インフィニット・ストラトス RE:PONKOTSU 作:チャイナドレス先輩
2020年6月 日本
さつきと鈴鹿が通っている中学校
私の名前は
IS学園に進学するために日々努力を重ねる進化系中学生だ。
……自分で考えててとても恥ずかしかったから今のは無しだ。
絶対に他の人には言わないでおこう。
しかし、それぐらいの気概でなければ
私は普通の家庭に生まれて、普通に育って、そして特別なものに憧れる普通の少女。
因みに好物は激辛の食べ物全般。
ここだけ友達からはどこが普通なんだと言われたりしている。
さて、そんな普通な私の最近の出来事なのだけど、私の友達の様子がおかしい。
私の小学校の頃からの友達に卯ノ花さつきという女の子がいる。
両親は医者と社長というエリートでお金がありお家も大きく、そして容姿も良い。
暗い赤に意思の強さを感じることができる瞳に整った綺麗な顔。
本来であれば、何不自由なくこれからの人生を謳歌できるだろうという生まれの子だ。
……しかし、それは彼女が普通であったのならの話だ。
彼女はいろんな意味で普通ではなかった。
彼女は生まれつきの喧嘩屋であり、私との出会いも穏やかなものではなかった。
また彼女は
自分よりも年上で身体も大きい男子複数と戦って一度も負けたことがない。
そんな誰よりも強い力を持っている彼女は絵にかいたような不良だ。
授業はサボる、深夜徘徊に喧嘩三昧……この女尊男卑のご時世の中で喧嘩相手には困らない様で、中学校に入ってからほぼ毎日誰かと殴り合いの喧嘩をしているようだった。
(多分、力を持っていることを理解しているからそれを持て余してしまっていてい非行に走っていたんだろうな)
本人も今のままではいけないと自覚はしているのか、最近悩み事があるかのように吐くため息が多かった。
友達でもあり恩人でもあり、そして複雑な気持ちを持っている相手。
……長い付き合いだし相談に乗りってあげたかったのだが、本人の内面の問題だから彼女が言い出すまで待っているつもりだった。
そんな、彼女のため息が日常の一部に溶け込んだ頃に――彼女の非行はパタリと止まった。
「この問題をだな……あー、その卯ノ花に解いてもらおうか」
「はい」
「………」
彼女はここ2週間真面目に学校に登校してきており、普通に授業を受けている。
授業態度は問題がなく、真面目に授業を受けているだろうという事が分かる。
「……うーん」
カリカリカリ
「………」
さらに、興味がないと言っていたISについて急に勉強を始めた。
休み時間中や放課後の図書室でずっと参考書を片手にウンウンと唸って勉強している。
「ジィー」
「なんだよ鈴鹿。俺のことを見ながら『ジィー』とか口に出して……」
「いや?だたガーゼとか絆創膏が張られていない顔久しぶりに見たなーって」
「ああ、最近喧嘩してないから顔を殴られることがないからな」
「ふーん……そう」
そして、札付きの喧嘩屋で知られている、彼女がパタリと喧嘩をしなくなった。
これは薬物中毒者が、急に自力で薬物を摂取しなくなり、真人間に戻るような変化――いや、奇跡だ。
学校のみんなは天変地異の前触れか、可燃性が極めて高い新物質が天から降り注ぐのではないかなどと好き放題言っている。
そんな彼女の変化について周りが色々言っている中、私は1人でイライラしていた。
(……納得できない)
いや、彼女が真人間になって嬉しいという気持ちはちゃんとある。
しかし、彼女が長年抱えていたと思われる悩みを友人である私に相談されることなく解決されたことに対して不満がある。
……そう言えば、休日を利用してオールマインドという会社に面接に行くようなことをいった次の月曜日に何故か蒙古〇ンメンのカップ麺を帰り道に『すまん』と謝られながら大量に渡して来た。
意味がわからない。
彼女は突拍子のない行動はしない。
彼女は基本的に食べるか、寝るか、喧嘩するかというとても分かりやすい生態をしていたのだけど、この2週間でその面影が見られいないほどに変化した。
(……ま、まさか)
私は可能性hは低いが、
そう、それは恋!!
(そう、喧嘩少女で通していた彼女も一人の女の子――恋の一つで簡単に変わるものなの!!)
しかし、喧嘩一辺倒で可愛い所は顔しかないそんな彼女がはたして恋に落ちるのかという疑問も大きい。
気になるので、それとなく彼女に聞いてみることにした。
「オールマインド社の社長が美形のイケメンで恋しちゃったの?」
「………ハァ」
とても深いため息を吐かれながら、間抜けを見るような目で見られた。
お昼休み中の現在も昼食を食べた後に真面目にISについて勉強している。
「何を勘違いしているのか知らないが、社長は女だ」
「でもこんな世の中だし最近、女の子との恋もあるよ?」
「あれに恋するようになったら、世界の終わりだよ」
それはそれでどんな人なのか逆に気になるような話ではあるのだけど……
「それじゃ……」
「あん?」
「何で急に真面目に勉強してるのよ?」
「決まってんだろ?」
そう、彼女は言うと夢を追いかける少年のような純粋な笑顔を浮かべる。
「餓鬼の喧嘩以上の戦いの為の準備だ」
「……不良少女卒業したかと思ったら傭兵にでもなるつもり?」
私は今の社会で『傭兵』という在り方があり得ないと分かりながら口にする。
「まー、似たようなものか?」
「とにかく、さつきが変わったけど、変わっていないてことは分かったわ」
いつもの行動は変わろうとも、その本質は変わらないだろう。
「心配すんな、俺は変わらないよ」
そう、彼女は言うと、参考書の方に目を向けて勉強の続きを始めた。
私はそんな彼女の邪魔をしない様に彼女の横顔を眺める。
(変わっていないという点に安心すれば良いのか、不安に思えばいいのか分からなくなる)
彼女は戦いを求める性質については変わっていない。
ただ、その戦いの規模が不良の喧嘩からISを用いた戦闘に変わる。
つまり、今まで以上の戦いに身を置くことを決めたのだろう。
まあ、力がある彼女がISを求めることに関しては自然な流れであったともいえる。
(だけど、正直に言って、あの笑顔は反則だよ)
耳が熱くなっていることを自覚しながら、私も彼女に習って勉強を始めた。
彼女は友人だ。
私の恩人でもある。
だけど……私にとって彼女は、それだけではない。