星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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今章はここまで、次章はいよいよファーストコンタクトです!


2度目の旅立ち

その後フェルを落ち着かせて家に戻った私は、直ぐに事情をお父さんに話した。

 

 

 

「移民監理局には知り合いが居る。早速掛け合ってみるよ。フェル君、悪いようにはしないから安心しなさい」

 

 

 

流石はお父さん。持つべきは頼りになる親である。

その日のうちにフェルをうちで保護する許可が出た。随分と早いなと思ったけれど、どうやらリーフ人側から早々にフェルの受け入れ拒否が出されていたみたい。仕事の早いことで、怒りも感じたけど。

 

 

 

「ティナ、不満は分かるけど我慢なさい。大事にして困るのはフェルちゃんなのよ?」

 

 

 

「それは分かるけどさ、何だか納得いかない」

 

 

 

「リーフの人達は気難しい面があるのよ。こればっかりはどうにもならないわ」

 

 

 

リーフ人の移民達は要請があれば積極的にアード人に協力するけど、それ以外は基本的に里になってる浮き島から出てこない。

元々排他的な種族だし、仕方ない。むしろ友好関係を構築した先人達の偉業を称えるしかない。

……納得出来ないけど。

 

 

 

「あんまり拗ねてたらフェルちゃんも心配するわよ。貴女にはやることがたくさんあるんだから、切り替えなさい」

 

 

 

「はーい」

 

 

 

不満たらたらだったけどお母さんに諌められてしまった。うん、やることはたくさんある。なにより一番不安なのはフェルなんだ。切り替えないと。

 

 

 

「お母さん、医療シートが欲しいんだけど。出来るだけたくさん」

 

 

 

医療シートはアードでも応急処置用の医療用品として幅広く普及してる。一度限りの使い捨てだけど、製造も楽だからか安価で出回ってる。

だから私のポケットマネーでもそれなりの数を確保できるけど、先ずは地球側の反応を見ないと分からない。

 

 

「医療シート?手に入れようと思えばたくさん仕入れられるけれど。私が作ってあげても良いけれど」

 

 

 

科学者であるお母さんは、魔法の力でも有名だったりする。お父さんもね。

その娘の私が魔法関連では一切遺伝していないのは解せないけど。

 

 

 

「本当!?」

 

 

 

「もちろん手間賃は貰うわよ」

 

 

 

「あー、やっぱり?」

 

 

 

「当たり前でしょう。その辺りはしっかりしておかないと、後々困るのはティナよ」

 

 

 

「わ、分かってるよ!」

 

 

 

まあ、お母さんからしたら医療シート作りなんて片手間で出来るからね。

私?……フッ。

 

 

 

とは言え、医療シートの入手手段を一つ確保できたのはありがたい。

私はフェルに寄り添いながら短い余暇を楽しんだ。そして二日後、私はフェルを連れて宇宙港のある浮き島へと向かった。ザッカル局長から船を用意できたって連絡が来たからだ。

 

 

 

「来たか、ティナ。フェル君も元気そうだな」

 

 

 

今ではほとんど使われていない宇宙港のターミナルで局長が迎えてくれた。

 

 

 

「局長、船が用意できたんですか?」

 

 

 

「ああ、用意できた。とは言え今はまだ二人だけだからな、大型艦の使用は許可できない。小型艦を用意した。これだ」

 

 

 

局長が指差した先には全体的に丸みを帯びた二等辺三角形のような巨大な船体が鎮座していた。これって。

 

 

 

「ハンマーヘッド級駆逐艦だ。AIのサポート、居住性と収納性を考えればこれ以外に最適な船は無い。下部の格納庫にスターファイターを一機収容できるのも強みだな」

 

 

 

「おっきい……」

 

 

 

「だねぇ」

 

 

 

フェルの呟きも分かるよ。だって軽く100メートル以上はありそう。

 

 

 

『地球単位では全長150メートル、最大幅50メートルです』

 

 

 

私がフェルと駆逐艦を見上げていると、アリアが大きさを教えてくれた。いやいやいや!デカ過ぎない!?いや、軍艦だからこんなもの?

