Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─   作:タロ芋

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続きました。
AC6の売上が280万を到達したらしいですね。素敵だ・・・・。
それに、なんだかブルアカでコラボイベントが来るそうですね。
私の予想ではコラボはAC6ですね。透き通ってるし。
間違ってたらバスキュラープラントの下に埋めてもらっても構いませんよ!!


12

 光を何一つ通さない暗い空間があった。

 遥か過去に捨てられ、目覚めたAIすら認識していない区画。

 

 その最奥にソレは鎮座していた。

 こことは違う世界で戦い、果て、何の因果か流れ着いた存在。

 

 これを発見した当時の科学者たちは狂喜した。見たこともない技術。見たこともない兵器。見たともない物質。

 

 当然、解き明かし自分たちのものにしようと手を尽くした。

 けれど、殆ど理解出来なかった。どれだけ解析しても、どれだけ動かそうとしても、どれだけパーツを分解しようとしても何一つできなかった。

 

 辛うじて共に流れ着いてきていた残骸と武器らしきエネルギー兵器などは解析できたが、この存在だけは何一つ分からなかった。

 

 どれだけやっても分からなければ時間の無駄だと科学者たちは判断し、ソレを地下深くの倉庫に押し込め放置する。

 

 時が過ぎ、施設は放棄され水底へと沈み同じようにソレも忘れられた。

 

 幾日、幾年、長い時が経った。

 訪れる者などいるわけが無いその場所に小さな音が響く。

 

 何かが軋む音がすれば、次は小突く音。その後に段々と大きくなっていき、ガンッ、ゴンッ!! というぶん殴る音とひしゃげる音が連続し、最後に。

 

 ガゴンッ!!! 

 

 破壊音とともに閉ざしていた扉がぶち抜かれ、大きく吹っ飛んで落下した。

 

「着いた」

 

 全身をずぶ濡れにし、足元にいくつも水滴を落とした少女は呟けば目元を覆っていたバイザーをあげる。

 深紅の瞳が暗闇の奥を見据え、語りかけた。

 

「今まで随分休んだだろう? さぁ、仕事の時間だ」

 

 

 

 

 

『レイヴン、幸いにも電気系統は生きているようです』

 

「ん、それは良かった」

 

 壁の一角にあった配電盤を操作をすると程なくして天井の照明が点いた。

 その空間はかなり広く、奥行や天井がかなりのものだが荒れ果てており天井の板は外れ、なにかのケーブルが垂れ下がり照明のあかりも何処か頼りない。

 

 ここに来るまで道のりは一言で表すには足りないほど過酷なものだった。

 下に向かうだけ、といえば簡単だが行うは難しというやつだ

 

 道を歩いていれば突然足場が無くなったり、生き埋めにされかけたり、通路が塞がれてたらダクトを通ることになったが腰の翼や胸の脂肪が邪魔で何度も引っかかったりが複数回。

 挙句にはそれなりの深さにまで水没した地点を潜ることになり、溺死しかけもした。

 

 もしこれで何も無かったらキレてただろう。けれど、今回の賭け(ギャンブル)の女神はレイヴンとエアに微笑んでくれたらしい。

 

 室内を進み、コンテナや瓦礫を避けてレイヴンはその奥へとたどり着くとゆっくりと見上げる。

 放置された深紅の装甲のソレを。

 

「……まさか、コレがあるとはね」

 

『……"HAL 826"。コーラル反応はこの機体からのようです』

 

 かつて、エアがオールマインドのデータベースをハッキングした情報の中にあった機体がそこにはいた。

 けれど、アリーナで戦ったあの機体と違い、今目の前にある機体の状態は余りにも酷いものだった。

 

 全体の塗装は剥がれかけ、装甲には大小様々な傷や罅が走り、内部フレームや配線すら露出している部分が見える。

 

「…………」

 

 レイヴンはそっと装甲を触れば、ゆっくりと撫でた。

 

「エア、コレを動かすことは出来そう?」

 

『……恐らくは可能でしょう』

 

「……コーラルを動力にしてもエアは平気?」

 

 手をおろし、レイヴンは光の灯っていないHAL 826の頭部を見つめた。

 エアはコーラルの同胞を気にかけていることは知っている。そのためにレイヴンは力を貸した。

 けれど、目の前の機体はそのコーラルを燃やすことで動く。それはつまり、エアの思いを踏み躙ることになるのでは無いか? 

