星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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運命の合衆国へ

 やすらぎで一泊した私達は、改めて美月さんに挨拶をしてそのまま合衆国政府が用意してくれた特別機に乗り込んで合衆国へ向かうことになった。フィーレの作っちゃった諸々は日本政府がちゃんと管理してくれることになった。観光地にするらしい。完成したら是非とも行ってみたいね。

 予定より一日遅れたけど、事前に連絡していたから合衆国側も柔軟に対応してくれた。むしろ私が事前連絡したことに驚かれてしまって。

 

 

 

「ああ、それで良いんだ。少しずつ、焦らずゆっくりと馴染んでいこう。私は君の味方だよ」

 

 

 

 ジョンさんに至っては通信越しで涙目だったし。如何に自分が非常識だったのかを思い知る切っ掛けとなった。考えてみたらアポ無し訪問とか最悪じゃん。

 ばっちゃんはあんまり気にしなくて良いとは言ってたけど、地球の流儀に出来るだけ寄せていかないと。前世を思い出すために日本のマナー本を読んでたらフィオレに変な顔されたけどさ。

 だから今回も転移を使ったりスターファイターを使えば簡単に行けるんだけど、合衆国の用意してくれた手段で移動することにした。

 

 

 

「正直助かるわ、ティナ。護衛対象が自由奔放だと任務の難易度が跳ね上がるのよ。スケジュールを私達が管理できればリスクを大幅に減らすことが出来るわ」

 

 

 

 日本まで私達を迎えに来てくれた護衛の皆さんの中には、当然のようにメリルさんが居た。メリルさんにもたくさん迷惑掛けちゃったなぁ。

 

 

 

「良いのよ。改めて地球をゆっくりと楽しんで」

 

 

 

「ありがとうございます、メリルさん」

 

 

 

 私達は特に問題なくワシントン国際空港へ到着したんだけど、警備の規模がこれまでとは比べ物にならない。警察官さんは当たり前、軍人さんも居るし……うわっ、戦車までいる!

 

 

 

「そりゃこのタイミングでテロなんか起こされたら、合衆国の面子は丸潰れだからねぇ☆」

 

 

 

「それもそうかぁ」

 

 

 

「ティナ、あの金属の塊はなに?」

 

 

 

「戦車だよ、フィオレ」

 

 

 

「戦車? ああ、フィーレが言ってた陸戦兵器ね?」

 

 

 

「そうだよ、あんまり詳しくないけどさ」

 

 

 

「ふぅん、まあその辺りはフィーレに任せるわ。それよりも、地域が変わったからか植生が違うわね。日本の植物も興味深かったし、調べ甲斐がありそう」

 

 

 

 フィーレがたくさんのインスピレーションを貰ったように、フィオレも地球外技術研究センターで日本にある植物のサンプルが集められた区画で植物学者さん達と一緒に一日過ごしたらしい。

 フィオレは地球の植物を組み合わせることで、新しい魔法薬の開発を目指しているみたい。非常に嫌な予感がするから、事前に地球人には飲ませないようにお願いしておいた。フィオレはフィーレが絡まなきゃしっかり者だし、大丈夫な筈……多分。

 それと、交流に当たってフィオレにお願いしたのは履き物だ。彼女は基本的に屋内屋外関係無く裸足で過ごしている。彼女に限らず裸足で過ごしているリーフ人は少なくない。

 ばっちゃんが言うには、元々リーフには履き物と言う文化が無かったみたいだ。常に身体を防護魔法で守ってるし、浄化魔法もある。足を保護する必要が無かったんだ。

 まあ、地球にも履き物を利用しないで暮らしている人はたくさん居るから変じゃないけど一人だけ裸足だと別の意味で目立つからね。

 ちなみに、前世のテレビで見たけど裸足で過ごす人やスポーツをする人は足の皮が分厚くなるらしい。

 相撲経験がある知人の足は確かに皮が厚かったような気がする。なのにリーフ人は何故か華奢なままだ。不思議だよねぇ。

 

 

 

「ティナ」

 

 

 

「ジョンさん!」

 

 

 

 出迎えてくれたのは、異星人対策室のジョンさんだ。たった数日なのに、随分と久しぶりに会ったような気がする。

 

 

 

「心配をかけてしまって、ごめんなさい」

 

 

 

 ばっちゃんに言われたように、小声で謝る。報道関係者も居るからね。

 

 

 

「いや、良いんだ。君が無事で良かったよ。怪我の方はもう大丈夫なのかい?」

 

 

「はい、この通り!」

 

 

 

 私は翼をパタパタと動かして元気な事をアピールした。医療カプセルは凄いよ。少し動かすだけでも痛かったのに、完全に治癒されてるんだから。

 ちなみに取られた羽根はいつの間にかばっちゃんが回収してた。どうやって手に入れたかは聞かないようにした。知らない方が良いこともあるだろうしね。

 

 

 

「それは良かった、大統領も随分と心配されていてね。その元気な姿を見れば安心するだろう。会見後にはカレンにも会ってくれるかい?」

 

 

「もちろんです!」

 

 

 

 色んな人にたくさん心配をかけちゃったし、先ずは顔を見せて元気だと伝えないといけない。よし、切り替えていこう!

 

 

 

 

『フランスで発生した痛ましい事件から数日、ティナさん達御一行は合衆国を訪問されワシントン国際空港で歓迎式典に参加。そのままホワイトハウスでハリソン大統領と会談しました。その際ハリソン大統領が握手を交わして無事を喜ぶとティナさんが涙ぐむ様子が見られました』

『日本の椎崎首相ばかり目立ちますが、我が国の大統領とティナさんの間に存在する信頼関係も強固なものがありますね。実に誇らしい』

『一時はアードとの関係悪化も懸念されましたが、ティナさんの元気な姿を見るとほっとしますね』

『政府関係者の話では、今回の来訪に先立ちティナさんは正式に地球親善大使へ任命されたとの事です。これによりアードとの更なる交流加速に期待が寄せられています』

『また今回は新たにリーフ人であるフィオレさんも来訪されました。関係筋によりますと、フィーレさんのお姉さんでティナさんのご友人なのだとか』

『お友達を呼んでくれたのでしょうか?どちらにせよ有り難いことです』

『アードとの更なる交流によって我々の生活はどのように変わるのか。この後専門家を交えて解説を……』

 

 

 

 荒々しくモニターの電源を切ったクサーイモン=ニフーターは、振り向いて仲間達を見る。その目は危険なほど血走っていた。

 

 

 

「いよいよ奴等が来たぞ!」

「ああ!遂にだな!」

「今夜の内にワシントンへ入る。決行は明日だ!例の準備は?」

「ワシントンプラザで騒ぎを起こす手筈を整えてる。派手な騒ぎになるさ!」

「ならワシントンプラザ周辺で良い場所を探す!明日は歴史的な日になるぞ!気合いを入れろ!」

 

 

 

 ワシントンを舞台に大きな動きが起きようとしていた。後世の歴史家は語る。この時期こそが地球の転換期であると。

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