星渡りの少女~TS転生したポンコツ美少女天使は故郷と地球の架け橋となる~   作:イワシロ&マリモ

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夜勤明けで書き上げましたぁあっ!
……今から寝ます!お休みなさい!


センチネルについて

気が付けばとんでもないことになっちゃったよ。地球側の都合もあって全ての国が参加している訳じゃないけど、それでも100ヶ国以上は参加してる。どれも前世で馴染みなある国名ばっかりで、懐かしさで泣きそうになったのは秘密だよ。

前世から30年くらい経ってるけど、地球全体ではそこまで大きな違いは無い。南極と北極の面積が前世より小さくなったような気がするけどね。温暖化が続いていればそうなるか。

 

 

 

で、この場に集まっている人たちはそれぞれの国を背負うリーダー達。前世じゃテレビの向こう側の存在だったけど、何と言えば良いのかな。気迫が違う。ハリソンさんもそうだけど、存在感に重みがある。ハッキリ言って物凄く胃が痛い。緊張してる。

でも、怯んではいられない。この地球を守るためにも、頑張らないと!

 

 

 

「センチネル、聞きなれない言葉だ」

 

 

 

先ず発言したのは、ロシアの首相さん。大国のリーダーらしく存在感が桁違いだ。

 

 

 

「簡単に言えば、脅威そのものです。アードの宇宙開発最盛期に遭遇して、宇宙開発を断念して惑星に閉じ籠る原因となった存在です。アリア」

 

 

 

腕輪から映像が空中に投影されて、そこにはさまざま種類のセンチネルドローンが映し出された。

 

 

 

「センチネルは多種多様です。偵察用の小さなドローンタイプから戦うためのバトルドロイドタイプからスターファイター、スターシップまで存在します。共通点は完全に無人であることです」

 

 

 

「これが……」

「まるでSFのようだ」

「全て無人とは」

 

 

 

ざわめきが起きて、ハリソンさんが口を開く。

 

 

 

「ティナ嬢、そのセンチネルは所謂機械生命体かな?」

 

 

 

「分かりません。私達アードも凡そ100年間交戦しましたが、謎が多い存在なのです。分かっているのは、発見されたら問答無用で攻撃してくることくらいでしょうか」

 

 

 

「ミス・ティナ、アードは彼らとの対話を試みなかったのかい?」

 

 

 

フランスのイケメンさんが聞いてきた。うん、ここが重要だ。

 

 

 

「はい、私達も対話を試みたみたいです。ただ、彼等の本星の所在が分からず、最後は使節団が一方的に虐殺されて終わりました」

 

 

 

「なんと!」

「対話は困難だと言うのか?」

 

 

 

「結論から言えば、現状では不可能です。これらセンチネルの機械兵器を私達はセンチネルドローンと呼んでいますが、これらのドローンにはひとつだけ命令がプログラミングされています」

 

 

 

「それは?」

 

 

 

今度は日本の首相さんだ。確か、椎崎さんだっけ?

 

 

 

「“知的生命体を捜索し、殲滅せよ”。ただこの一文だけです」

 

 

 

ざわめきが強くなった。それはそうだ。センチネルはハッキリ言って理不尽が形になったような存在なのだから。

 

 

 

「知的生命体を捜索し、殲滅せよ……か。当然我々も攻撃目標に含まれているのだろうな」

 

 

 

ここで口を開いたのは、中華のリーダーさんだ。私を値踏みするようにじっと見てくる。いや、彼だけじゃない。皆がだ。センチネルはもちろん、私だって未知の存在なのだから。

 

 

 

「はい、見つかれば大変なことになります」

 

 

 

「ティナ嬢、我々でも対抗できるのかな?君が滞在しているアメリカだけではなく、我々も優れた軍事力を有しているのだが」

 

 

 

「対抗そのものは可能ですよ。センチネルドローンは共通して、生産性を優先しているのか装甲がほとんど存在しません。シールドもありませんね」

 

 

 

スペースデブリにぶつかれば無事では済まない程度の耐久性しかないね。アリアの計算だと、地球で一般的なミサイルでもセンチネルスターファイターを撃墜できる威力はあるらしい。

