星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~ 作:イワシロ&マリモ
来週からの予定でしたが、早く書き上がりましたので先ずは導入を!
銀河一美少女ティリスちゃん号にて
異星人対策室長兼使節団長のジョン=ケラーだ。いよいよ私達はアードへ向けて旅立つことになった。急なことではあるが、ティナ達は快く受け入れてくれた。これも信頼を勝ち得た成果と言えるだろう。
残念ながら地球には銀河を渡る技術は無いので全てティナ達に頼る他無いのが心苦しい。せめて彼女達の顔を潰さないように励まねばならない。
私達は彼女達の母艦、アード基準では重巡洋艦クラスである銀河一美少女ティリスちゃん号へ乗船することになった。以前短時間ではあるが滞在したカレンが軽い高山病のような症状が現れたことから、アードでは酸素濃度が地球より低いと考えられて酸素ボンベなどを準備してきたのだが。
「ようこそ、ジョンさん、カレン、朝霧さん、ジャッキーさん!私達は皆さんを歓迎します!」
ティナ、フェル、ティリス殿、フィーレの四人が私達を出迎えてくれた。
「今回は私達の我が儘を聞いてくれてありがとう。しばらくお世話になるよ」
「はい!あっ、それ外しても大丈夫ですよ?」
私達は念のため保護服を身に纏っていた。失礼だとは思うが、酸素濃度が低く更に地球人からすれば未知の微生物が存在する環境であることを考慮しての準備だったが、どうやら杞憂だったようだ。
アリアから詳しく説明されたが、艦内の酸素濃度は地球と変わらないレベルに調整され、細菌ウイルスを含めたあらゆる微生物が存在しない環境が整えられているようだ。
環境が全く異なる他の惑星や宇宙での活動を大前提としたものであり、未知の微生物を持ち込まず、また持ち込ませないように徹底されている。これはやはり宇宙へ進出した文明故の配慮か。
当然、私達の身体に付着していた地球由来の微生物も全て除去されているらしい。地球でも入国の際は防疫に目を光らせている。それのスケールアップだと考えれば良いか。
完全に排除することなど出来るのかと考えたが、少なく見ても相手は数百年、下手をすれば千年以上先の技術を持つ。我々の常識が通じるとは思えない。
そう言えば、ドクターがあらゆる分野の学会に実現不可能とされた研究の再検討を要請していた。アードとの交流が促進されることを見越しての要請らしい。
地球の技術では不可能でもアードの技術ならば実現している研究が存在する可能性が非常に高く、技術交流を行う際の下地を予め用意しておくためだろう。用意周到だな。
ティナ達に先導されて艦内を歩く。まさにSFといった装いの真っ白な通路を歩くが、先ず驚かされたのは天井の高さと広さだ。広さで言えば、目の前でカレンを含む五人の少女達が悠々と横並びで歩けて更に余裕がある程度に広く、天井の高さは目測だと七メートルはあるのではないだろうか。
「室長、正確には高さ八メートル三十センチあります。横に関しては、七メートルと言ったところでしょう」
「随分と高いな」
「やはり空を飛ぶことを前提にしているのでしょうか」
ジャッキー=ニシムラ(地球人スタンダードモデル)が目測で正確な数値を教えてくれた。彼は相変わらず多才だ。
ミスター朝霧の言う通り、空を飛ぶことを前提にすればこの高さや広さも理解できる。
「先ずはお部屋に案内しますね。その後はお風呂で疲れを癒してください」
「ありがとう」
我々としては大部屋を覚悟していたが、なんと個室が用意された。内装としては大きなデスクとベッドのみのシンプルなものだ。見たこともない植物が群生したアトリウムがガラス越しにある。アードの植物だろうか。目を楽しませてくれる。
我々は荷解きを済ませて入浴することになった。何故かと言えば、出発した時間が夜であったからだ。急な決定と出来る限り人目を避けるための処置だったが、ティナ達は受け入れてくれた。感謝だ。しかし、宇宙船での入浴か。今から心が躍るな。
今回選ばれた使節団は、何故か私が団長に選ばれてしまった。随行員その一程度の立ち位置だと思っていただけに衝撃を受けて胃を痛めてしまった。
二人目はカレンだ。あの娘はティナ達にとって初めての地球人の友達だ。物怖じしない性格もあって今回抜擢された。まあ、本人は友達の家へ遊びに行く感覚だがティナ相手にはそれが正しい。気負わず楽しんでほしい。
三人目はミスター朝霧。彼は日本からの出向という立場だが、既に異星人対策室にとって身内だ。今回はハリソン大統領、椎崎首相連名による親書を手渡すという重要な任務を背負っている。
本職の外交官である彼に相応しい任務であり、彼はアード側の礼儀作法の学習に余念がない。
さて四人目なのだが、人選に当たって大いに揉めた。最有力候補は妹のメリルだったが、彼女はブリテンでの事件の後始末に追われて余裕がなかったから断念。
次に名が挙がったのはドクターだ。あらゆる分野に精通する地球科学界の重鎮なのだが、彼は提供されたパルスドライブシステムと日本で建造された巨大ロボットに夢中で断られた。
そして名が挙げられたのがジャッキーだ。彼は少々特殊な性癖を持ち合わせているが、異星人対策室で最も優秀な若者であり、性癖さえなければメリルを紹介してもと考えるくらいには好青年だ。
ティナ達とも交流が深く、何より彼ならばケラー室長の期待を裏切らないという理由で推薦された経緯がある。全体のサポートとして今も張り切っているな。
さて、考えるのは後だ。先ずは案内された風呂で疲れを癒そう。カレンは早くもティナ達と一緒に行動しているし、ちょっと目を離しても大丈夫だろう。
宇宙船には似つかわしくない日本の温泉の湯煙の中で、三人の影が動く。いや、我々男性陣なのだがね。しかし驚いた。まさか日本の温泉があるとは。
アリア曰く、フェルとフィーレが大層気に入った様子で艦内に作り上げたらしい。周辺の景色はホログラムだろう。
生憎私は日本の作法を知らないが、ミスター朝霧とジャッキーが教えてくれたので助かった。湯に浸かるというのは良いものだな。最近はシャワーで済ませてしまうことが多かったから、疲れが癒される。日本では療養目的にも使われると聞き、この気持ち良さならば効果は分からずとも頷ける。病は気からだ。
それにしても。
「予想以上だな」
「ええ、まさかあれ程鍛えているとは」
私達の前ではジャッキーが仁王立ちしていた。鍛えられて引き締まっているな。
「HAHAHA!おや、どうされましたかな?まさか!私の肉体美が今まさにお二人の理性を解かしてしまっているのですか?きゃー!」
「止めなさい」
「人を呼びますよ」
「誰を呼ぶのだろうか……」
貴重な入浴シーンですよ!
違う、そっちじゃねぇ!と言う方は挙手を!
ノ