正しい場所で、上杉謙信が参拝したことでも有名だ。まあ、関東管領として関東の大名に威光を示す目的もあったみたいだけどさ。

 私個人として忘れられないのは、ちょうど観光へやって来た時に結婚式が行われていたことかなぁ。神前式って言うのかな?

 着物を着た若い男女を神職の皆さんが囲んで、伝統の楽器による演奏もあって厳かで神秘的な光景だったよ。ついつい見惚れてしばらく見物させてもらったのは良い思い出だよ。直後に転けて、スマホケースが無惨なことになったけどね。ハハッ。

 

 

 

「大きな施設ですね、これも神様を御祀りしているんですか?」

 

 

 

「そうだよ、さっきの大仏様が仏教。ここは神道になるのかなぁ?」

 

 

 

 かなり大雑把だし、その道に詳しい人が聞いたら怒られそうだけどさ。

 でも、宗教に関しては大雑把で良いと思う。それがクリスマスを祝ってバレンタインを祝いながらお正月やらお盆の行事もする日本人だからね。色んな宗教を取り入れて楽しむ。罰当たりかな?

 

 

 

「詳しいね、ティナ姉ぇ」

 

 

 

「あー……昨日色々調べたからさ」

 

 

 

 何だか日本に来るとガードが緩くなるのが自分でもわかるよ。ボロが出ないように気を付けないと。

 まあ、折角だから。

 

 

 

「世界が平和でありますように」

 

 

 

 意味合いは違うと思うけど、参拝してお祈りした。神様、もし居るならこの交流を見守っていてくださいね。




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