星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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フィーレ来襲(ブリティッシュ)

 私の名前はフィオレ。アード星で色々あって、償いのためにティナの活動を手伝うことになった極普通のリーフ人よ。まあ、予想通り罪人としてではなく普通に友人として同行しているような感じになっちゃったけどね。

 なんで私はマンガン導師の言葉に従ったんだろう?それこそ先にフィーレに確認することは出来たし、なにより相手はティナだ。あの娘、隠し事なんて出来ない質だから聞けば直ぐに誤解だって分かったのに。

 なのに私は口車に乗ってフェルを始末しようと動いた。ただ一緒に居ただけなんだけど。今思えば、私を連れていくことでティナを油断させたかったのでしょうね。ムカつく。もちろんあっさり騙された自分によ。

 結果はティナのお父さんティドルさんが身体を張ってマンガン導師を打ち破って、私を助けてくれた。魔法戦でアード人がリーフ人に勝つなんて信じられない大金星なのよ?

 しかもマンガン導師はリーフ人の中でも上位の術者だし。これも愛って奴なのかしらね。まだガキの私には分からないわ。

 

 

 

 その後、収監された私は何故か丁重に扱われて検査で洗脳魔法を施された痕跡が見付かったらしい。しかも完全に洗脳するタイプじゃなくて、意識を残しつつ無意識無自覚に操る質の悪いタイプよ。

 でも、洗脳魔法の類いは意志をしっかりと持っていれば掛かることはないの。原因は間違いなく私の意志の弱さよ。

 家に帰ったらフィーレが居なくて、銀河の反対側に居るって聞かされて動揺してた。そこを狙われたのでしょうね。益々ムカつく。

 もちろん自分にね。

 

 

 

 紆余曲折あってティナと一緒に地球へやってきたけど、まだ地球へは降りていない。地球の植物は魔法薬の新しい素材になりそうで楽しみではあるんだけど、どうやら地球人のモラルはリーフ上層部並みかも。ティリス様が言うミドリムシね。里を離れてみて初めて気付けたわ。

 ティナが地球人のせいで大怪我をしたから落とし前をつけてやろうと思ったら本人とフェルに止められて、後始末はティリス様に任せることになった。フェルもよく我慢できるわね。溜め込みすぎて爆発しないように気を付けてあげないと。

 

 

 

 ティナは部屋に籠って何かしてるし、フェルは植物園で精神を落ち着かせてる。怒ってるわね。離れていてもマナを感じるくらいには。

 ティリス様は地球だし、魔法薬の精製はまだ大丈夫。フィーレでも愛でて時間を潰そうかしら?

 

 

 

「おねーちゃん、スターファイター出して。早く」

「はいはい」

 

 

 

 格納庫へ来た瞬間これである。相変わらず私の妹はマイペースだ。整備か試験かな?そう考えながらコクピットへ乗り込んだ。パイロットスーツ?あんなの着るのはティナだけよ。

 座席に座って準備を……と考えていたら、フィーレが膝の上に座ってきた。

 

 

 

「ちょっと、フィーレ?」

「おねーちゃん、ここ。ここに行く!」

 

 

 

 フィーレが端末を弄ってマップが表示された。

 

 

 

「……日本?合衆国って里じゃないの?」

 

 

 

 一つの惑星に国がたくさんあるって今一分からないし、取り敢えず里がたくさんあるって考えるようにした。

 

 

「良い、私が用があるのは日本だけ」

「勝手に行って良いの?ティナに知らせないと」

「何時でも好きな時に自由に来て良いって首相が言ってたから大丈夫」

 

 

 

 首相?ああ、首長みたいなものかしら。まあ許可があるなら良いか。何かあっても私が守れば良いし。

 

 

 

「じゃ、行くわよ。しっかり掴まってなさい」

「れっつごー」

 

 

 

 押し出されるような感覚と一緒に宇宙へ飛び出した私達は、ナビゲーションに従って地球へ降下した。アードに比べて陸地が多いわねぇ。

 

 

 

