インフィニット・ストラトス RE:PONKOTSU   作:チャイナドレス先輩

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ポンコツちゃん可愛い!!


谷全心響(オールマインド)について

オールマインマインドとは俺の元居た世界――ルビコン3という惑星で稼働していた傭兵支援システムのことだ。

特定の勢力に属さずに、純粋に傭兵を支援するためだけに存在しているであろうと存在。

その惑星にいたみんなはそう考えていたし、俺もその一人で何も疑問に思わずにその支援システムの恩恵を受けていた。

 

しかし、このオールマインドというものは、そんな便利な道具の様な存在ではなく、密かに人類よりも上位に立つという野望を持っていたのだ。

裏では自身の長年練り上げた計画の為に暗躍を行っていた。

その計画の名前はコーラル・リリース……という計画だ。

残念ながら俺にその計画の全部を説明できるだけの知識はないし、興味もない。

ただ、オールマインドは従順なAIのふりをして人類の上に立とうと画策した危険な存在であるということは理解している。

 

まあ、その()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

……今にして思うと、コイツの計画には不確定要素が多かったというか見通しの甘さがあって、それが原因で計画が失敗したような気がしないでもない。

 

 

(これが、俺が前世で知っているオールマインドだ)

 

では、目の前に楽しそうに自分の作った製品を説明している女はそいつと同一の存在なのかという疑問はあるが――多分同一の存在だろう。

 

(このオールマインド社が開発したという武器は俺の世界ではAC――アーマード・コアと呼ばれる兵器が使っていた装備だ)

 

俺はテーブルのタブレットを操作して、今世では見ることができるとは思わなかった前世での武器たちの情報をみた。

その武器たちを見ていると不思議な懐かしさが出てきて、柄にもない感傷に浸ってしまう。

 

「以上のことから、弊社の製品は他社に劣らないどころか、上回る製品であることを自負しております……しかし――」

「しかし?」

 

話の流れが変わったので、手元のタブレットから谷全へと再度視線を戻すと――

 

「なぁーんで、私の作ったこの素晴らしいパーツ達が売れないのぉー!?」

 

……谷全心響(オールマインド)が情けない大声を上げた。

 

(こっちがそのことを指摘する前に自爆したぞコイツ)

 

そう、コイツの話を聞いている限りだと売れててもいい様なものなんだよな……

少なくとも毎食もやしだったり嗜好品(酒やお茶)を楽しめなくなるレベルの貧乏生活になることはないはずだなどと俺は思い、コイツご自慢のパーツというものの資料が入っているタブレットを閲覧してみた。

見ていてそこまで悪くはなさそうな性能のパーツで価格も他社の製品と比べて異常に高かったりしない……むしろ良い製品であるという評価を受けてもいいようなラインナップだ。

 

(コイツが言う通り、何でこれで売れていないんだ……って、うん?)

 

各武器の説明欄には武器の詳細なパラメーターや参考画像が記載、また実際に使用した際の参考となる映像も付いており、見ている分には資料としては一級品だなと思いながら読み続けていると……とんでもない製品が記載されているのを見つけてしまった。

当社で開発した一番最初の製品という他の武器の欄とは異なる独自の欄だ。

 

「あー、おい、質問いいか?」

「えぇ?何よぉ?」

 

俺は目頭を押さえながら目の前の制作者に質問を投げかけた。

因みに谷全は俺が声を掛けるまで、奇声を発したっり泣き言を言ったりしていた。

 

「この銃剣付けたバズー(『44-141 JVLN ALPHA』)カだったりプラズマ鞭(『44-143 HMMR』)爆導索(『45-091 JVLN BETA』)レーザーオービット(『45-091 ORBT』という型番被り)やレーザーライフルとプラズマライフルを並列して取り付けた銃(最重量『44-142 KRSV』)とかって、もしかして一番最初の製品としてPR活動したか?」

「え?もちろん私の自信作で一番最初の自社製品だから目いっぱいの宣伝をしたけど?」

「ああ、うん、そう……」

 

(ああ、うん、それが原因だな……そう、それが原因で企業としての第一印象でやらかしてその後の製品が売れていないんだな……)

 

型番被りは置いておいて、レーザーオービット以外の武器は見た目や使用用途に製作者のちょっと独特なセンスが見えてるもんな。

……また変なことを考えていれば早急に始末しよなどと考えて、この会社に来たが――

 

(コレ、こっちが何もしなくても勝手に餓s……いや、消えそうだなコイツ)

 

俺はそんなことを考えながら、出されたペットボトルのミルクティーのキャップを外して飲む。

 

「いやーそれにしても丁度良かった。来月アメリカで開催されるアメリカで開催されたIS武装の展示会でISに乗ってくれるテスターが欲しかったのよねぇ」

「はぁ?何で俺が参加すること前提で話を進めているんだ?」

「……え?弊社に就職希望だから面接を受けに来たのでは?」

「え、いや、別に。それに、俺は今中学生2年生だからそもそも就職自体ムリだろ」

「………」

「もし仮にここに就職するとして、現在中2の俺の場合って早くても中学卒業した後か、高校や大学とかを卒業した後に就職だよな?」

「………」

 

俺が言葉を発するごとに、谷全の顔が青くなっているのが分かる。

……俺は面倒ごとになる強い予感を感じ、早急に退散を決意する。

俺は出されたミルクティーをジャージのポケットに入れながら立ち上がる。

 

「それじゃ、俺はこれで。来月の武器展示会がんばって下さい――」

「ちょ、ちょっと待ってよ!!考え直してぇえ!!」

「うわぁあ!?おまっ!?」

 

俺が席を立ち部屋から出ていこうとすると、俺の腰にこのポンコツ女はしがみついてきやがった!!

クソが、力が強すぎて引きはがせないだと!?

毎食もやしの生活でこんな力が出せるのか!?

それとも火事場の馬鹿力とかなのか!?

 

「お願いぃ!!来月分の賃貸料とかローンとかはギリギリ払えるんだけど再来月からは本当に払えなくなるのよぉ!!」

「知るかァ!!むしろ、その事情を説明された奴は普通は何も見なかったことにして帰るんだよォ!!」

「そこを何とかおねがいじまずぅ!!」

「鼻水と涙を流しながら俺にくっつくなァ!!

 

ああぁ!?

テメェ、俺のお気に入りのジャージに鼻水付いたじゃねーか!!

俺はこの女の頭を引きはがそうと力を込めるがビクともしない。

 

(こいつまさか、自分の身体を強化改造していたりするのかァ!?)

 

大男をぶん殴って沈めることができる俺の腕力が通じないことからそんな馬鹿なことを考え始めた。

 

「それに俺がどうやってIS乗るんだよ!!法律とかで中学生が企業に就職しての活動ってできないだろうがよォ!!」

「そこは企業所属のテスターとして参加ってことでなんとかするからぁ!!」

「法律的に大丈夫なのかとそれ!?」

「就職という形ではなくて、我が社の製品のテストしてくれている学生協力者という立場なら大丈夫なのよぉ!!」

「はぁ?」

「だからいったんわたじのはなじをぎいでぇよぉ……」

「………」

 

なんかもう色々疲れたし、一旦話を聞かないと、開放してくれなさそうなので俺はコイツの話を聞くことにした。




こう、オールマインドが情けなく泣き叫びながら懇願する姿が……もう、ね
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