Blue Archive ─To raven.Welcome to the kivotos.─ 作:タロ芋
前回のお話で首輪付きが出たことによる阿鼻叫喚が来ましたね〜。ここでは果たしてどんな獣となるのか気になります(他人事)
他ACキャラを誰だすかは何人かは考えてます。
突然の乱入者にその場にいた人物たちは思わず戦闘の手を止め、その存在に集中してしまう。
「? えー、なになにーボクってばそんなに見つめられると照れちゃうなぁ♡」
注目の的となった少女は頬を赤く染め、体をくねらせるが唐突にグルリと首を後ろへと向けた。
「でも、戦いの場で止まるとか舐めてる?」
発砲音。
不良のひとりが地に伏して緊張が走り、第三者に向けて先生が叫ぶ。
「君!! 良ければ協力してくれない!?」
「えー、んー……どうしよっかユキちゃん?」
少女は言うと頭に手を置いて気配を消していたピンク髪の連れらしき少女へと語りかける。
「なんで私に聞くんですかー!? この状況から逃げられるならシロちゃんの好きにしてくださいよ!!」
「りょうかーい。ユキちゃんが助けてって言ってるから協力してあげる!」
「あ、うん。ありがとう!」
「あははははは! ころせー!!!」
「ぎゃぁああ! 髪! 弾が髪かすりました!! シロちゃん! 早くして!!」
「あははははははははははははははは!!!!!」
「わ、わぁ……なんだかすごいことになってますねぇ」
若干気圧されたように呟くのはペロロキチことヒフミだ。単独で敵陣に飛び込み、好き放題に食い散らかすミレニアムの制服の少女は狂笑をあげながら不良たちに鉛玉を叩き込み、殴り、蹴り、ぶつけて減らしていく。
「ねぇ、あの子って何者?」
「私に言われてもすごく困る……」
一旦補給のために戻ってきたシロコはレイヴンが隠れていた物陰のなかにやってくると聞いてきたが、生憎あんなキチガイは面識がない。
レイヴンは近くのバッグからシロコのARに合う口径の弾薬の込められたマガジンを手渡していく。
『……確か彼女はミレニアムの治安維持や暴徒鎮圧を目的とした部活のメンバー1人だったはずですよレイヴン』
「そうなの?」
『はい。ミレニアムの1年生でありながらもその部活の幹部クラスだそうです』
「…………そんな子がなんでブラックマーケットに?」
『「さぁ?」』
シロコの疑問にレイヴンとエアは答えることは出来ず、疑問を秘めたまま補給を終えたシロコは前線へと戻って行った。
「先生、どんな感じ?」
「うん、あの子が暴れ回ってるおかげでしっちゃかめっちゃかだから孤立してる子が多くて楽だね。
これなら直ぐに終わりそうだよ」
「ふーん」
飛んできた手榴弾をキャッチし、適当な不良たちの中へと投げ込むと数秒後に爆発音が轟く。
そういえばこうして先生の指揮を見るのは初めてだったな、レイヴンはそう思いながら先生を見やる。
シッテムの箱を手に持ち、インカムを小突いて適宜指示を送るの姿は正に熟練の指揮官だ。加えて、彼が指揮を行うと生徒たちの能力が著しく向上しているようにも見える。
どういう原理かはわからない。けれど、そうとしか思えない場面が多々あった。
もし戦ったら、ミシガン指揮するレッドガン部隊とどちらが手強いだろうか?
と、レイヴンは思う。彼の指揮したレッドガン部隊はとても手強かった。練度もさることながら戦意も高く、たとえ最後の一人となってもレイヴンを刺し違えてでも立ち向かってきた彼らは深くレイヴンの記憶に刻まれている。
「……まぁ、勝つのは私だけど」
『当然です。私のレイヴンは強いですから』
友人からの嬉しい言葉にレイヴンは本当にほんの僅かに口角を上げつつ、ハンドガンで不良のひとりを狙い撃った。
程なくして消耗を嫌った不良たちが撤退していき戦闘は終了する。
「敵、後退していきます!
……だけど、このままでは」
「仲間を呼ぶつもり? いくらでも相手をしてあげる」
シロコが戦意を滾らせがら言うが、待ったを掛ける人物がいた。
「ま、待ってください! それ以上戦っちゃダメです!」
「ん? どうして?」
「これ以上騒ぎを大きくすると可笑しい話に聞こえるだろうけど、ブラックマーケットの治安組織がやってくるよ」
シロコの疑問に答えるのはHG-004 DUCKETTのグリップからマガジンを引き抜き、ひーふーみと残りの弾数を数えているレイヴンだ。
ゴミだめの暗黒都市といえど、一定の秩序やルールはある。おかしな話だが、裏の世界と表の世界でもそこは変わらないのだ。
「そ、そうです。あうう…………そうなったら本当に大事ですから、まずはこの場を離れましょう……」
「そうですそうです! さっさとこんな場所から逃げましょうよ!」
「えー! つまんなーい! もっと戦おうよ〜!」
「シロちゃんは黙っててくださいよ!」
手を挙げて言うのは先程の戦闘に乱入してきた少女たち
だ。
「ふむ、別に移動するのに異論は無いけど君は誰?」
そんな少女に鋭い視線を向けて尋ねるのはホシノだ。その視線に臆するどころか笑みを深くして少女は口を開く。
「別に自己紹介するのは構わないけど〜、そんなことしてる暇はあるのかなぁ?