 

『レイヴンの懸念は分かります……ですが、私には何よりも貴方が大切なのです。

 その為なら私は自分の信念を曲げることになんの迷いもありませんよ。

 それに、コーラルは最早貴方と私そのものですからね。気にしても仕方ないでしょう?』

 

「……そう。私は素晴らしい友人をもったね」

 

『……友人、ですか。うーむどうせならもう一歩踏み込んで欲しいのですが。まだまだ道は長いですね』

 

「エア?」

 

『いえ、なんでもありません! 直ぐに起動シークエンスを開始しましょう』

 

「ん、分かった」

 

 コクピットハッチを開けばレイヴンはシートに背を預け、慣れた手つきで各種スイッチを押し込み起動シークエンスを始める。

 

「……各種パラメーターを調整。火器管制システムを固定値へ。

 機体制御プログラムをコードAからCに変更」

 

『パワーフローを随時調整し安定値へ。ゼロ・モーメント・ポイント及びCOGをレイヴンの身体データを参考に更新。

 各種神経接続データをオートからマニュアルへ。

 運動パラメーター更新、フィードフォワード制御を再起動。

 擬似皮質システムをヘッドギアへ直結……』

 

「伝達係数をエアへ一任。コリオリ偏差値を修正。

 運動ルーチンを更新し、現在の身体データで再入力」

 

『システムをオフラインからオンラインへ。

 ブーストトラップ実行』

 

「ジェネーレーター出力最大」

 

「『IB-C03H:HAL 826強制起動!!』」

 

 機体の炉心に火が灯った。

 各部にエネルギーが送り込まれ、関節を軋ませながらも両の脚部は踏み締めゆっくりと立ち上がる。

 

「……行こう、エア!」

 

『ハイッ!!』

 

 右手のライフルを天井に向け、レイヴンは引き金を引く。

 圧縮、収束された深紅の奔流が銃口から解き放たれ幾つもの天井をぶち抜き透き通る青空に深紅の柱を屹立させた。

 

 全身のスラスターから赤い粒子を放てば、僅かな溜めの後にとてつもない速度で飛び立つ。

 

 そしてキヴォトスの空に今、鋼の巨人が舞う。

 

 

 

 

 

 その兵器には意思はなかった。ただ、命令された指令をこなし続けるただの機械だった。

 

 続けるただの機械だった。

 けれど、ある時に声が聞こえた。

 

 それは何だったのか。それはどういう意味であったのかは分からない。

 しかし、理解出来たことはある。その声が目覚める時まで守護すべきだと。

 

 故に機械は常にこの都市に侵入する存在を撃滅し続けていた。

 その日も同じように機械は意志を持ってその存在を破壊するために全力を尽くした。

 

 ソイツは全身を黒ずくめの存在で過去にやってきた侵入者達よりも強く、手駒が幾つか破壊され手こずったが撃破できた。

 

 侵入者は川に落ちてしまい、生死の確認はできなかったがミサイルが直撃し挙句には流れの早い川に落ちたのだ。十中八九助からないだろう。

 

 そう思っていた(…………)

 

 自分を睥睨し、巨大な銃口を向けるソレを見て防衛兵器……否、存在証明特殊AIデカグラマトン第一の預言者でありその守護者"ケテル"はセンサーによるアラートではなく第六感と呼べる感覚による警鐘を鳴らしていた。

 

 なんだアレは? なんだアレは? なんだ? なんだ? なんだなんだなんだなんだなんだ!!? なんなんだアレは!!? 

 

 知らぬ。知らぬ。知らぬ。知らぬ。知らぬ!! 

 

 アレはなんだ!? この感覚は!? この感情は!!? 

