星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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フィオレとドクター

 フィオレよ。ティナとフェルが転移魔法ミスってエジプトって地域へ行ってしまったみたいだけど、まあ大方フェルがわざとやったんでしょ。

 ティナも色々あったし、気晴らしには良いんじゃないの?原因は地球人なんだし、その辺りは配慮してあげるのが筋じゃない?この星の流儀は良く分からないけど。

 

 

 

 私は妹のフィーレと一緒に地球の異星人対策室本部で待機してる。フィーレは良く分からないロボット兵器を造るんだって意気込んでいるわ。

 やることがなくて動きもしないスターシップを弄るくらいしか出来なかった日々に比べたら、毎日が充実しているみたいで楽しそう。私もそんなフィーレを見ると嬉しくなる。ティナのお陰ね。とんでもない借りを作っちゃったし、ちゃんとこれからの働きで返していこうと思う。

 

 

 

 先ず貢献できそうなことは、地球の医療水準の引き上げかしらね。AIに調べさせたけど、地球には身体を切って治療する手術の概念がまだある。アードやリーフにも昔はあったみたいだけどね。

 身体の内側の疾病や腫瘍の切除、或いは内出血や内臓の治癒が目的だ。

 理屈は理解できるし、地球人は魔法が使えないから仕方無いんだけど、この方法は高いリスクがある。

 ヒューマンエラーはどうしても起こる可能性があるわけで、感染症のリスクもあるし、何より患者の身体に多大な負担を強いる事になる。もちろん、負担を少しでも治癒できるような技術が日々研究されているみたいだけどね。

 

 

 

「ふむ。地球人が克服すべき問題は山ほどあるが、先ず例を挙げるならば癌であろうな」

 

 

 

 異星人対策室の研究室で首席研究員のエドワードおじいちゃん、皆からはドクターや主任って呼ばれているだ。彼から地球の薬草や医薬品について説明を受けているんだけど、その過程で真っ先に解決したい問題は何かと聞いたら、癌と答えられた。

 

 

 

「それって悪性の腫瘍だよね?確か内臓が変異するタイプの」

 

 

 

「アード、いや君はリーフ人か。リーフにも癌があるのかね?」

 

 

 

「あるわよ、おじいちゃん。と言うか、宇宙開発の過程で生物と癌は切り離せない問題だって判明しているし」

 

 

 

 アードが宇宙開発時代に様々な生物を調査した結果、大半の生物には遺伝子変異その他の要因による悪性腫瘍が発生するリスクが存在することが分かってる。まあリスクが存在しない生物も居るらしいけど、少数派だ。そしてこれはアード人や私達リーフ人も例外じゃない。

 

 

 

「宇宙云々は実に興味深い話だが、詳細は後で聞こう。端的に問おう。君達は癌を克服しているのかね?」

 

 

 

「克服していると言えるわね。いや、この場合対症療法だから厳密には違うのかしら?」

 

 

 

 今も癌を初めとした悪性腫瘍は存在する。私達は治療法を確立しているけど、根本的な解決、つまりそれらの悪性腫瘍が発生しない身体を手に入れた訳じゃない。だから厳密には克服しているとは言えないわね。

 

 

 

「やはりか。対症療法となると、やはり手術かね?」

 

 

 

「いえ、投薬治療よ。それらの悪性腫瘍に対する特効薬を飲んで治療するの」

 

 

 

「特効薬か」

 

 

 

「悪いけど、地球人には使えないわよ」

 

 

 

「承知しているとも。そもそも我々と君達とは身体の構造が違うのだ」

 

 

 

「流石おじいちゃん、分かってるじゃない」

 

 

 

 もちろん応用することは出来るけどね。私も今色々調べて地球人にも効果がある薬を作ってる最中だし。

 

 

 

「だが、共通点はある筈だ。そこから始めようか」

 

 

 

「それが難しいのよ、おじいちゃんなら分かるでしょ?」

 

