星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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キリが良いので、今章はここまでとし、次章は来週の予定です!


銀河の彼方へ

 フィーレによるガンダ◯建造から三日後、世間はまだまだ熱狂していた。フィーレはファンサービスと称して日本各地を練り歩くことにしたのである。

 事実建造されたロボットは長時間の飛行も容易く簡易重力操作装置及びフェルの魔法でその重量が問題になることもなく、ティナが操縦して日本各地を飛び回る結果となったのである。まあ交流としては決して悪くはなく、日本人の好感度は滝登りとも言える勢いで跳ね上がっていた。

 

 

 

「日本は異星人と結託して再び軍国化しようとしている!」

 

 

 

 突如隣国の某大統領がその様な世迷言を言い放ったのである。彼個人が極度の反日主義者であり、いつもの人気取りの一環であったが。

 

 

 

「うーん、怖いなら仕方ありません。私は行かないので安心してくださいね」

 

 

 

 その代償は凄まじいものであった。ティナがまさかのその国へは来訪しないと明言して、非難した某国の政権に致命的なダメージを与えて大騒ぎになった。これにはティナの前世の記憶から来る無意識の意趣返しも含まれていたが、本人はその事に気付いていない。

 とは言えティナの行かない発言は全世界を震撼させたのは間違いない。何せ、異星人との交流に参加できないことが明言されたようなものなのだから。

 だが、この発言は別の物議を醸し出す。何せ、アード人も侵略者であると受け取られかねない内容だからだ。

 内外からの非難に晒された某国は日本へ泣き付いたが。

 

 

 

「根拠もなく我が国を批判して、条約も守らず、しかし困ればすぐに泣き付く。一体何十年続けるつもりですか?いい加減、この関係は私の代で終わりにしましょう。

 なにより、あなた方を庇えば我が国もアードからの心情を悪くしてしまうのです。そんなデメリットを抱えてまであなた方を庇う理由があるのですか?」

 

 

 

 椎崎首相は一刀両断にした。本来ならばこの様な発言は物議を呼ぶのだが、日本は現在アードフィーバーとも言える状態である。相手の発言を利用し、更にアードへ好意的な世論を背景として某国との微妙な関係に一石を投じたのだ。

 

 

 

 この対応に焦った某大統領は。

 

 

 

「日本の友人からの知らせでは、日本と合衆国が秘密裏にアードへの使節団派遣を検討している!」

 

 

 

 焦りに焦った挙げ句、とんでもない失言を公表してしまい世界中を巻き込んだ大騒ぎになってしまった。直ぐ様椎崎首相は政府閣僚を集めて。

 

 

 

「どうやらこの中に獅子身中の虫が居るみたいね」

 

 

 

 使節団計画は極秘中の極秘であり、日本政府も政府閣僚にしか伝えていない。にも拘らず隣国の大統領が知っていた。閣僚の誰かが漏らしたのは明白である。

 

 

 

「まあ良いわ、内閣改造を急ぐとして……ティナちゃんにお願いすることが増えたわね」

 

 

 

 この事態に世界中が注目を集めたが、ハリソン大統領の動きは早かった。

 

 

 

「時間を置けば、各国からの横槍が間違いなく増える。そうなれば、使節団派遣は益々遠のく。ならば、強引ではあるが仕方がない。マイケル」

「はっ!」

「椎崎首相に連絡を。ティナ嬢へ依頼し、速やかに使節団を派遣するとな」

「しかし、人員の策定がまだ終わっていません」

「最初期のプランでいく。ティナ嬢達を頼るしかない以上、最初は知らぬ者より親しい者を派遣すべきだ。それに、今回はあくまでも使節団であり外交団ではない。地球人がアードへ行き、現地の人々と交流する。その実績が大事だ」

「畏まりました!」

 

 

 

 そこからの動きは早かった。日本に滞在しているティナは椎崎首相に呼ばれ、フィーバーしているフィーレをフェルとティリスに任せて一人首相官邸へ赴いた。

 そこで使節団計画を明かされる。

 

 

 

「ティナちゃんのお母様からの許可も出たみたいだし、急で悪いのだけれど、お願いできないかしら?」

「地球の皆さんを連れていくのは良いですよ。環境に適応するワクチンも出来たみたいですから。でも、誰が行くんですか?美月さん?」

「私個人としては行きたいけれど、長期間国を空けるわけにはいかないのよね。大丈夫、心配しなくても知らない人は選ばれていないわ。だから、お願い」

「分かりました。他でもない美月さんのお願いですから」

 

 

 

 ティナ自身にティアンナからのメッセージが届いていることもあり、ティナはあっさりと快諾した。

 使節団が乗り込む場所だが、フェルの負担を減らすために大気圏内航行能力を持つ銀河一美少女ティリスちゃん号が地球へ降下して乗せることになった。

 降下地点は合衆国の五大湖周辺が選ばれた。と言うのも、五百メートルを超える規模の宇宙船を下ろす場所が中々見付からなかったのである。

 大きさだけならば飛行場でも良いのだが、出来るだけ目立たない場所として選ばれた経緯がある。

 

 

 

 某大統領による失言は世界中の国を刺激して合衆国や日本へ抗議や問い合わせが殺到しているが、ハリソン大統領と椎崎首相は使節団派遣を強行する。

 と言うより、対応していては意見が纏まるとも思えなかったからだ。国際社会からの批判を承知でアードとの交流を優先した形となる。

 さて、選ばれた使節団のメンバーであるが異星人対策室の面々から抜擢されることになった。初めての来訪であるので、ティナ達と交流が深い人員が選ばれるのは必然とも言えた。何より不穏分子が紛れ込む可能性を完全に排除するという狙いもある。

 団長はジョン=ケラー。友人として特に親しい娘のカレン=ケラー。日本人として朝霧 武雄外交官、随行員兼団長補佐としてジャッキー=ニシムラ(奇行種)の四名が選ばれた。朝霧は日本政府及び合衆国政府からの親書を携えている。

 使節団の目的はアードを訪問して交流を深め、双方の友好関係を促進すると共に本格的な外交関係構築の下地を築くことである。

 カレンが短時間であるがアードの宇宙船に滞在した経験から酸素濃度が少し低いことが懸念されたため酸素供給のための装備も用意された。また手土産として交易品である大量の食料の他に、絵画等の美術品、更にアードでは絵の具などの画材が貴重だと言うので様々な塗料なども含まれている。

 エリー湖にある建設中の異星人対策室新本部の近くに銀河一美少女ティリスちゃん号が着地。ジョン達はハリソン大統領を始めとした合衆国首脳陣や招かれた大勢の報道陣に囲まれて盛大な激励を受け。

 

 

 

「では、行って参ります」

 

 

 

 銀河一美少女ティリスちゃん号から緑色の光が照射され、光に包まれた彼らはまるで吸い込まれるように艦内へと消えていった。

 

 

 

「先ずは第一歩、頼むぞ」

 

 

 

 浮遊していく銀河一美少女ティリスちゃん号を見上げながらハリソンは旅の無事を願った。

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