私の答えに安堵を浮かべる人はたくさんいたけど、中華のリーダーさんは視線を鋭くした。

 

 

 

「対抗そのものは可能か。では聞き方を変えよう。仮に我々がセンチネルとの戦いに呑まれたとして、勝算はあるのだろうか?」

 

 

 

この人は真実を知りたがってる。

……遠慮無く伝えよう。誤解が破滅を招いたなんて最悪の結末だし。

 

 

 

「勝ち目はありません。こちらは先日ラーナ星系で発生した海戦の様子です。私もパイロットとして参加したので、ちょっと恥ずかしいですけど」

 

 

 

映像が切り替わり、ギャラクシー号の視点でラーナ海戦の様子が映し出された。高速で飛び交うスターファイター、双方から放たれるビーム。まるでSF映画だよ。

皆さん食い入るように見てる。そして宇宙に無数の閃光が走り……現れたセンチネルスターシップの大艦隊を見て息を飲む。プラネット号と同じようなサイズから全長数キロの巨大戦艦まで合わせて一万隻を超えた。

 

 

 

「センチネル最大の武器は、無尽蔵と言える物量にあります。ただ、知恵もありますので厄介です。私達アードと友好的だった惑星は頑強に抵抗したので」

 

 

 

映像が切り替わる。そこには巨大な小惑星とそれを取り囲むセンチネルスターシップの大艦隊が映し出された。資料映像だけど、当時の人たちの絶望が伝わるよ。皆さん絶句してるし。

 

 

 

「アードの支援もあり頑強に抵抗した彼等に対して、センチネルは直径100キロの小惑星をどこからか牽引してきて、惑星に落下させました。アードに出来たのは、落下までの僅かな時間で出来る限り多くの現地人を脱出させることだけでした。緑の豊かな惑星は、今となっては草木も残らない死の惑星になっています」

 

 

 

ちなみにリーフ星だよ。リーフ人は文字通り故郷を失った。二度と取り戻せない。まあ、フェルへの扱いであんまり良い感情は持ってないけど、同情はする。

 

 

 

「我々に出来ることは?」

 

 

 

重々しく口を開いたのはハリソンさんだ。

 

 

 

「宇宙へ向けた電波の発信を今すぐやめてください。センチネルに感知されます。センチネルの活動範囲は分かりませんが、彼らが拠点を作りながら活動範囲を拡大しているのは確かですから。それと探査機の類いも極力控えてほしいんです」

 

 

 

会場を見渡すと、誰もが深刻な表情を浮かべていた。明確な地球滅亡の機だと正しく理解してくれたのかな。だとしたら嬉しいな。

 

 

 

「大切な話をありがとう、ティナ嬢。君が提供してくれた情報を重く受け止め、協議していくことを約束しよう」

 

 

 

「お願いします。私は故郷はもちろん、地球にも滅びてほしくありませんから」

 

 

 

皆さんが協議するのために、私は一人会場を後にした。議場の外ではジョンさんが待っていてくれた。

 

 

 

「ティナ、お疲れのようだね。地球のためとは言え、慣れないことをさせてしまった」

 

 

 

「いいえ、こんな機会を用意してくれてありがとうございます。ただ、ちょっと疲れたので今日はもう帰ります。明日の正午にまた異星人対策室のビルに行きますね。友達も連れてきますから」

 

 

 

「ほう、それは楽しみだね。ティナ、今日はゆっくり休んでくれ。本当にありがとう」

 

 

 

「はい、また明日お会いしましょう」

 

 

 

本部ビル近くまで呼び寄せたギャラクシー号に転移してそのまま軌道上のプラネット号へ戻る。そして。

 

 

 

「フェル~! 疲れたよ~!」

 

 

 

出迎えてくれたフェルに飛び付いた。あー、2日ぶりのフェルだぁ……。

 

 

 

「はい、お帰りなさい。お疲れさまでした、ティナ」

 

 

 

フェルは笑顔で私を抱き留めてくれて、頭を撫でた。あー……もう良いや、おやすみなさーい……。

 

 

 

「ふふっ、お休みなさい……ティナ」

 

 

 

フェルの安心感に包まれながら私は意識を手放した。




次回は来週……かなぁ。頑張りますが!
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