星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~ 作:イワシロ&マリモ
何だろう、また派手にやらかしたような気がするけど気のせいだよね。気のせいだと良いなぁ。
ジョンさんと別れて、私は母艦である銀河一美少女ティリスちゃん号へ帰艦した。フェルからの連絡によると、昨日はマコ君のために太陽系内の星を間近で観察したみたいだ。
マコ君は朝霧さんの息子さんらしく宇宙に興味津々だったから、大喜びだったみたいだね。少しでも宇宙の旅を楽しんでくれたらと願わずにはいられない。
朝霧さん達をアードへ連れていくのはあくまでも個人的なお礼がしたいからだし、本星も許可を出してくれたってばっちゃんが教えてくれた。
まあ使節団みたいに堅苦しい感じにはならないし、交流を促すことになるだろうから、大使の仕事として大切なことだと思う。
特に子供であるマコくんや、お母さんである女将さんは完全な一般人だから、彼等から見たアードと言うのは大事だ。
で、母艦へ戻ってみたら人型ロボットが鎮座してた。いや、なにこれ?見た感じ……強いて言うなら、ウィ◯グガン◯ムやパト◯イバーに似てるような気がするけどあちこちに違いがある。前世じゃファンだったし、間違いはないはず。
となると、これはなんだろう?
「ティナ姉ぇ、おかえりー」
「ただいま、フィーレ。で、これなに?」
「ロボットだよ。地球の色んな作品を参考にして作った試作品」
「試作品?つまりこれはアニメに出たような機体じゃないんだ」
それなら著作権も大丈夫……かな?一応版権を持ってる会社からは自由にして良いって許可を貰ってるけどさ。
「これ、動力源は?」
まさか核融合炉とか言わないよね?地球人は核に対してかなり敏感な状態になってるから。
「マナドライブシステムだけど、なにか問題あった?」
「いや、問題ないよ」
マナドライブシステムはアードにある乗り物の大半が搭載してる半永久機関だ。
さすがに完全な無限機関じゃないけど、制御も楽で燃料も必要ない。万が一の時は勝手に機能が停止するし、そもそも核爆発みたいな危険もない優れものだ。
問題があるとするなら、運用にはアード人やアードのAI、もしくは機能に精通してるリーフ人の存在が必須なことかな。だから地球人だと運用できないのが難点なんだよね。
「これ試作品なんだよね?」
「うん、取り敢えず色々盛り込んで今から実験するつもり。で、この試作機の名前なんだけど」
「名前かぁ。決まってるの?」
「地球にけーい?を示せっておねーちゃんにいわれたから、“アース”って名前にしよーかなって。良ーい?」
「アースかぁ……良いんじゃない?地球の皆さんも喜ぶと思うよ」
取り敢えずジョンさん達に伝えておかないとね。地球のアニメ作品に影響を受けたんだから、感謝も伝えないと。
「アリア、連絡をお願い。フィーレ、実験するなら映像を貰うよ。地球の皆さんに紹介しないといけないから」
「いーよー」
翌日。
『地球の皆さんおはようございます!こんにちはかな?それともこんばんは?ティナです!
今日は皆さんにお伝えしたいことがあります!地球にあるたくさんのサブカルチャー作品を参考にしたアード初の人型ロボットが完成しました!
まだ試作品なんですけど、快くアイデアを提供してくれた地球の皆さんへ感謝の気持ちとして、名前はアースに決まりました!』
ティナの動画配信にて宇宙空間を縦横無尽に飛び回るアースの映像が公開され、地球全土に激震が走った。
『うぉおおーーーっっ!?』
『ロボットキターーーっっ!!』
『マジか!?マジか!?』
『やだカッコいい!』
『遂に来たか!』
『うわっ!乗りてーーーっっ!!』
『共同開発はいつだ!?パイロットに志願するぞ!』
『まさかアニメを参考に本物を作るとはなぁ』
『またアニメそのものを再現すると思ってたけど、これオリジナルか?』
『色んな作品の面影があるよな。色々参考にして作ったんじゃないか?』
『是非とも地球で採用してほしい!』
『人型ロボットはロマンだよな』
各国主要メディアも突然の発表に特番を組み、ネット上も大騒ぎとなった。
ただし、日本の某テレビ局だけは世界の流れに抗うように世界の小さな生き物特集を組んで別の意味で世間を騒がせた。
『巨大ロボットだから小さな生き物って!www』
『こいつら本当にwww』
『今日も平和だな』
特に大きく影響を与えた日本は概ね好意的に捉えた。また、ついでとばかりに色々とフィーレに吹き込んだ地球外技術研究センターの名声も上がった。
「わぉっ!?なにこれ!?可愛い!ティナ、私にも一機ちょうだい!」
重力下での運用試験のため、ジョン達に連絡してティナ達はアースを異星人対策室本部へ持ち込んだ。試験中に帰宅したカレンがアースを一目見て惚れ込み、人型ロボット(五メートル)を軽々と抱っこするブロンド美少女JK(十八メートル)が爆誕。
その様子を取材に来ていたマスコミ関係者に目撃されてしまい、更に生放送だったので隠蔽することも出来ず全世界に別の意味で衝撃を与えた。その結果、合衆国上層部やジョン、そしてティナに特大の胃痛を及ぼすが、いつもの事なので省略する。
アースの誕生は地球全土に衝撃を与えて賑わせたが、一部ではそうならなかった。
「あのような危険物を作り出すなんて、やはりアードは危険です!しかも日本のアニメに影響を受けたとか!私たちは常々空想の存在と言えど、あのように危険なロボットが出てくるような作品は規制すべきと主張してきました!
そして今!我々の危惧は現実のものとなったのです!速やかにこれらの作品の製作および視聴を禁じて、アードに対しては直ちに危険物の廃棄と武装解除、そしてあらゆる情報の開示を求めるべきです!」
「論理の飛躍にも程がありますよ!それに、あらゆる情報の開示を要求するなんて、何を考えているのですか!?」
「私達には知る権利があるのです!にも拘らず、アードに関する情報が十分に開示されているとは到底言えません!
また、生物学的な見地から速やかにアード人のあらゆるデータを開示することを求めます!彼女達を構成する物質が有害でないという保証などありません!
総理!貴女は大使と親しい関係ですね!彼女に協力を要請して、頭の天辺から爪先まで、毛の一本に至るまで調査することを重ねて要請します!」
「貴女、気は確かですか!?ティナちゃんに、年頃の女の子相手にそんな酷い要求を出せるわけがないでしょう!」
「総理!貴女はアード人に危険はないと仰っているではありませんか!国民の皆さんを安心させるためにも、全身を隅々まで調べてそれを公表すべきです!」
「正気ですか!?議長!これ以上我が国の品位を損ね、ティナちゃんの人権を蔑ろにするような発言は許されません!質疑応答の中止を要請します!」
「待ちなさい総理!まだ話は終わっていませんよ!」
「話したくもないわ!政策論議ならば幾らでも受けますが、ティナちゃんを蔑ろにするような発言は到底看過出来ませんから!」
国会で椎崎首相と世界融和党の迫水議員の応酬があり、不穏な影を残すこととなる。