 

 

「無論だ」

 

 

 

 地球人のデータは貰ってるけど、全く別の種族だからリーフの医学はまるで役に立たない。アードとリーフの医療技術を統合してみせた先人の偉大さを実感するわね。

 データを見る限り地球の医療水準は原始的な面もあるけど決して低くはない。癌に対する研究も随分と進んでいるし、私がなにもしなくても画期的な治療法が確立されるのは時間の問題だと思う。

 でも、今この瞬間患っている人達は間に合わない。ティナがそんな状況を許容するわけ無いわね。それに新薬が出来ればそれだけ外交に使えるだろうし、ティリス様も喜ぶか。

 

 

 

「もうひと押しが足りないのよね?」

 

 

 

「その通りだ。我々は癌を克服する道を見つけたが、後一歩が及ばん。君達の知恵を借りたい」

 

 

 

 ふーむ、データを見ると本当に後少しだ。うーん、何を足せば良いのかしら?あっ。

 

 

 

「そう言えば、ラーナフラワーが手に入るのよね」

 

 

 

「ラーナフラワー……ふむ、察するにティナ君が用意すると言う新しい薬草かね?」

 

 

 

「あっ、まだ教えちゃダメだったんだっけ。ごめんおじいちゃん、秘密にしててくれる?」

 

 

 

「無論だ。しかし、興味はある。現物はティナ君に見せて貰うとして、データを見せてくれるかね?もちろん私しか見ない。約束しよう」

 

 

 

「これよ」

 

 

 

 おじいちゃんの端末に地球の言語に翻訳したラーナフラワーのデータを送信した。

 

 

 

「これは興味深い、氷の花か」

 

 

 

「取り扱いには注意が必要だけど、万能薬の素材になるの。成分的にも、地球人に害はない筈よ」

 

 

 

 周囲の熱を奪ってしまう性質はあるけど、それは生きていたらよ。根を切除すればその性質は無くなる。材料として使うのは花弁だけ。

 茎や葉には興奮作用があるから少量なら薬になるけど、過剰に接種したら大変なことになる。しかもその許容量は個人差が激しくて扱いが難しいから基本的には使われない。

 ……おじいちゃん達は信用できるみたいだけど、地球人は好戦的な種族。茎や葉については扱わせない方がいいかもしれないわ。ティナと要相談ね。

 

 

 

「周囲の熱を奪うか。扱いには細心の注意が必要になるが、工夫次第では地球環境の改善に役立つな」

 

 

 

「将来的には一般向けにも販売するつもりみたいよ?もちろん根は取り払うから特性については心配しなくて良いわ」

 

 

 

「うむ、それが良いだろう。悪用しようとする輩は何処にでも居るものだ」

 

 

 

「茎と葉っぱも気を付けてね、おじいちゃん」

 

 

 

「うむ、気を付けよう。フィオレ君、今回は君のうっかりに感謝する。現物を手に入れる前にある程度の対策が出来そうだ」

 

 

 

「それは良かった。魔法薬じゃ根本的な解決にならないし、何か地球人と相性が悪そうだから」

 

 

 

 ジョンさん達を見れば分かる。地球人は魔法薬の類いに不思議な反応を見せるから迂闊には使えないし、ラーナフラワーなら大丈夫でしょ。魔法の産物じゃないし。

 

 

 

『フィーレちゃん、おじさんとアクエ◯オン見ようねぇ』

『子供に見せるものじゃねぇぞ!www』

『スーパーロボット系も必要だろ?』

『当分はリアル系で良くないか?良く分からん原理のエネルギーとか少ないからさ』

『旧ザ◯の次ならゲル◯グだな』

『グ◯だろ!』

『ド◯を忘れんな!』

『水泳部に光を!』

『モビル◯ーマーもあるよ!』

 

 

 

 フィオレが研究に没頭している最中、ネット民達は順調にフィーレへ余計なことを吹き込んでいた。

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