発作的に書き始めたので、あまり考えてません。
01 〈始まりの少年〉
「現在、都内全域に発令されている緊急非常事態宣言に基づき、都内の全回線を停止しています。恐れ入りますが、宣言解除までお待ち下さい。ーーーー繰り返します。現在………」
「……だめだ。使えないや。」
…ガチャン。
軽い音と共に、緑色の受話器が置かれた。
受話器が置かれると同時に、結局使われなかったテレホンカードが返却口から飛び出してくる。
「………。」
『少年』は無言でソレを受け取ると、右手に付けている腕時計をチラリと見た。
何の装飾も無いシンプルな時計の盤面は、短針が12、長針が3を指している。
……つまり、12時15分と言う事だ。
「15分過ぎ……いくらなんでも遅すぎるよ………。」
眉を微かに潜めて呟く少年。ーーーー彼は、ココで『ある人物』と待ち合わせをして居たのだ。
しかし、12時に来るはずだった待ち人はいくら待っても現れず、仕方なくこちらからコンタクトを取ろうと試みたが、都内に発令された非常事態宣言によって、それも出来なくなった。
スマホがあれば話は別だが、生憎少年はスマホを持っていない。…と言うか、携帯などの通信機器を一切所有していなかった。
「仕方ない。………近くのシェルターまで行こう。」
少年はため息をついて、歩き出す。
……そんな彼が、一歩アスファルトの地面を踏み締めた時だった。
バサバサバサッッッ!!!!
「ーーーー!?」
少年の頭上を、不意に無数の鳥が飛んでいった。
真夏の日差しが鳥の大群に遮られ、人の気配のない住宅地に一瞬の暗がりが訪れる。
そして、鳥が飛んでいった方向を何気なく少年が見た時、彼の瞳は『誰か』を見た。
「ーーーーーーーーーーー。」
逃げ水の向こうに佇む、
1人は白い髪の毛の男性。
もう1人は、色の抜けた様な空色の髪の女性。
まるで幻の様な……揺らめく陽炎の様な2人の姿。
ソレが此方を向いてーーーーその目がーーーー
「……あれ?」
少年が瞬きした瞬間、2人は消え失せた。
最初から誰も居なかったかの様に、完膚なきまでに。
「…………??」
首を捻る少年。
……ま、きっと気のせいだろう。夏のくたばる様な暑さが、ありもしない幻覚を見せたのだ。ーーーそう考えて、少年は歩き出し………
また少年の足は止まった。
…今度は何だ??と音が聞こえた方向を見ると、視界の先にあるこんもりとした山の合間から、複数の戦闘機群が飛び出して来ていた。
「あ…!」
ーーーーパシュン…!と何か音がして、戦闘機が紫色に光るナニかに貫かれる。
少年の見る先で、貫かれた戦闘機は地に落ちて爆ぜた。
そして、山の合間から戦闘機を堕とした者がヌッと姿を現す。
……
◇◆◇
………爆発が連鎖する。
静かだった住宅地は一変、非日常的戦場へと変貌を遂げた。
尾を引くミサイル弾が、使徒と少年が呼んだ《異形》へ降り注ぐ。
ビルが跡形もなくなるかの様な爆発。
……しかし、使徒の身体には傷一つ入っていない。効く効かないとか言う次元では無い。まるで、当たっていないかの様だ。
『………。』
使徒は白い仮面の様な顔をゆっくりと動かし、戦闘機を巨大な手で叩き落とす。
ーーーーはたき落とされた機体は横に回転しながら、少年の方に落ちてきた。
「う、うわっ?!」
ガッシャーーーーンと激しい破砕音が鳴り響き、少年の近くまで破片が飛んでくる。
煙の濃い臭いを嗅ぎながら、此処にいてはマズい!と少年は思った。
もうもうと煙を上げて炎上する機体に背を向け、脱兎の如く駆け出す。
背中越しに爆発と熱風を感じながら、大変な事になってしまった…と少年が思っていた時ーーーーーーーー
ブゥゥウンッ!!
「うわぁあ?!?!」
…不意に、住宅街の横道から青色のスポーツカーが飛び出して来た。
あわや轢き殺されそうになった少年は、盛大に尻餅をつく。
……唖然とする少年の前で車の助手席側が開き、中から1人の女性が勢い良く顔を突き出した。
「お待たせ
急かす様な口調の女性に対して、少年…『碇シンジ』は少し顔を顰めながら口を開いた。
「………遅いですよ…
1話目は短くなりがち。
少しずつ、原典との差異は明らかになっていきます。