星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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探せ!パイオニア10号と11号!

 ジョンさんからの依頼を聞いた私は、引き受けることを即答してしまった。ちょうど時間もあるし、地球を護るためには必要なことだから皆も納得してくれたよ。

 もちろん、個人的にも前世で聞いていた宇宙探査機を回収するなんてロマン溢れる依頼に興奮したのは内緒だ。ボイジャーに引き続き二回目だね。

 

 

 

「これは現在のパイオニア10号と11号の予測地点だよ」

 

 

 

「予測地点、ですか?」

 

 

 

 異星人対策室へやって来た私達に、ジョンさんがデータチップを手渡してくれたんだけど、早速一緒に来たフェルが首を傾げた。

 

 

 

「ああ、そうなんだ。この二機は数十年前に交信が途絶えているからね。

 おそらく今は海王星より外側を移動していると思うが、宇宙では何が起きるか分からない。

 この二機が無事である保証もないのが実情なんだ」

 

 

 

 パイオニア10号と11号は、外惑星探査のために1972年と1973年に打ち上げられたんだ。

 10号は初めて木星に、1973年の11号は木星と土星に初めて接近して観測に成功した、歴史的な偉業を成し遂げた探査機なんだ。

 その任務が終わった後は、引き続き外宇宙へ向かって飛行中だったはず。

 そして大事なのは、この機体には地球外の知的生命体に遭遇することを考えて、地球や人類の簡単な図解が描かれた金属板が搭載されているんだ。

 これを知的生命体が見つけたら、地球人のことを知ることが出来る。

 ロマン溢れる品物だけど、こんなものがセンチネルに見付かったら地球はお仕舞いだ。

 

 

 

 ……永年謎だったセンチネルドローンが人工物を理解できるのかって疑問は、クレアが晴らしてくれたし。

 

 

 

「センチネルは艦艇に至るまで端末に過ぎませんから、知性はありません。

 ただ、その中枢であるマザーが頭脳の役割を果たしています。あらゆるデータはドローンを通じてマザーの下へ集約され、そして解析されて判断されます」

 

 

 

「つまり?」

 

 

 

「タイムラグはありますが、見付かったら最期です。マザーはこれを人工物と判断して、大規模な艦隊を送り込むでしょう。

 そうなっては、太陽系が見付かるのも時間の問題です」

 

 

 

 これが昨日のお話。絶望しかないから、絶対に回収しないといけない。

 

 

 

「万が一失われていた場合は、気にしないでくれ。

 ただ、何等かの残骸を見付けてくれたら嬉しい」

 

 

 

「探すのはそう難しくないから、直ぐに探しに行きますよ。良い知らせを待っていてくださいね!」

 

 

 

 私達は直ぐに軌道上の母艦へ移動して、パイオニア10号と11号の捜索に取り掛かる。データを見る限り、ちょっと違う方向へ向かっていると予想されてる。

 海王星より外なんだから、正確な位置は分からないし今どうなっているかも分からない。

 まあ、私達にとってはそこまで難しい話じゃない。

 

 

 

「前々から思っていたけど、地球人には壮大な破滅願望でもあるのかな?☆

 センチネル以外にも、私達でさえ知らない文明があるかもしれない。

 そしてそれが友好的とは限らないんだよ?☆」

 

 

 

「純粋なんだよ、きっと」

 

 

 

 少なくとも、これを作った人達の純粋さは否定したくない。それがどんなに危険なことでもね。

 それに、宇宙へ向けた純粋な想いは決して間違いじゃない。それがあったから、アード人は隣人となったリーフ人に出会えたんだから。

 

 

 

「技術発展にロマンは必要。地球の探査機にも興味がある」

 

 

 

 端末を弄りながらふよふよと浮いてるフィーレは好意的みたいだ。

 まあ、地球の宇宙開発技術に興味があるんだろうけど。

 

 

 

「これより地球軌道を離れ、海王星軌道へ向かいます。それより先はスキャンを用いながら探索する予定です」

 

 

 

「広域スキャンを使えば良いじゃない」

 

 

 

「まあ確かにそうなんだけどさ」

 

 

 

 ボイジャーの時はそうしたけど、今回はばっちゃんの要請で敢えて時間の掛かるやり方を採用してる。

 

 

 

「政治だよ、フィオレちゃん☆」

 

 

 

「ティリス様がそう言うなら仕方無いわね」

 

 

 

 チラリと外を見ると、地球が離れていくのを感じた。それから一時間。最初に月面の居留地に寄ってセシリアと合流し、ゆっくりと他の惑星を堪能しながら向かった私達は、無事に海王星近海まで到着できた。

 いつ見ても大きな星だよねぇ。それだけでロマンがあるし、テンション上がるよ。

 

 

 

 

「この先はどうしますか?」

 

 

 

「スターファイターを使った広域探索を提案します。母艦からの広域スキャンを行わない以上、そちらの方が効率的ですから」

 

 

 

「よし、私とフィオレで探すよ。残りは万が一に備えて母艦の護衛をさせる」

 

 

 

 銀河一美少女ティリスちゃん号には、私のギャラクシー号を含めて十機のスターファイターが搭載されている。

 青色が基本のスターファイターだけど、私のギャラクシー号は赤色だ。通常の三倍の速度が出せる訳じゃないけど。

 

 

 

「仲間外れとは水臭いじゃないか、ティナ。私だって充分な知識をつけている。そろそろ実地試験をさせてくれないか?」

 

 

 

「わっ、私もお願いします!」

 

 

 

 志願してくれたのは、セシリアとクレアだ。二人は個人的にスターファイターの履修プログラムを受けていて、必要な教育は終わってる。

 地球人は年単位が必要みたいだけど、アードの履修プログラムは直接知識を頭に叩き込むちょっとハードなものだ。だから数日で終わっちゃうんだよね。

 後は実地試験……まあ、実際に乗って飛ぶだけだ。今回はセンチネルとドンパチする訳じゃないし、実地試験にはちょうど良いか。

 

 

 

「分かった。じゃあクレアは私と一緒に行こう。フィオレ、セシリアをお願い」

 

 

 

「任されたわ。ちゃんとついてきなさいよ、セシリア」

 

 

 

「厳しく頼むよ。戦士として早く一人前になりたいからな」

 

 

 

「言ったわね?容赦しないわよ」

 

 

 

「望むところだ」

 

 

 

 勝ち気なフィオレと戦士気質なセシリアは馬が合うんだよね。よく一緒に訓練していたし。

 

 

 

「クレア、慌てなくて良いからね」

 

 

 

「はいっ!」

 

 

 

 ちょっと緊張してるけど……飛べば直るか。よし!出発!

 

 

 

 ティナ達がパイオニア探索に取り掛かった頃。

 

 

 

「これ、いつまでついてくるのかしら?」

 

 

 

「ティナ嬢の事ですから、椎崎首相を守る任務を完遂するまでではありませんかな?」

 

 

 

「それは有り難いんだけど、とっても目立ってしまうからちょっと勘弁して欲しいわね」

 

 

 

 ジャッキー=ニシムラ(お揃いのセーラー服)の言葉を聞いて疲れたような苦笑いを浮かべる椎崎首相の視線の先には、常に彼女の傍を離れないアース十機が周辺を警護していた。

 ティナは地球を去る前に派遣されていたアースの護衛対象を椎崎首相に切り替えていたが、当たり前のように説明を忘れていた。

 結果、五メートルの人型ロボットに警護されるJK総理が爆誕したのである。

 事情を知らない日本政府関係者一同を無駄に目立たせて凄まじい頭痛を招いたが、いつものことである。

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