星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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ブリテン再訪

 そろそろ地球へ降りようかなって考えていたら、大西洋で大きな豪華客船が燃えているのを見付けた。当然その事態を放置なんて出来ない。

 地球では毎日たくさんの事件や事故が起きている。全てを助けられるなんて驕るつもりはないけど、それでも見付けてしまった以上助けないなんて選択肢はない。少なくとも私にはね。

 直ぐに地球へ降下して、先ずは沈まないようにトラクタービームで宙に浮かせて、救助と消火を同時に行った。

 フィーレがたくさん積み込んでいた工作ドローンのお陰で消火は直ぐに出来たし、手当てもフェル達のお陰で迅速に行えた。私はアリアの探知を借りながら船内を飛び回って逃げ遅れた人達を助けて回った。

 助けた人達の中には私達を手伝ってくれる人も現れて、本当に嬉しかった。船長さんのお話だと、乗客乗員全員の安否を確認できたみたい。怪我人はたくさん出たけど、迅速な対応のお陰で死んでしまった人は居なかったみたい。本当に良かった。命より大切なものはないからね。

 

 

 

 その後はこのまま目的地のブリテンへ運んであげることにした。海の上で怖い思いをしたんだから、陸の上を飛んでいくのが正解なはず。

 なんかたくさんの戦闘機が飛んできてビックリしたけど、直ぐに編隊を組んで一緒に飛んでくれた。まあ、後で考えてみたらガッツリ領空侵犯をやってたから、スクランブルなんだろうなぁ。また迷惑を掛けちゃった……。

 

 

 

 無事にブリテンへ到着して豪華客船をゆっくりと着水させる。事前に連絡していたから、救急隊の皆さんやお医者さん達が大勢待機していた。怪我はほとんど治せたけど、怖い想いをしたんだからゆっくりと休んでほしい。

 それと再発防止のために、フィーレが調べた船の状態や原因に関するデータをブリテン政府へ送っておいた。事故が完全に無くなるなんて事は無いけど、それでも少なくすることは出来る。そのために役立ててくれたら嬉しい。

 

 

 

「どうする?ティナちゃん。このまま合衆国へ行っちゃう?☆」

 

 

 

「んー……ばっちゃん、ちょっと寄り道して良い?目的地はロンドン!」

 

 

 

「いいよ、のんびり行こっか☆」

 

 

 

 ばっちゃんの許可を貰ってそのままブリテン本土をゆっくりと横断して、首都であるロンドンへやってきた。

 前回はパンパンに詰め込まれたスケジュールでロンドン観光なんて全く出来なかったから、少しだけゆっくりと見て回りたい。クレアにも地球の景色を楽しんで貰いたいしね。

 

 

 

「ばっちゃん!直ぐに戻るね!」

 

 

 

「ごゆっくり~」

 

 

 

「夕飯までには戻りなさいよ」

 

 

 

「はーい!フェル、行くよ!」

 

 

 

「はい、ティナ」

 

 

 

 ばっちゃんとフィオレに見送られた私は、フェルと手を繋いで急降下。ロンドンの町を貫くテムズ川の水面ギリギリまで降下して、ゆっくりと翼を羽ばたかせて空を飛ぶ。

 世界的にも有名なこの川は、今もたくさんの船が行き来してる。私達はその合間を縫うようにゆっくりと飛んだ。

 船に乗ってる人たちや、陸地の人たちが驚いているのが見える。手を振ってくれたらお返しに手を振り返しておく。

 そのまま私達はお喋りしつつロンドンの皆さんに挨拶をしながらゆっくりと飛んで、有名なタワーブリッジの真下を潜り抜けるように飛んだあと、同じく有名なビッグ・ベンと呼ばれてる時計塔の一番高い場所へ降り立って、淵に並んで座った。ロンドンの街が一望できる素敵な景色に圧倒されちゃったよ。

 

 

 

「ティナ、こうして連れ出してくれるのは嬉しいですけど、どうしてこの街に?」

 

 

 

「前回に来たときはそんな暇もなかったけど、本当はフェルと一緒にゆっくりと色んなところを見て回りたかったんだ」

 

 

 

 本音を言えば大使なんてやらずに、フェルと一緒に地球のあちこちをゆっくりと見て回りたい。今の状態じゃそれは果たせない夢だけど、いつか交流が本格化して政治の段階へ入ったら、大使なんて辞めてゆっくりと過ごしたいなって考えてる。

 もちろん丸投げするような無責任な真似は出来ないけど……いやまあ今の段階でも政治外交はばっちゃんに丸投げしてるけどさ。それでもちゃんと道筋を作って、後の人に託したいって想いもある。

 私は政治外交なんてさっぱりだけど、それでもこうやって観光して、地球の皆さんと触れ合って、一緒に何かを感じる。それは交流にとって、とても大切なことだと思う。

 

 

 

 前回はブリテン市民の人とほとんど触れ合うことは出来なかったし、それにあんな終わり方をしたんだ。それをそのままには出来なかったから、もう一度ゆっくりと観光することにしたんだ。

 

 

 

「私も、色んな柵を無くしてティナと色んな場所を見て回りたいです。色んな景色を見て、感じて、その気持ちを共有したい」

 

 

 

「うん。その為に、もう少しだけ我慢してくれるかな?待たせてばっかりだけどさ」

 

 

 

「いつまでも待っていますよ、ティナ」

 

 

 

「ありがとう、フェル」

 

 

 

 二度目の生は前世と比べ物にならないくらい長いんだ。地球を存分に堪能したら、そこで終わりじゃない。

 次はフェルと一緒に、どこまでも広がる星の海を思う存分冒険してみたい。その時間は十分にあるはずだ。

 もちろんセンチネルという滅茶苦茶厄介な問題が待ち受けているけど、それを解決する手段が直ぐ近くにある。最近そんな気がするんだよね。

 

 

 

「あっ、ティナ。地球の人達がたくさん集まっていますよ」

 

 

 

 フェルに促されて下を見ると、ビッグ・ベンの周りにたくさんの人が集まっていた。

 今回の訪問前にばっちゃんを通じてブリテンのチャブル首相へ連絡を入れている。ばっちゃんと仲良しみたいで、地球人も侮れないってばっちゃんに言わせるほどの人だ。

 きっと凄腕の政治家さんなんだろうなぁ。私は一度挨拶しただけなんだけどさ。

 

 

 

「じゃあ、フェル。一緒に降りよっか」

 

 

 

「大丈夫なんですか?」

 

 

 

 明らかに警戒してる。パリの事件があったから仕方無いんだけど、今回は大丈夫そうだ。

 

 

 

「アリア」

 

 

 

『当局による警備体制が強化され、更にブリテンの首長であるチャブル氏も確認しました』

 

 

 

「ありがとう。フェル、一緒に行こう。大丈夫だから」

 

 

 

 ここで失敗するような人なら、ばっちゃんが認めるはずもない。それに、私だって対策はしてる。翼もフェルが張ってくれた障壁で完全防御!ミサイルが直撃しても無傷だよ!

 警戒しているフェルを連れてゆっくりと降りて、ブリテンの皆さんに笑顔で挨拶した。

 

 

 

「こんにちわ!お邪魔しています!ティナです!」

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