 

 思考ルーチンを埋め尽くす疑問? 疑惑? 懐疑? 

 

 いや、違う。これはそれとは違う。コレは……怖い。恐ろしい。怖気? 

 

 そうだ。傷だらけでありながら深紅の人型兵器が我を睥睨し、右手の銃口を向ける様に我は恐怖しているのだ。

 

 アレはダメだ。アレをこのままにしてはおけない。

 全兵装をもってアレを撃滅しなければならない。たとえ刺し違えてでも!! 

 

 

 

 

『レイヴン、機体の損傷状況から見て戦闘可能時間は凡そ300秒弱です!!』

 

「ん」

 

 機体に深刻なダメージが入ってることを知らせる警告音が何度も鳴り響き、罅やノイズがいくつも走るモニター越しに煮え湯を飲まされた兵器、ケテルを見据えレイヴンは操縦桿の握る力を強める。

 

「さぁ、リベンジの時間だ」

 

 爛々と深紅の瞳を輝かせ、レイヴンはフットペダルを一気に踏み込んだ。

 HALのコアパーツ背部が展開。スラスターからコーラル特有の深紅の燃焼炎が放たれ、急加速(アサルトブースト)を開始。

 

 急激に接近してきたレイヴンに対し、ケテルは迎撃を行うために砲門から拡散レーザーやミサイルを放つ。

 

『レイヴン!』

 

「シールド起動!」

 

『ハイッ!!』

 

 左肩武装のシールドが起動し、赤いエネルギーシールドが機体の前面に展開する。本来なら機体全体を覆うものだが、機体のダメージのせいで出力が不安定になっており、現在は前面にしか展開することしかできなかった。

 青い拡散レーザーはシールドを叩き、波紋を幾つも作り出しす。

 

『シールド限界です!』

 

「アイツに近付くまでもてばいい!!」

 

 エアからの報告にレイヴンは返しながら飛んでくるミサイルを右手武器のコーラルライフル"IB-C03W1:WLT 011"で迎撃。

 撃ち抜いたミサイルがほかのミサイルと誘爆し、爆炎がモニターを塞ぐ。

 

「ッ!!」

 

 構わず突っ込み、左腕武器のコーラルオシレータ"IB-C03W2:WLT 101"を起動。

 発振器から平均より長い深紅のブレードを形作り、ケテルがいるであろう箇所へ袈裟斬りで振り下ろす。

 けれど、

 

「チッ、浅い!!」

 

 ブレードが当たる寸前、ケテルは後方へと跳躍したことでダメージを最小限に抑えた。

 脚部装甲の表面を僅かに融解させる程度のダメージにレイヴンは舌を打ち、追撃を行おうとするが即座に真横へクイックブーストを行う。

 静止状態から凡そ時速100キロを超える急加速による猛烈なGが体を襲うが、構わずクイックブーストを連続使用。

 その軌道を追うようにケテルのガトリングによる一斉射し、アスファルトの地面に無数の弾痕が刻まれる。

 

 ケテルの攻撃を緩急をつけたクイックブーストで避けつつ、的確にコーラルライフルの射撃でダメージを与えながら肉薄した。

 

「ハァッ!!」

 

 オーバーヒート状態から回復したコーラルブレードを再び起動。背部スラスターを別々に稼働することで機体を回転させ、勢いを乗せた斬撃を放つ。

 

「!!!?」

 

 悲鳴のような駆動音を轟かせ、ケテルの正面装甲に巨大な傷が作られた。

 

「シィッ!」

 

 溶解した傷口からは火花が飛び散り、内部の回路が幾つも断然し堪らずケテルは後方へと跳躍すれば再び拡散レーザーを放つ。

 

「逃げるなッ!!」

 

 機体を突撃させ、その後ろをレーザーの雨が通り過ぎるのを感じながら着地したケテルを蹴りつけた。

 ケテルの装甲をたわませ、ブレードによる傷を中心に更にダメージが広がる。

 

 ACの重量を乗せた蹴りはケテルの巨体を吹き飛ばし、四足を踏ん張らせてケテルは吹っ飛ぶ勢いを止めさせたが、そのせいで照準が定まらず更にレイヴンの攻撃を許してしまう。

 

 片足が撃ち抜かれ、ガトリング砲を一門破壊され、いつの間にか飛んできた赤い光が背部に直撃したかと思えば爆発し、ミサイルコンテナも吹き飛ばされた。その爆発に巻き込まれ、逃走用のワイヤーユニットも動かない。

 

 何故? ケテルのCPUにはその疑問が浮かんでいた。

 あちらは満身創痍とも言えるほど損傷をしている。そのはずなのに何故、我の方がダメージを受けている? 

