星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~ 作:イワシロ&マリモ
「うーん、私が知らないところで色んな事が起きてるような気がする」
「世の中には知らない方が幸せなこともあるみたいよ?里長様達が上手くやってくれるだろうし、政治とかは専門家に任せるのが一番よ。
アンタだって苦手でしょ?」
「まあ、苦手だけどさ」
外交団来訪二日目、相変わらずドルワの里は歓迎一色だけど私の周りでは少しずつ何かが変化していった。
お父さんは里に残ってるけど、お母さんはティルとマコくんを連れてお母様のところへ行ってる。安全な場所へ避難するみたいに。
そして昨日起きたフィオレ、フィーレの襲撃事件。
私も関わったんだけど、詳しい後始末とかはばっちゃんが引き受けてくれた。
私は大使として皆さんとアードの皆の橋渡しをしていたんだけど、いつの間にかジョンさんが代わりにやってくれるようになったから手持ち無沙汰になったんだよね。
セシリアは実咲ちゃんの付き添いで居ないし、クレアもパトラウス政務局長に呼ばれてケレステス島へ行ってる。フェルが付き添いを買って出てくれた。多分センチネル関係のお話みたいだ。
いよいよ暇になっていた私は、手当てが終わったフィオレに誘われてドルワの里にある空き家へやって来た。昨日二人を襲ったリーフの女の子達を監禁してる場所だ。
アードに刑務所みたいな場所は無いからなぁ。
「それで、彼女達は?」
「里長様は厳罰にするつもりは無いみたいよ。
暫くここで謹慎させるんじゃない?」
「フィオレはそれで良いの?」
「思うところは当然あるわよ。でも、面倒事を増やしてアンタの負担を増やすわけにはいかないわ。
里長様が上手くやってくれるなら文句もないし」
まあフィオレが納得してるなら私が口を挟む問題じゃない。友達を攻撃された怒りはあるけど、当事者が納得してるのに私が怒るのはお門違いだ。
ばっちゃんの配慮にも影響を与えちゃうだろうし、我慢しよう。
「ちょっと!無視しないでよ!」
のんびりフィオレとお喋りしていたら、拘束されてる女の子が叫んできた。
彼女は宙に浮いて、特殊な半透明のフィールドに包まれている。拘束器具の一つだ。本人の身体を傷つけることなく無力化できる。
身体は動くけど、フィールドから出ることは出来ない。まさにSFだ。
「うるさいわね、フローラ。情けないから喚くのは止めなさいよ」
そう、彼女の名前はフローラ。歳は私達と同じくらいかな?
「フィオレ!こんなことをして、タダで済むと思ってるの!?
お祖父様に言い付けてやる!貴女は終わりよ!」
「そこで族長の名前を出さない辺り、筋金入りね。
何だか族長が不憫に思えてきたわ」
「うるさい!さっさと解放しなさいよ!今ならまだ許してあげても良いのよ!?」
「本当にアンタは昔っからおめでたい奴ね。
私も政治は苦手だけど、
「何の話よ!?」
フィオレの言うことは何となく分かる。私も政治的なアレは苦手だけど、フィオレとフィーレ姉妹はリーフの里を出てドルワの里に属してる。
つまりばっちゃん、もっと言えばアード側の身内なんだ。彼女はリーフを率いるフリースト族長の娘さんだし、これだけでも政治的な問題になることは私にだって分かる。
「それにフローラ、アンタいつもの猫被りはどうしたのよ?
ここには私だけじゃなくて、ティナも居るのよ?」
厳密にはアリアも居る。アンドロイドボディはオーバーホールの真っ最中だから物理的には居ないけど、端末には居る。
ちょっとややこしいな。
「ふんっ!何を言うかと思えば。そのアード人は銀髪の異端じゃない!気を遣う必要なんて無いわよ!」
おおっと、久しぶりに髪の色について言われたぞ。
実際のところ、アード社会で差別された経験は全く無い。
『ティナへの侮辱を確認しました。処しますか?』
「処さなくていいからね?アリア」
ほら、アリアが反応した!
「何だか色々と知ってる身としては、アンタが道化みたいで哀れに思えてきたわ。怒りも吹っ飛んだわよ」
フィオレが肩を竦めてる。私の出生の秘密は、仲間達と共有してる。もちろんばっちゃんに相談した上でだ。
フィオレの口の固さはよく知ってるし、フィーレは案の定「ふーん」で終わった。あの娘は機械以外に興味はないからなぁ。
セシリアはちょっとビックリしていたけど、秘密を守ると約束してくれた。
「誰が道化よ!」
「ちょっとは黙りなさいよ、うるさいわね。
ティナ、コイツをどうする?アンタが決めても良いって言われてるんでしょ?」
「酷いことはしたくないな」
ばっちゃんから、彼女達の処遇について私が決めても良いって言われたんだよなぁ。
ばっちゃんとしてはこのまま謹慎処分にするつもりみたいだけど、まあ要はお姫様である私の友達に手を出した事になるわけで、何故か最終的な決定権を渡されちゃったんだよなぁ。
『ティナ、先ずは会話を円滑に進めるため、うるさい羽音を黙らせる事を推奨します』
「羽音ですってぇ!?AI風情が!」
「だから黙りなさいって!アンタ達の処遇を決めるのはティナよ!大人しく命乞いでもする方が建設的じゃない?」
「そんなことはしなくて良いからね」
もちろん怒りはある。でも同時にかなり薄れてきたけど前世の、日本人としての道徳観とかアード人の善性がミックスした私の価値観は、彼女達を許すべきだって訴えてくる。
彼女達は子供だ。周りの大人達、つまりミドリムシに妙なことを吹き込まれただけなんだ。
甘いと言われる自覚はあるけど、それだけは変えるつもりはない。
それに、隣の部屋で謝罪するために自分で自分を縛り上げて謹慎してる彼女のお母さんを見たら、罰を与える気も失せちゃう。
もちろん打算もある。将来彼女達はリーフの重要な立場になるはず。
今から改心させて仲良くなれば、アードとリーフの関係は円滑になる……様な気がする。
政治や外交はそんなに単純な話じゃないと思う。
「ねぇ、フローラさん」
「なによ、異端……………は……?」
名前を呼んで一気にマナを解放し、二対の翼を大きく広げたティナを見て、フローラは言葉を失った。
基本的に父の言葉を聞き流している彼女だが、珍しく父が話していたセレスティナ女王の容姿については覚えていたのだ。閑話休題。
「ぁ……あぁ……まっ、まさか……そんな……!」
真実味を出すため、フィオレも敢えてティナに対して最敬礼を行い、それを見て青ざめて言葉を震わせるフローラへティナは笑みを浮かべた。
「ちょっとお話ししよっか?フローラさん」
将を射んと欲すれば先ず馬を射よって言うからね。先ずは彼女の心を折っちゃおう(無自覚覇権国家仕様)。
ちょっとシリアスが続いています。故に皆様へ今後についてご質問です
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このままミドリムシを滅ぼすまで駆けよ!
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たまには癒しがほしい
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出でよ!!!ジャッキー!!!