なんだかやべぇ事になりもうして。   作:灯火011

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フラグが立った?

 私がどうやらアスカっぽいクローンみたいなものになってから暫く。まだまだ私は生きています。

 

 そして、今確実なことは、飯は旨い。これだけが今のところの真実だ。やはり、金回りは良い組織なのだろう。本当、味は一流である。衣服も肌触り抜群。ベッドも非常に良い感触で寝不足知らずだ。すっきりした身体と頭で、白衣の男の横を歩いていたわけなんだけれど。

 

「さて、今日はこれに乗ってもらう」

「なにこれ」

 

 眼の前に現れたのは、巨大な人形の何か。いやぁに瑞々しいそれは、機械的な感じもするし、生物的な感じもする。

 

「エヴァンゲリオン。そのユーロ支部のテストベッドだ」

「テストベッド」

 

 テンションが少し上がる。ほほう。これエヴァンゲリオンなのか!確かに言われて見れば、初号機の装甲が剥がれたアレによく似ている。ただ。

 

「…目が1つ?」

 

 弐号機は確か4つ目じゃないの?と思って、男に聞いてみると。

 

「気になるか?」

「うん」

「人の形をしたもので目が1つ、というのは確かに受け付けないのかもしれんな。これは本部と形を合わせただけだ。今後作られる正式採用型は形が変わる」

 

 ほー。そうなのか。なるほどなるほど。というか、そんな極秘事項を私に話していていいのだろうかね?

 

「じゃあ、それは目が2つ?」

「…いや、コストの面やセンサーの強度を考えるに、4つ目になる予定だ」

「4つ目」

 

 つまり、私が知る弐号機のデザインということだろう。なるほどねぇ。今この時点から使徒が来るまで、どのぐらいの時間があるかは判らないけれどさ。結構前からデザインとかは検討されて、原案なんかもあったんだろうなぁ。と、関心していると、男の雰囲気が変わった。

 

「さて、余計な話はここまでだ。早速、操縦席に乗り込め。控室での着替えは一人で出来るな?」

「はい」

 

 促されるままに、一人で控室に入って、例のプラグスーツの原型みたいなやつに袖を通す。手首のボタンを押すと、ぐっと身体に張り付いた。

 

「うん。やっぱり」

 

 エヴァだよねぇ、エヴァ。まだどこか夢見心地なんだけど、しかしながら、肌に纏わりつくスーツの触感が現実だよと告げてくる。

 

「…あれ?」

 

 ヘルメットを被りながら、冷や汗が垂れた。

 

 というのも、今まではどっかの部屋に入って、その上でプラグっぽい操縦席に座って、試験を行っていた。だがしかし、今日は。

 

「…眼の前にエヴァがある」

 

 つまりは、今までと違う。ええと…。男の言葉を思い出せ。

 

「テストベッドに、乗る」

 

 これ、フラグじゃない?フラグ立ってない?

 

 エヴァ初乗り。

 

 テストベッド。

 

 私はクローン。

 

 ビンビンにフラグを感じるよ。

 

「…碇ユイ的な?」

 

 コアに取り込まれるパターンじゃない?それか、暴走してとんでもねぇ事になるような。そんな気がするんだよね。

 

『どうした、A1』

 

 スピーカーから声がした。どうやらあの男の声だ。

 

「大丈夫、です。少し、怖い」

『そうか。問題はないようだな。さっさと部屋を出て指示に従え』

「…はい」

 

 にべもありませんね。まぁ、私はそういうもんだし。いや、しかし、改めてとんでもない所で目が覚めちまったもんだ。うーん、早く、目が覚めないかなぁ。

 

 

「A1はプラグに収まったか」

「ええ。どこか、恐る恐るといった具合でしたが」

「そうか。やはり、何か感じるものがある、と言ったところか」

 

『エントリープラグのロック完了。挿入準備』

 

「碇ユイ史女。彼女が消えた実験とは程遠いですが…。我がユーロネルフ、初の人体実験ですからね。我々の雰囲気が伝わったのでは?」

「ああ。とはいえ、ここでA1が消えることは大きな損失だ。各種安全装置は?」

「…正常に作動しています。とはいえ、シンクロが始まるとどうなることやら」

 

『エヴァンゲリオン試作弐号機、エントリープラグ挿入完了。固定…完了しました。インテリア、所定の位置に移動します』

 

「最善を尽くすのみだ。ああ、それと」

 

『主電源投入開始。実機シンクロ実験、第一フェーズ、開始します』

 

「承知しています。実験後は、彼女の好きなパスタを用意させるよう、段取りしています」

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