星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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アード星系へ帰還する

 クレアから話を聞いた私は、そのまま許可を貰ってばっちゃんと共有することにした。もちろんクレアも一緒だ。個人的には疲れもあるだろうから休んで欲しいけど、仕方ない。一緒に居てあげた方が良い筈だから。

 ばっちゃんがクレアの内心を想って優しくハグしたものだから、またクレアが泣いちゃうハプニングがあったけど、それは仕方ない。

 

 

 

「お話は分かったよ。皆に共有するのも賛成だ。でも、ミドリムシ達に知られないようにする必要がある。何を企むか分からないからね。

 だから、最初はパトラウス達だけに共有した方が良さそうだよ☆」

 

 

 

「分かってる。クレアを危険に晒したくはないし」

 

 

 

 フェルやフィオレ達の事もある。警戒しないって選択肢は無い。

 

 

 

「クレアちゃんも、良く教えてくれたね。私達を信用してくれてありがとう」

 

 

 

「私は謝らなきゃいけない立場なのに……皆さん本当にありがとうございます。優しすぎますっ」

 

 

 

「ありゃりゃ、泣かないでクレアちゃん~」

 

 

 

「ばっちゃんまた泣かせたな~」

 

 

 

 まあ、仕方無いけどね。涙を流すクレアを宥めてお部屋へ戻して、ばっちゃんと二人きりになる。

 

 

 

「私達が戻った日は朝ギリーの謁見があるからそれは変更できないけど、後の予定は全部キャンセルした方が良いね☆」

 

 

 

「うん、あんまり長居は出来ない。到着するのが明日のお昼だから、明後日には地球へ向けて出発したい」

 

 

 

 妊婦さん達が居るから、出来るだけ早く安心できる環境を整えてあげたい。

 本当は朝霧さん達も一週間くらいゆっくりアードで過ごして貰いたかったけど、仕方無い。事情を説明したら納得してくれる筈だ。

 ……ティルの説得は大変だろうけど、頑張らないと。

 

 

 

 翌日、私達は無事に惑星アードへ戻ることが出来た。ゼバ星系の皆さんは艦内に残って貰う。詳しい事情の説明については、長のフレストさんが請け負ってくれた。心強い。

 

 

 

「私は一緒に行くぞ、ティナ。貴女達の手伝いをすると誓ったのだから」

 

 

 

「もちろんいいよ、セシリア。でも、誓いなんて堅苦しいのは苦手かな。友達で良いじゃん」

 

 

 

「友か……ふふっ、そうだな。誓いなど不要だな」

 

 

 

 よし、笑ってくれた。

 

 

 

「私はばっちゃん、アリアと一緒に地上まで降りる。フェル達は出発の準備をお願い。明日には出発したいからさ」

 

 

 

「分かりました」

 

 

 

「明日なんてまた無茶な……交易品は用意してあるんでしょうね?」

 

 

 

「その辺りは心配要らないよ」

 

 

 

 局長達が頑張ってくれて交易品のトランク五百個、医療シート二万枚は宇宙ステーションに用意してある。それと、セシルさん達から要望が出された物資もね。

 

 

 

「セシリアも出来れば連れていきたいけど、それはまた次の機会で良いかな?今回は宇宙ステーションでフェル達を手伝って欲しい」

 

 

 

「心得た。無知ではあるが、力仕事くらいは出来るさ。フェル、宜しく頼む」

 

 

 

「ふふっ、任されました」

 

 

 

 原始的な生活を送っていたゼバ星系の皆さんだけど、全員分のブレスレット型デバイスを支給した。中身は一般的なAIだけど、生活全般のサポートをしてくれるからすぐに適応できる筈。

 一日艦内で一緒に過ごしたけど、AIのサポートで問題なく生活できていたしね。

 

 

 

「じゃあ、行ってきます。出来るだけ早く戻れるように頑張るよ」

 

 

 

「気を付けて下さいね、ティナ」

 

 

 

「うん、分かってる」

 

 

 

「ご安心を、マスターフェル。ティナの傍を離れるつもりはありませんから」

 

 

 

「心強いです。ティナは無茶ばかりしますから」

 

 

 

「何も言い返せない」

 

 

 

 まあ、仕方無いけどさ。

 そのまま私はばっちゃん、アリアと一緒に軌道エレベーターで地上へ降りてドルワの里へ戻らずにケレステス島へ向かった。

 前もってばっちゃんが連絡してくれていたみたいで、ハロン神殿でパトラウス政務局長が待っていてくれた。

 そこでアリアがレポートを送信して、ゼバ星系での出来事を共有することにした。

 

 

 

「やはり奴等は進化している……原生生物に擬態するとは小賢しい真似をしてくれる」

 

 

 

 私の話を聞いて、レポートにも目を通したパトラウス政務局長はとても険しい顔をした。気持ちは分かるよ。センチネルはアードが身を隠している間にも着実に進化している。このままじゃアード星系が発見されるのも時間の問題だ。でも、解決策も一緒に見付けることが出来た。

 クレアから了承を貰ってるから、彼女から伝えられた件も共有した。

 

 

 

「なんと、まさかセンチネルはノームが生み出したのか……」

 

 

 

「あのっ!クレアを責めないであげてください!彼女は!」

 

 

 

「ああ、分かっているとも。心配は無用だ、大使殿。生み出した元凶と彼女は別の存在であり、むしろ彼女はその件に関して苦悩していた。

 怖かっただろうに、それでも打ち明けてくれた勇気は称賛に値する。彼女が望むならば、引き続き良き隣人として……いや、友として我々はノーム人を迎え入れる用意がある」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

 良かった、クレアが糾弾されるようなことになったらどうしようかと心配していたんだよね。胸がドキドキしたよ。ばっちゃんからは大丈夫だって言われていたけどさ。

 

 

 

 尚、ティナに頭を下げられたパトラウスの胃は雑巾絞りのように締め上げられて悲鳴を上げたが、彼は鋼の精神力で穏やかな表情を崩さなかった。閑話休題。

 

 

 

「パトラウス~、妊婦さんばっかりだから万が一を考えてゼバ星系の生き残り達はこのまま太陽系の居留地へ連れていくからね☆」

 

 

 

「異論はありませぬ。ラーナ星系の生存者を受け入れた際の諸問題を想えば、アードは安心して子育てが出来るような環境ではありませんからな。

 恥ずかしい限りではありますが、情勢が落ち着くまでは銀河の反対側で過ごしていただきましょう」

 

 

 

「ご理解に感謝します、パトラウス政務局長」

 

 

 

「うむ。とは言え、同胞に何の挨拶もしないわけにはいかぬ。明日出発する際に、生存者達のまとめ役と面識を持ちたい。構わないかな?大使殿」

 

 

 

「もちろんです!アリア、連絡しておいて」

 

 

 

「畏まりました」

 

 

 

 フレストさんにお願いすれば良いかな。

 

 

 

「急なことであるが、仕方がない。センチネル対策については軍部と検討するとして、夕暮れ時に式典があるので参加して欲しい。ザッカル卿を特使に任命し、朝霧卿を地球の外交官として女王陛下が認可なさる大事な式典だ」

 

 

 

「はい!……はい?」

 

 

 

 朝霧さんが、女王陛下の認めた外交官になっちゃうの!?

 

 

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