 何故、我の攻撃が当たらぬ? 

 何故

 何故

 何故─────!!? 

 

「機械の癖に考え事か!!?」

 

 再び爆発。

 映し出される映像にノイズが走り、機体損傷度が警告領域(イエロー)から危険領域(レッド)へと移行する。

 レーザー砲にも破損が及び、まともに撃つことすらままならない。

 

 巫山戯るな。我は第一の預言者だぞ? 

 貴様のような下賎な輩に!! 

 

『レイヴン、残り稼働時間61秒です!!』

 

「すぐに終わらせる!!」

 

 額から流れる汗が宙を舞い、ズタボロとなったケテルにむけてトドメを刺そうとした瞬間にとてつもない衝撃がコクピットを襲った。

 

「ッ!? コイツ!!」

 

 モニター全面に映るケテルの顔らしいセンサー部分。

 どうやらこちらに向けてタックルをしたらしく、押し返そうとレイヴンはアサルトブーストを起動させようとしたが。

 

『ッ、スラスター出力上がりません!』

 

「なっ!?」

 

 スラスターから僅かに噴煙が上がるのみで、どんどんとケテルに押されていく。

 急いでスラスターの状態を見れば理由が判明した。

 

「スラスター破損!? ッ! あの時か!!」

 

 ケテルの拡散レーザーを突撃して避けた時、どうやらレーザーがかすったらしい。

 そのせいでスラスターの出力が上がらず、アサルトブーストを使用できない状況に陥ったようだ。

 

 そして、アスファルトに轍を刻んでいれば唐突に踏ん張っていた感覚が消失し、浮遊感が訪れた。

 

「ッ!?」

 

『まさか私たちごと!?』

 

 ケテルはどうやら自分たち諸共崩落した大穴に突っ込んだようで、このまま遥か下の地面へ叩きつける腹づもりのようだ。

 いくら成層圏から落下しても多少のダメージ程度で収めるACと言えど、それはきちんと姿勢制御を行いかつなんの損傷もない状態だからできることであって、現在の殆ど大破状態でかつ禄に姿勢制御も出来なければ重りが乗っかってる状態で落ちたらあっという間にペシャンコだ。

 

 稼働時間も30秒を切った。刻一刻と迫る感覚にレイヴンの背にヒヤリとしたものが訪れる。

 スローモーションとなった風景に近づく地面。

 

 死ぬ? ここで? わけも分からない連中の仕事を受けて、訳の分からない廃墟の調査をして、訳の分からない兵器に殺される? 

 

 ふつふつと怒りが湧いてくる。巫山戯るな。私はウォルター(あの人)との約束を守るんだ。

 エアと共に生きると。

 なんで私がこんな訳の分からない連中に殺されなければならない? 

 

 ブチリ、何かがレイヴンの中で切れる音がした。

 

「ふざ……けるなぁぁぁぁっ!!!」

 

 レイヴンのヘイローが眩いほどの輝きを放ち、出力の低下していたHALのジェネレーターが急激にエネルギーを回復させる。

 エネルギー過剰供給され、跳ね上がった出力にものを言わせて勢いよく左手でケテルの顔面を殴りつけた。

 

『ッ、高濃度のコーラル反応!? 発生源は……レイヴン!?』

 

「エア、アサルトアーマー!!」

 

『ッ、ハイッ!!』

 

