星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~ 作:イワシロ&マリモ
よぉ!真実を追い求める紳士淑女のみんな!クサーイモン=ニフーターの真実チャンネルの時間だぜ!全く、久しぶりの放送になっちまったがちゃんと理由がある!機材が攻撃を受けて放送できなかったんだ。
最初はホワイトハウスの能無し共の仕業だと思っていたんだが、あの宇宙人共が居なくなった途端に攻撃が終わったんだよ。つまり、間違いなくあの宇宙人共の仕業ってことだ。全く忌々しいぜ。
だが、わざわざ俺を狙ってくるってことは俺の放送内容は都合が悪いって証言しているようなもんだからな!俺はどんな圧力にも屈しない!リスナーの皆に約束するぜ!
さて、俺が放送できない間にいくつもの重大な事件が発生したよな。先ずは合衆国で起きた爆破テロ事件か。犯人はイカれた薬中だと報道されているみたいだが、俺が裏ルートで調べた結果実際にはヤクに手を出していない敬虔な信徒だったって話だ。
まあ、カルト野郎であることに間違いはないんだが、どうやら奴は宇宙人の脅威に気付いて立ち上がったらしい。そして、自分の命を懸けて地球の脅威に立ち向かったんだ!
リスナーのみんなは俺がカルト野郎を嫌ってるのは知ってるだろうが、コイツに関しては称賛させてもらうぜ。動機がアレだが、やろうとしたことは正しいことなんだからな!
問題なのは、どうしてこいつが薬中のバカとして報道されているかだ!答えは簡単だ!政府の奴等にとってこの事件はどうしても隠したいことだからだ!何故か!?コイツに続いて勇者達が立ち上がるのを恐れていやがるんだ!政府の奴等が能無しで、しかも宇宙人に洗脳されているのはよく知っているよな!?アイツらは大好きなご主人様を守るために、勇敢な勇者を陥れたんだ!
しかも俺の調べじゃ、ロクに裁判も行われず隔離病院の奥へブチ込まれたらしい。面会その他も一切禁止らしい場所でな、生き死にも分からねぇ。俺はとっくに始末されていると思うね!口封じって奴だ。ゲシュタポや秘密警察も真っ青だな!いつから合衆国はファシストの手先になったんだ!?
次の話題は、ブリテンで起きた大規模なテロ事件だ。テロリストが山ほど湧いてロンドン中が大騒ぎになったって話じゃねぇか。だがな、俺は真実を見つけたぜ。これこそ宇宙人共の陰謀に間違いは無ぇ!だってよ!宇宙人がロンドン滞在中に起きたんだぜ!?普通テロをやるなら、警備が薄い時を狙うもんだろ?なのにわざわざ厳戒状態のロンドンでテロを起こすバカが何処に居るんだ!?どう考えても異常だろうが!
少なくない犠牲者が出て、宇宙人相手に慎重だったブリテンが掌を返して友好を叫び出したんだ!こんなの、裏に宇宙人共が居るなんてバカでも分かるぜ!
それともうひとつ気になることがある。みんなご存知、連邦だ。奴等は特に変わらねぇで相変わらずなに考えてるか分からねぇ不気味な連中だが、最近大統領補佐官だったイワンって男が姿を消したんだ。これだけならアカらしくヘマをして闇に葬られたんだと思うんだがな、奴が姿を消した日の朝の話だ。
何でも、宇宙人共の顔がプリントされたシャツを着て派手な演説を赤の広場でぶちまけたって話なんだ。バカみたいな話だろ?
だが、確かにネット上にその様子がアップされたんだ。直ぐに動画は消されたし投稿した奴のアカウントはBANされて、本人は行方不明だ。もしかしたらリスナーの中にも動画を見た奴が居るかもしれないな。
奴等は何かを隠そうとしたんだ。多分、いや確実に宇宙人共の洗脳が行われた証拠だ!なにせ、イワン補佐官は仕事以外に一切興味を示さねぇ相当な変わり者だったらしいからな!
そんな奴をあっさりと洗脳したんだぞ!これだけで奴等がどれだけ危険な侵略者か、小学生だって分かることだ!残念だが、政府は既に手遅れだがな!
そしてなにより俺が心配しているのは、遂に政府の奴等は使節団をアードへ派遣しやがったことだ!しかも議会を通さずに派遣を強行したらしい!完全な独裁じゃねぇか!自由の国は何処へいったんだ!?
ホワイトハウスの連中は完全に侵略者に洗脳されてやがる証拠だ!ご主人様に俺たちを売り渡すための交渉を本格的に始めたということだ!
しかも!この使節団には数千人の地球人が奴隷として連れて行かれているって噂まである!俺は真実だと思うね!宇宙人共に対する手土産代わりなんだろうさ!
アードは人口問題を抱えてるって話だし、奴等は労働力がほしいんだ!皆奴隷にされちまうぞ!
リスナーの皆!今更だが、政府はもう当てには出来ない!頼りだったジャスティススピリッツの成金共も最近は腑抜けちまった!自分達の身は自分で守らねぇと、奴隷にされる!
なにをすれば良いか?そんなのは決まってる!あのカルト野郎がやったみたいに、爆薬を集めるんだ!奴等は殺せる生き物だからな!至近距離で爆発が起きたらひとたまりも無いだろうぜ!
下手に銃を集めたら宇宙人共の傀儡共に感付かれるが、ガソリンならそこらにあるし、何なら花火の火薬を使ったりアルコールで即席の火炎瓶を作って武装するんだ!俺たちの自由を守るために、今こそ行動を起こすんだ!
奴等が戻ればまた俺は攻撃されるだろうが、俺は最後まで諦めずに抗う!奴等の奴隷に成るくらいなら、派手な花火をぶちまけて道連れにしてやるよ!皆も自分や家族を守るために、直ぐに武器を集めて備えよう!地球は俺達のものなんだからな!
ホワイトハウス。復活して相変わらず過激な論調で扇動を繰り返すクサーイモン=ニフーターの放送を聞き、ハリソン大統領は頭を抱えた。
「やれやれ、彼の言い分だと私はティナ嬢の飼い犬らしいよ」
「ハハハッ、ティナ嬢が聞けば困りそうなお話ですな」
「全くだ。それで、マイケル。この五月蝿い蝿の居場所は突き止めたのかな?」
「残念ながら、逃げ足だけは一流です。既に何度か捕縛を仕掛けましたが、全て取り逃がしています」
「ほう、CIAやFBIの捜査網を潜り抜けているのか」
「おそらくこちら側に奴のシンパが居るのでしょう」
「ネズミか……厄介だな」
「現在FBIが内偵を進めていますが、扇動者は奴だけではありませんからね。正直、人手が足りません」
「間違っても死なせてはいかんぞ。彼を英雄にしてしまうからな」
「承知しております。ですから、ここは恥を忍んでアード側に協力を要請しては?あの内容です。アリアはもちろん、フェル嬢も不快に思う筈」
「情けない話ではあるが、仕方がない。二度とテロを起こさせないためにも、次回来訪時に相談してみよう」
クサーイモン=ニフーターはハリソン達首脳部に頭痛と胃痛を与える成果を挙げつつ、ワシントンの夜は更けていった。
アリア
『問い1。空を飛べて魔法が使えることが大前提のアード社会において、空を飛べず魔法も使えない地球人の労働価値を証明せよ』
フィーレ
「無理」