ふふっ、マーケットガードと戦うのはボクとしては全然構わないけどね」
「ダメ! 絶対だめ! そんなの絶対ダメですよシロちゃん!
私はシロちゃんみたいに頭おかしいくらい強くない、か弱い存在ですからね!?」
「えー、ユキちゃん酷くなぁい? まぁ、ユキちゃんが雑魚っちいのは事実だけど」
「……はぁ、わかった。降参だよこうさーん、さっさと逃げよっか」
両手を上げて剣呑とした気配を霧散させホシノは言う。
ヒフミが先導し、ブラックマーケットの路地を進む。
「それで、君たちは誰なのかな? ミレニアムの子みたいだけど……」
「あいむしんかーとぅーとぅーとぅとぅ〜♪ うん? そうだよー。
ミレニアム学園1年生の『
「私は『黒崎 コユキ』です! どうぞよろしくお願いします!」
楽しげに少女がハミングをしてると、不意に先生が尋ねたら少女は特に否定することなく認めて自分たちの身分を明かす。
「うん宜しくねシロナ、コユキ。それで、君たちはなんでこんな所に?」
「ボクはスミカ……スミカっていうのはボクの大好きな人ね。それでねスミカの車に傷つけちゃって怒られたくないから逃げてきたんだよね〜」
「私はセミナーの予算をちょちょっと使ってムシクイーンのカードパックをダース単位で買ったくらいですね〜。
先輩たちもそれくらいで怒るなんてみみっちいですよ!」
「あははは、ユキちゃん相変わらず性根がカス〜」
「(絶句)」
先生はこの少女たちの発言を聞いて思う。絶対にこいつら問題児だと。
「まぁ、ボクらのことどうでもいいでしょ? 先生たちは態々こんなゴミ溜めにいるなんて気になるな〜」
シロナの発言に先生は引っかかるところがあることに気がつく。自分は彼女たちに身分を明かしていたか? と。
「ふふっ、ミレニアムの情報収集能力を舐めない方がいいよ〜? というか、そんなコスプレみたいな変装で騙されるなんて、それこそどうかと思うなー」
こんなサングラスみたいなね、いつの間にかシロナの手には先生が付けていたサングラスが収まっており、悪戯が成功したような笑みを浮かべてシロナは自分にサングラスを掛けた。と言ってもサイズがあってないのか少し動くだけでズレてしまうが。
「ええ!? この人がユウカ先輩の言ってた先生なんですかァ!? てっきり殺し屋かと思いましたよ! グラサンかけて革手袋してますし!!」
「……ユキちゃんは気づいてなかったみたいだね」
「……そんなにイカツイかなぁ?」
「私に聞かれても困るんだけど?」
『ですね』
コユキの発言に傷ついたように聞いてくる先生にレイヴンとエアは素っ気なく返す。
「ふぅ……ここまで来れば大丈夫でしょう」
不意にヒフミが立ち止まり、振り返る。
いくつもの路地を進んでは迂回し、先の戦闘を行った場所からはかなり離れており追っ手が来る気配は無い。
「ふむ……ここをかなり危険な場所って認識してるんだね」
「えっ? と、同然です。連邦生徒会の手が及ばない場所ですから。
ブラックマーケットだけでも、学園数個分の規模に匹敵しますし、決して無視はできないかと……
それに、様々な「企業」が、この場所で違法な事柄を巡って利権争いをしてるとワタリちゃんからは聞いてますし。
それに、先程言ったようにここには専用の治安機関に金融機関もあるほどですから……」
ヒフミの説明にセリカが驚愕の声を漏らす。
「銀行や警察があるってこと……!?
