星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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地球動乱
地球帰還と盛大な誤解


 火星の近くで今後の方針を話し合った。まあ、私がやることは変わらないけど月面居留地と大使館の建設を出来るだけ急ぐことにした。

 あっ、でも月は確か前世で……。

 

 

 

「ジョンさん、月の土地は自由に使っても良いんですか?ほら、月の土地とか販売していたような」

 

 

 

 単なるジョーク商材だとは思うけど、後々揉めたら大変だ。

 

 

 

「それについては、ジャッキーが詳しい。頼んで良いかな?」

「無論ですとも!」

 

 

 

 ここでジャッキー=ニシムラ(全身金色タイツ)さんが一歩前に出て来た。

 

 

 

「そもそも現在月は主要国を中心に地球の財産として位置付けられています。これに合わせて各国に土地が割り当てられているのですが、現在皆さんが建設中のエリアは我が合衆国と父祖の国日本に割り当てられたエリアであり、両政府の了承があるので好きに扱っていただいて構わないのですよ!

 ちなみに、かつて販売された月の土地に関しては、共有財産となった段階で速やかに返金処理を済ませております。まあ、反発する声もありましたが彼らには月へ行く手段がありませんからな。最後は手放しましたとも!もちろん、合法的にです!」

 

 

 

 最後はすんごく爽やかな笑顔だった。うん、知らない方が幸せなことはたくさんあるし見なかった事にしよう。何故かばっちゃんも笑顔だしね。怖いし。

 

 

 

「あっ、そうだった。ティナちゃん、格納庫へ行って。後はフィーレちゃんに用意させたからさ☆」

「格納庫に?分かった。フェル、後でね」

「はい、ティナ」

 

 

 

 ブリッジを後にして格納庫へやって来た。そこにはギャラクシー号を含めて十機のスターファイターが格納されている。うん、中々壮観な眺めだ。

 

 

 

「あっ、ティナ姉ぇ。おつかれー」

「お疲れ、フィーレ。ばっちゃんに言われてきたんだけど」

 

 

 

 重力が切られているみたいで、フィーレはふよふよと漂いながらタブレット型の端末を弄ってる。それに合わせてたくさんの作業ポッドがスターファイターに取りついて作業してる。整備だろうなぁ。

 

 

 

「んじゃティナ姉ぇ、パイロットスーツに着替えて。今すぐ」

「着替えるの?別に良いけど」

 

 

 

 更衣室に……いや良いか、フィーレしか居ないし。フェルが居たら怒られちゃうけど、気にすることなくその場でパイロットスーツに着替えた。

 ちなみにアードではパイロットスーツを着る人は少数派だ。環境適応魔法があれば、宇宙空間でもマナが持つ限り普通に過ごせるからだ。

 一般的なアード人のマナでも数日は展開したままでも持つからね。ちなみに私は無理だ。いつも着てる特別製の服には七日間分の適応魔法が付与されているけど、それが切れたら終わりだ。私のマナじゃ一時間も持たないし。

 まあ、個人的にパイロットスーツはテンションが上がるから着てるって側面もあるんだけどさ。

 

 

「いやいや、いくら女しか居ないからってその場で着替えるのはどうなのよ?」

「フィオレ?格納庫に居るなんて珍しいね」

 

 

 

 フィオレは大抵自分の研究室に居るか、植物園や百合の園でフィーレを愛でているんだよね。

 

 

 

「今から出るんでしょ?里長から言われて付き合うことになったから、スターファイターを一機借りるよ」

「フィオレが?」

「なによ、私だってパイロット課程を修了してるのよ?知ってるでしょ」

「まあ知ってるけどさ」

 

 

 

 もちろんフィーレのためだ。私が宇宙に出るまでフィーレは使われることがない機材を眺めるくらいしか仕事がなかったから、不憫に思ったフィオレがパイロットの資格を取ってたまにスターファイターを乗り回してたんだ。

 もちろん惑星内だけど、動かせば整備が必要になる。つまり、フィーレが機械を弄る理由が出来るわけだ。良いお姉さんだよ。

 

 

 

「分かったよ。フィオレには私のウイングマンを任せようかな?」

「あんまり無茶な飛び方はしないでよ?」

「善処するよ、多分ね」

 

 

 

 私はギャラクシー号、そしてフィオレもスターファイターの一機へ乗り込む。ついでに言えばフィオレは普段着のままだ。リーフ人だし、パイロットスーツ無しでも魔法で簡単に色々防護できるしね。

 

 

 

「んじゃ、行ってくるよ。ティナ、いきまーす!」

「行ってら~」

 

 

 

 小さな衝撃と同時にギャラクシー号は星の海へ飛び出した。船の航海も良いけど、こうやって自由に宇宙を飛ぶのも好きだ。

 センサーを見ると、フィオレも私の後ろをぴったりと追従してるのが分かった。

 

 

 

「フィオレ、飛ぶのは久しぶりだよね。ゆっくり飛ぼうか?」

『馬鹿にしないで、普通に飛ぶくらい出来るわよ。ほら、来たわよ』

「ん?え?全機発進!?」

 

 

 

 センサーを見ると、私達以外の九機も次々と発艦してる。何だろう?調整とか?

 

 

 

 ブリッジに残ったティリスは艦長席に座らずに前を見据える。

 

 

 

「全艦第八警戒航行序列へ移行。第一、第二小隊は艦隊護衛機動を取れっっ!!!」

 

 

 

 普段とふざけた雰囲気を引っ込ませ、凛とした声で号令を発する。

 

 

 

「はい!第八警戒航行序列へ移行!戦闘機部隊は艦隊護衛機動へ!」

 

 

 

 管制席に座るフェルが復唱し、端末を操作。更にアリアがサポートする。

 

 

 

『畏まりました。第八警戒航行序列、艦隊護衛機動承認します』

 

 

 

 すると、これまで銀河一美少女ティリスちゃん号の後ろを航行していたプラネット号が旗艦を護るように前に出て、更に九機のスターファイターがそれぞれ三機ずつの編隊を組ながら艦隊周囲を警戒するように飛び回る。

 更にその艦隊の周囲を調整と称して鋭い機動で飛び回るティナ機とそれに追従するフィオレ機。この物々しい雰囲気のまま地球軌道へ辿り着いた艦隊は、真っ先に宇宙ステーションISSの宇宙飛行士達によって観測された。

 

 

 

「ふぉおおおおーーーっ!?」

「おーい、どうしたんだ?タケシ」

「いつもの発作だろ……ん?ティナさん達が戻ったみたいだな」

「みたいだな。取り敢えず報告を……なんだありゃあ!?」

 

 

 

 一人の叫びを聞いて他の宇宙飛行士達が一斉に窓へ集まる。タケシ=ニシムラ(ジャッキー弟)だけはヘヴンモードへ突入したが。

 

 

 

「なんだ!どうした!?」

「あれを見ろよ!船の周りをなにか飛んでるぞ!?」

「ギャラクシー号だろ?ほら、ティナちゃんのスターファイター」

「違うんだよ!いや、形は同じなんだけど、数が多いんだ!」

「なんだって!?」

「……本当だ。それに、何だかいやに物々しくないか!?」

「明らかに警戒してる動きだろ!艦隊直掩機と似たような動きだぞ!」

 

 

 

 飛行士の中に海軍出身者が居たものだから更に誤解は拡大し。

 

 

 

「ヒューストン聞こえるか!?ティナさん達が戻ったが、戦闘機を少なくとも十機以上展開してる!こんなのは初めてだ!明らかに警戒してるぞ!」

『なんだって!?』

 

 

 

 こうして誤解は広がる。

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