 

 

 

「局長、これ本当に私達だけで操れるんですか?」

 

 

 

「ほとんどが自動化されているし、ティナにはAIの相棒が居るのだろう?運用面では問題ない」

 

 

 

「そうですけど、軍艦が選ばれるとは思いませんでした」

 

 

 

「何を言っている。報告を読む限り好戦的な文明なのだ。君の身に万が一があっては、ティアンナ女史に合わせる顔がない。今はこの程度しか出来ないが、交流が上手く行けば更なる支援も出来るようになる。女王陛下のご期待を裏切らぬことだ」

 

 

「プレッシャー掛けるの止めてくださいよ……」

 

 

 

「あはは……」

 

 

 

「先ずはファーストコンタクトを無事に済ませることだ。畏れ多いことではあるが、女王陛下は必要ならば直筆の親書をご用意なさると仰せだ」

 

 

 

「責任重大ですね」

 

 

 

「うむ。管制局には話を通してある。直ぐに向かうように」

 

 

 

「えっ、今すぐに?」

 

 

 

これ前回と同じパターンだ!?

 

 

 

「えっ、今すぐにですか?」

 

 

 

「うむ、善は急げと言うではないか。では頼むぞ。“トランク”も10個用意して積み込んである。ついでにスターファイターも搭載済みだ」

 

 

 

「用意が早すぎる!」

 

 

 

二人して駆逐艦へ乗り込む。船尾側に居住区など主要な設備が集中していて、ブリッジは艦長席と幾つかのオペレーター用の椅子があるだけの質素な空間だった。

 

 

 

「アリア、これってまさか」

 

 

 

『はい、ティナ。その気になれば無人で制御可能です』

 

 

 

「なるほどねぇ。武装は?」

 

 

 

『船体前部にある二連装ビーム砲が四基。各種ミサイルランチャー八基、防空ビームマシンガン10門ですね』

 

 

 

「滅茶苦茶重武装じゃんか!」

 

 

 

『センチネルのスターシップを相手にするには、駆逐艦と言えど高火力が必要となりますので』

 

 

 

「居住区は重力がありますよ!」

 

 

 

端末を調べていたフェルが声をあげた。滅茶苦茶高性能じゃんか。

 

 

 

「アリア、制御できる?」

 

 

 

『はい、既に駆逐艦制御を行えるようにアップグレードされていますので可能です。また、ハイパードライブシステムの性能を調べた限りだと、地球へは片道地球時間で七日程度で辿り着けます』

 

 

 

「はっ!?ギャラクシー号の半分の時間で!?」

 

 

 

『ただ、問題があるとすれば大気圏内航行能力を持ちません。今回も補助ブースターを使った打ち上げとなります』

 

 

 

「地球訪問はギャラクシー号を使うから、そこは問題ないよ。よし、早速行こうか!」

 

 

 

私は取り敢えず艦長席に座り、フェルは当たり前のようにオペレーター席に座った。アリアのサポートもあるし、何とかなるでしょ。

 

 

 

『管制局より許可が出ました。ロケットブースター起動します』

 

 

 

強い衝撃と振動を感じた。さあ、責任重大だ!ファーストコンタクトだよ!

 

 

 

「全システムオールグリーン、発進準備完了!」

 

 

 

「プラネット号、発進!」

 

 

 

フェルの言葉を聞いて、私は即興でつけた名前を呼んだ。プラネット号、宇宙を駆ける私達の母船。

 

 

 

『了解、プラネット号発進します』

 

 

 

強い衝撃と振動を感じながら私達は宇宙へ向けて飛び立った。地球とのファーストコンタクト、必ず成功させないとね!

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