インフィニット・ストラトス RE:PONKOTSU   作:チャイナドレス先輩

1 / 14
オールマインドちゃんはポンコツ可愛い!!


転生した少女の日常と変化

2020年6月 日本

 

ISというパワードスーツが発表されてから約10年。

女性にしか操れない最強の兵器の登場で女尊男卑という思想に強く染まり、そして歪んでしまった世界。

 

しかし、そんな世界にいても、そんな思想関係ないと主張をするかの様な馬鹿どもが日本にはいた。

 

高校生ぐらいの年齢だと思われる男子が複数と、小柄な女子が殴り合いの喧嘩をしていた。

 

女を取り合う喧嘩でも、女が複数の男に嬲られるという様子ではない。

複数の男子に対して、一人の女子が拳を固く握りしめて喧嘩をしているのである。

 

胸倉を掴まれて顔を強く殴られた男子が倒れる。

一人の男子が倒れた姿を見た他の周りの男子達は無意識の内に後ずさりをしてしまった。

というのも、その倒れた男子が今いる男子達の中で一番体が大きくて筋肉もあり、強かったからだ。

 

「ハハッ、どうした?こないのか?」

 

一番強い男子を倒した女子が周りの男子達に言う。

その少女の顔には獰猛な笑顔を浮かべていた。

 

「俺のことをてめぇらのおもちゃにしてやるとか言ってなかったか?」

 

濃い赤い髪色の少女。意思の強さを感じるような瞳。

綺麗な顔立ちをしているが、頬は痛々しく腫れている。

 

「それでも、てめぇら(ピー)玉ついてんのか?」

 

しかし、少女は痛みなどを気にせずに右手の中指を立てながら挑発をしてきた。

 

「う、うわぁああ!!」

 

一人、また一人と少女に挑みかかる。

顔を、腹を殴られて、一人また一人と倒れる。

 

「つ、強すぎる……」

 

最後の男子はそう言い終わるのと同時に倒れた。

 

「ハッ、違うな」

 

彼女は嘲りを含んだ笑みを浮かべる。

 

「てめぇらが弱すぎんだよ」

 

彼女はそう言い放ち、倒れている男子たちがいる場所を後にした。

 

 

 

「はぁ……」

 

喧嘩した場所から歩いて30分程度経ち、さっきまでの喧嘩の熱が冷めた途端についため息を吐いちまう。

まだ拳や顔などや身体全体に喧嘩の時の怪我をした痛みなどは引いていないし、喧嘩の内容自体に対してのため息ではない。

今考えなくてはいけない悩みだし、今考えなくても別にいい悩みに対するため息だ。

 

「はぁ……」

 

俺の名前は卯ノ花さつき。

()()日本に住んでいるただの女子中学生だ。

……まあ、女子中学生の前に『不良』とつくけどなァ。

 

俺には前世の記憶という物がある。

その記憶と今世の雰囲気(ノリ)の違いに上手く馴染めていない。

授業は寝るかさぼってテキトーな所にふらついたり、夜に出歩いて喧嘩をするなど絵にかいたような不良少女となっている。

毎日のほとんどを殴り、殴られの喧嘩に明け暮れ、夜中に帰ってきて寝るといった生活を繰り返している。

 

そんな卯ノ花さつき(不良少女)としての日常であるいつもの喧嘩をして夜道を独りで歩く。

 

「はぁ」

 

喧嘩に明け暮れている不良少女の俺にも悩みがある。

 

俺の目下の悩み、それは『進路』だ。

進学する高校はどこにするのかという意味でもあるし、俺の人生の道筋はどうするのかという意味でもある。

 

(いつまでもこんな喧嘩ばかりなんてしていられる訳がないしな)

 

そう、前世の様に自分の力を商品にするという世界ではない。今は平和な世界で、そして争いとは関係のない国に、両親のもとに生まれた。

力だけを証明し続けての生活はもうできない。

……だけど――

 

ただ戦っている間だけは、悩みを忘れられるんだ。

別に戦うことが好きという訳ではない、前世ではそれしか知らなかっただけだ。

前世での俺を忘れたくないんだ。

 

まあ、この世界にも俺の世界と似たような兵器があるにはあるんだが、話を聞いている限りどうにも興味が持てない。お題目が綺麗すぎるって言うのもあるし、裏で言っている事とは逆のことをしているのだろという陰謀などの臭いがする。

 

(まあ、最悪自衛隊とかに入隊すれば生活はできるだろう。前世で似たような組織で生きてたしな)

 

そう思いながら、自分の家に帰る。

今日はいつもより遠くに出てきていて、この辺りの道を通るのは初めてだななどと思いながら歩いていると――

 

「……ん?」

 

視界の端に見覚えのある何かが映った気がしたので俺は立ち止まった。

俺は後ろ歩きで数歩戻り、俺の視覚が捉えた何かを確認した。

 

「……んん?」

 

数歩戻った所で、俺は電柱に貼り付けてある紙があることを認識した。

その紙には企業ロゴと思われるマークが△の中にAやL、Mなどのアルファベットを組み合わせたようなデザインだった。

前世で見たことがあるデザインだ。

そう、これは()()()()()()()のエンブレムだ。

 

「何でこれが……どうして?」

 

今、俺はとても困惑をしている。

俺は前世の記憶があるが、今まで生きた14年の人生で俺と同じく前世の記憶がある奴とは出会ったことは無かった。

 

偶然なのか、それとも俺と同じ世界の奴がこの世界に来ているのか?

 

(もし後者で、このエンブレムに関わる存在ならマズイことになる可能性があるな……)

 

面倒だが……とても面倒だが、一応調べるかと思い、俺はスマホを取り出して張り紙に書いてある情報をメモする。記載されてる内容に無駄が多く要約すれば、()()()()()()()という合同会社が正社員を募集をしているということらしい。

 

(……つうか、説明が回りくどいし、募集している仕事の内容が伝わってないし、本当に正社員を募集をする気があるのかコレ?)

 

そんなことを思いながら俺はスマホに合同会社オールマインドの正社員募集の広告に関する情報をメモが終わった。

……この会社の連絡先と住所しかロクな情報が手に入らなかったが、俺は家に帰るためにさっきよりも早いスピードで歩く。

本当は今すぐにでも調べたいのだが、今日はもう遅い。

余りにも遅く帰ると両親が――特に母親が次に日に面倒くさいことになるので今日はこのまま帰ることにする。

調べるのは明日になってからだ。

会社として存在をしているのだろうから、ネットで調べたり、もしくは学校の先生に聞いたりすれば何か分かるだろうか?

 

そこで俺はふと、明日は珍しく、喧嘩をしない日になりそうだなと考えてしまった。

 

(まあ、別に悪いことではないか)

 

そんなことを思い、そして少し笑いながら俺は家に帰る。

 

(明日は珍しく学校に行くのだから、早く寝ないとな)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。