 拘束が緩めば強引に抜け出し、レイヴンはケテルの上へと位置どればゼロ距離でアサルトアーマーを起動させた。

 コアパーツ背面が展開し、圧縮されたコーラルを一気に解放。深紅の閃光と衝撃波が2機を包みこむ。

 

 アサルトアーマーによる閃光が消えれば、最早無事な箇所が見えないほどの損傷を見せるケテルがおり、頭部センサーすら消えかけだった。

 けれど、完全に機能を停止させた訳では無い。まだ稼働できる部分を総動員させ、ケテルはレーザー砲を動かす。

 

『レイヴン避けて!!』

 

「ッ!!」

 

 ほとんどノイズしか見えない視界の中で深紅の輝きを放つ敵機を捉え、青い閃光を解き放った。負荷に耐えきれなかった砲身は爆発し、今度こそケテルの武装全てが吹き飛んだ。

 けれど、発射された極太のレーザーが敵機を逃げる間も与えずに消し飛ばし、深紅の爆発を発生させる。

 爆風がケテルの体を叩き、衝撃がほとんどのセンサーを使用不能にした。

 

 ───勝った

 

 ケテルの思考回路は確信した。あのレーザーと爆発だ。生きているわけが無い。

 ほくそ笑み、ケテルは来るであろう落下ダメージに耐えようとした瞬間に思考が凍りついた。

 

 爆炎を切り裂き、己に深紅の刃を向けて突っ込んでくる頭上にヘイローを浮かべた機体を見て、だ。

 右半身は吹き飛び、最早死に体と評せるほどのダメージを受けながらもなぜ戦える!? なぜ戦おうとする! 

 

 バイザーが壊れ、奥に見える瞳は確実に殺すという殺意が乗せられ、口角は吊り上がりレイヴンは獰猛な笑みが浮かんでいた。

 迎撃を行おうとするが、殆どの武装は破損し使用不可能。

 ケテルに出来ることなど精々もがくことをすることだけしか無い。

 

 遂に無防備な顔面にブレードがぶち込まれ、発振器ごと左腕がケテル内部の奥深くへと埋まる。

 

「!!!!!!!!?」

 

「いい加減ぶっ壊れろガラクタがァァアァァァッ!!」

 

 機体内のエネルギー全てを発振器へ流し込み、ブレード状となっていたコーラルがビーム状の照射形態へ変化すればケテル内部を直進し貫通した。

 許容量を超えて尚流し込まれる圧縮されたコーラルは行き場を求め、ケテルの内部を蹂躙し破壊していく。

 粉砕された装甲の隙間から噴水のようにコーラルが吹き出し、放射状の爆発を引き起こし周囲を紅く照らす。

 

「オォォオオオオオオオッ!!」

 

 埋まっていた左腕を強引に下へ下へと動かせば、照射ビームも動いていき過負荷に耐えきれず機体と端々が崩壊していく。

 そして、

 

「終わり、だァァあっ!!」

 

 振り抜いたと同時に完全に左腕が吹き飛び、通り抜ければ地面へと激突。何度も跳ねながら瓦礫にぶつかりようやく停止した。

 上空では真っ二つにされたケテルが爆発し、巨大なコーラル爆発を作り出した。

 

『…………ギリギリ、でしたね』

 

「……死ぬかと思った」

 

 殆どコアパーツのみのスクラップとなったHALのコクピットの中、表示される残り稼働時間が0秒丁度の部分を見ながら頭から血を流したレイヴンはため息をこぼす。

 

『レイヴン、最大速度でヘリを向かわせています。今はとにかく休んでおいた方がいいでしょう。

 報酬については私が話をつけておきます』

 

「……ん、おねがい」

 

 エアの提案に素直に従い、レイヴンは目を閉じる。

 こうして、今回の依頼は終わりを迎えた。

 気になることは幾つもある……けれど、それを解決するのは今ではない。

 

「……とりあえず、あの胡散臭いやつには落とし前つけてやる」

 

 いくら何でもこんなことになるなんて予想できるか、そんなことを思いながらレイヴンは意識を手放した。




続きません。
感想評価待ってます。

流石にそろそろ本編突入した方がいいですかね?
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