 この時フィオレはちゃんとティナへ伝言を残していた。だが、部屋で情報を集めていたティナの邪魔をしないようにアリアが止めたのである。

 これは、アードにとって地球との交流以上に重大な問題であるセンチネル用の兵器開発を促進する意図もあった。

 結果、ティナが姉妹の不在を知るのは翌日となり凡そ丸一日ロボットアニメに興味津々なフィーレを日本(魔境)で野放しにすることになった。

 

 

 

 

 地球、富士山麓。昔から名物である自衛隊の総合火力演習が行われている区域に、真っ白な外壁を持つ八階建ての建造物があった。外見はまるで病院や学校のような広々とした作りであり同じく広い敷地面積を誇るが、周囲は幾重にも張り巡らされた有刺鉄線と三メートルを越える壁によって厳重に囲まれていた。また壁の内側には深さ三メートルの堀があり、更に有刺鉄線で塞がれている。

 敷地内への出入り口は一ヶ所のみであり物々しい警備体制が敷かれていた。

 ここは日本国立地球外技術研究センター。文字通り地球外の技術の収集、研究を行う政府機関である。

 合衆国の異星人対策室で得られたノウハウを最大限盛り込んだ機関であり、人員も官民問わぬ様々な人材が集められた。

 ただし守秘義務に関しては極めて厳格に制定され、万が一情報漏えいや地球外由来の物を無断で持ち出した場合、超法規的措置として射殺さえ許可されているのだ。あまりの苛烈さに批判すら出たが。

 

 

 

「地球の運命を左右しかねない場所なのです。それに、参加はあくまでも志願です。その覚悟が無い方は、参加しなくて結構!」

 

 

 

 反対意見に対して椎崎首相が啖呵を切り、波紋を広げた。この事が各学会の重鎮数名が参加を辞退する結果となったが、逆に若手達が奮って参加するようになった。そのため全体的に非常に若々しい組織が誕生することになる。

 ティナが日本来訪時に持ち込んだトランク、医療シート、更にアード由来の小物等が日夜研究されていた。

 厳格な規則が存在して外出の自由も制限される環境ではあるが、地球外の技術と言うロマンの塊に触れることが出来るし、給金その他の待遇も桁外れだ。

 また、各界の重鎮達が参加を見送って尚も参加する彼ら彼女らは所謂主流派ではなく“はみ出し者”の集まりであることもあり、寝食を忘れて研究に没頭していた。

 なによりも彼らの関心を惹いたのは。

 

 

 

「いつ見ても良いよなぁ、アレ」

「しかもアレ、動くんだぜ。原作バリに身軽にさ。空もジャンプすれば飛べるし」

「明らかにオーパーツなんだよなぁ。運用できる場所が限られ過ぎてる」

「だがそれが良い」

「分かる」

「しかも作ったのはロリ妖精ときたもんだ」

「ここは天国だった……?」

「俺ここに骨埋めるんだ」

「次はなに見せようか?」

「グレン◯ガンでよくね?」

 

 

 

 敷地内に佇む国民的ロボット、ガ◯ダムである。フィーレがノリで作り上げたロマンの塊を眺める男性職員達を女性職員達は冷ややかに見つめていた。

 

 

 

「全く、男共はロボットばっかり」

「ロマンって奴じゃない?知らないけど」

「それよりティナちゃん達の方がずっと興味深いじゃない!なにあの可愛い生き物達!」

「天使に妖精だものねぇ」

「服も可愛いし」

「素材が気になるわよね。今度脱いでくれないかな?ほら、私達女同士だから」

「アード人に通じるのかしら?それ」

「はぁ!はぁ!皆お風呂でペロペロしたいっ!」

「いや、アンタは特殊すぎるから……」

 

 

 色々拗らせているのが玉に瑕だが。

 そこへ颯爽とスターファイターが降り立つと、直ぐ様職員の大半が集まる。そしてコクピットが開き、手を振りながら降りてくるフィーレと、彼女に続いて降りてきたフィオレを見て。

 

 

 

「「「新リーフ人キターーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!」」」

 

 

 

 日本人はいつだって全力なのである(  ̄- ̄)

 フィオレがビクッとなったのはご愛敬である。

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