そ、それって勿論認可されてない違法な団体よね!?」
「は、はい。その通りです」
「裏の世界でも守るべきルールや秩序ってのはあるものだよ。
…………寧ろ、裏の世界の方が表の世界よりも厳しいかもね。
自由を求めて裏の世界に踏み込んで結局は元いた場所以上に雁字搦めの不自由になるなんて、在り来りな話だよ。
そして、そこから抜け出すのは本当に大変なのさ。まぁ、最初からそんな闇の中にいたら関係ないけど」
皮肉げにシロナが笑いながら言うその言葉には知識だけ知ってるとは説明がつかないほどの含みが感じられたが、それを指摘する者は居なかった。
「スケールが桁違いですね……」
「はい、中でも治安機関……マーケットガードはとにかく避けるのが1番です。
騒ぎを起こした場合は、身を潜めるべきです」
「ふ〜ん、ヒフミちゃん、ここのこと意外と詳しいんだね〜」
「えっ? そ、そうですか? ワタリちゃんに言われた通りに危険な場所はきちんと事前調査に準備、逃走経路の把握をするように言われたので、しっかりしただけなんですが……」
「ん、あとは変装してたら完璧」
「あ、あうう……今度はそうしますぅ」
そんなヒフミの様子を見てホシノはなにか思いついたように頷いた。
「よし決めたー」
「?」
「助けてあげたお礼に、私たちの捜し物が手に入るまで一緒に行動してもらうね〜」
「え? ええ!?」
「わぁ☆いいアイデアですね!」
「なるほど、誘拐だね」
「はいっ!?」
ヒフミがレイヴンに向けて助けを求めるように視線を向ける。
「言葉のあやってやつだと思う。ヒフミって制服だから今別れると、さっきみたいに追いかけ回されることになる。
だから、一旦私たちと行動しようってこと。ついでに案内もしてもらうって感じで」
「そうよ、まぁ、ヒフミさんが良ければ……っていう話だけど」
と、言われヒフミは悩んだ素振りを見せるが身の安全を考えてゆっくりと頷く。
「あ、あうう……私なんかでお役に立てるか分かりませんが……
アビドスの皆さんにはお世話になりましたし、喜んで引き受けます」
「よーし、じゃあ、ちょっとの間だけ同行頼むね〜」
こうして、ヒフミが仲間に加わる。
「ねぇねぇ、それにボクらも一緒でもいい?」
「うん? 別に構わないけど……なんかそっちにメリットってあるのかな?」
「んー、ぶっちゃけ無いね! 単純に面白そうだから!」
「え"っ"!? やめましょーよシロちゃん! さっさとこんなところから帰った方がいいですよー!!!」
コユキがシロナの肩を掴んでガクガクと激しく揺さぶるが、頭が結構な勢いで揺れているのにシロナは笑みを崩さずに彼女へと答えた。
「んー、別にユキちゃんだけこのまま帰ってもいいけど待ってるのはめちゃくちゃ怒ってるユウカとノアのお説教だよ?
ここでシャーレの先生に協力しましたーっていう大義名分があれば反省部屋にぶち込まれるくらいに済むと思うけど?」
「それだとどの道怒られてるじゃないですか!!」
「あはははは! どの道ユキちゃん1人でここから抜け出すの危ないから諦めたほうがいいんじゃないかなー?」
「うわーん! ここに来ようって言ったのシロちゃんじゃないですか!」
「あははは、そうだっけ?」
頭を抱えるコユキにシロナは心底楽しそうに笑いながら対策委員会の面々を見やって言う。
「ま、というわけで宜しくね、みんな☆」
「ふむ……奴らに送ったデータは正確だったのだが?」
豪奢な空間で大柄なアンドロイドの体を持つ男は通話を終えた受話器を見ながら呟く。
男はカイザーグループの一角を担うカイザーPMCの理事だ。そして、アビドスに度重なるハラスメントを不良たちに行わせ、便利屋を雇い襲撃をかけた1連の騒動の首魁の1人でもあった。
現在PMC理事は顎へ手を当てて先の計算のズレを悩ませていた。
「計算ミスか? いや、しかし……あの力は明らかに」
これまで使い捨ての連中たちから集めた戦闘データから便利屋を使えば完璧に始末することが出来たはずだ。けれど、失敗した。ならば変数がいるということだ。
そして、そんな思考を中断させる声が響く。
「お困りのようですね」
黒いスーツを纏う異形の存在が虚空からその部屋へと現れ、理事へと話しかけた。
理事は一瞬だけ嫌悪を滲ませたが、すぐにそれを霧散させて返答する。
「いや、困ってはいない。ただ、計算にエラーが生じただけだ。
アビドスの連中が、データより遥かに強かっただけのこと」
「ふむ……データに不備はありません」
「どういうことだ?」
「これは単に、アビドスの生徒がさらに強くなった……と解釈すべきかと」
「それは一体……」
「アビドスにどのような変化要因があったのか、確認してみましょう。
……では、失礼いたします」
異形は理事にそれだけ伝えると部屋の陰へと消えていく。完全に気配が消えてなくなると、理事は椅子へと座り忌々しげに呟いた。
「……気色の悪いヤツめ」
続きません。
次回は覆面水着団+レイヴン、首輪付きとオマケに白兎とかいう頭のイカれたメンバーが銀行強盗するおな話です。お楽しみにー。銀行は泣いていい。
( ゚∀゚)o彡゚アイムシンカ-!
と思った方は感想高評価お願いします。