ボーダー宿儺は帰りたい(第二部だけ完)   作:かりん2022

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トリガーを広めるぞ6

「とにかく大会は中止ね」

「それはダメ。宿儺との約束だから、雨が降ろうが槍が降ろうが地震が起きようが、大会を毎年開催するのは義務で縛りなんだ」

【当然だな】 

「後、宿儺が全種目優勝したら縛りが外れるからこれも駄目」

「ちょっと待って。むしろ宿儺、毎年やって全種目優勝出来てないの?」

【まだ2年だ、3回目は優勝してやるわ】

【本当に俺か? 負け犬の遠吠えにしか聞こえん】

「その3回目の今回は俺ら以外初心者なわけだけど」

【煩い殴るぞ】

 

 小さいマスコットが虎杖の肩に出現して、攻撃してくる。

 

「いった! もう殴ってるじゃん! 俺何も言ってねーし!」

 

 呪術師の虎杖のみが被弾して抗議する。

 

【問題ない。そもそも俺はまだ初心者だ】

「よっぽどハマったんだね? それ、今回だけ例外処理してまた改めて縛り結ぶわけにはいかない?」

 

 実際、そうしてくれるのが一番楽だ。

 

【いくか馬鹿者】

「でも、お友達が死んじゃうかもよ?」

「ボーダーは死ぬものだから、別に。自己責任でしょ」

「は? 自己責任? 何だよ、それ」

 

 呪術師虎杖に睨まれ、ボーダー虎杖は軽く命の危険はあるって衆知してると告げる。

 

【ボーダー共の死生観は本当に特殊よな。好奇心はボーダーを殺すというか、火に引き寄せられる蟲というか……。まあ、嫌いな生き方ではないが】

「呪術師は仕事で戦って死んでくけどさ。俺らの場合、趣味でやってるから、全部納得済みなんだよ。例えその結果、死んだとしても」

「待ってその辺詳しく聞きたい。ボランティアで呪霊退治とか勝手にして死んだりしてるわけ? 嘘でしょ? 呪術師の仕事の存在知ってて?」

「ボランティアじゃねーよ。趣味。楽しく戦えなそうな奴ならスルーするし、早いもん勝ちだし」

「何それ」

「じゃあ俺、仕事の合間に大会の変更事項伝えないとだから、忙しくて。また渋谷で」

「ちょっと待ってってば。仕事の合間にってなにさ。してる場合なの?」

「仕事はちゃんとしないとだろ。入ったばかりで何日も有給とれねーし」

「そうだけどさぁ。転職しよう? 転職しよう! 呪術師だとお金手に入るよ?」

「生きていけるだけあれば別に。あと、好きな事を仕事にしたくない。人から押し付けられた呪霊退治じゃ、自業自得で自己責任で好きでやったことって笑って死ねねーだろ」

「嘘でしょ、かつてない返答が来たね……」

 

 虎杖は、戸惑ったように言う。

 

「それがお前にとっての正しい死、なのか?」

「本人の納得が一番大事だとは思うよ」

【一理ある考え方だな】

「そっか」

「悠仁、お願い説得されないで」

 

 五条先生は納得する悠仁と宿儺にやや焦る。

 

「こっちはこっちで好き勝手やるよ。人の邪魔はしないけど、俺らの邪魔もさせない。情報ありがとな」

「わかった。じゃあ、逆に真依とメカ丸と順平を預ける! それで丈夫なトリガー作ったりトリオン練習したりしてよ」

「? それは、助かるけど」

「あと、大会申し込みしとくね、何かあったら声かけてよ。後、試合風景のデータとかもらっていいかな」

「あ、ありがとう。そうだな。俺の携帯に入ってる試合データ送るくらいなら良いぜ」

 

 そんなこんなで、交渉は終わったのだった。

 

「ということで、忙しい中悪いけど、呪詛師退治のすぐ後か最中にサバゲー入るから申し込みしとくね。後、真依とメカ丸と順平は責任持って説得してね」

「マジかよサバゲーやってる場合かよ」

「縛りらしいからしょーがない」

「宿儺もよく飲んだけど、ボーダーの方もよく飲んだわね」

「宿儺にそれ飲ませたの真依だから。一種目でも勝てばいいから。とりあえず、試合風景の動画送るね」

「は?」

「なんでも、宿儺に呪力が大きいだけで威張ってる木偶の坊、戦闘センスなら絶対負けない、故にトリオン勝負でなら絶対負けない、違うっていうならトリオン勝負で勝ってみろ、って煽ったらしいよ?」

【殺してやりたい】

「私じゃないわよ!」

「向こうの真依、性格全然違うみたいね。ほらこれ動画」

 

 そこには、異形が写っていた。

 

『顔はいらない、目だけあればいい。足はより安定する三本が都合がいい。でも可愛さも追加したいから、羽はつける。私は、トリガーを使った時だけ、理想のヒーローになれる……!』

「どう見ても呪霊ですが」

 

 異形を見て伏黒がいう。

 直哉も呪霊っぽくなったり、あまつさえバイクになってたり、それに真依がライドオンしたり、音速で走ったり、もうメチャクチャである。

 

 ついでに撮った動画の中には、伏黒を無事乗っ取り、トリオン量が少ないとダメ出しして自らの指を食いちぎり、虎杖に無理やり食わせて虎杖の元に帰還する宿儺も写っていた。

 

「わー。すごい好き勝手やってる。あ、恵。悠仁の指食べちゃダメだよ」

「食べません!」

 

 そして申し込みをする。

 しばらくして、トリガーと大会要項、マニュアルが郵送されてきた。

 

『大会競技内容1:渋谷で呪霊を狩ろう! トリガーをオンにした状態で呪霊を狩るとカウントされるのでその数を競う競技。領域展開されると負け確なので、人型以外の呪霊を狙おう!』

「イカれてる。え、これ本気? マジで言ってる?」

「こんなの無駄に死ねって言ってるようなものじゃない」

「殴って良いと思います。殴りに行きましょう」

「伏黒、俺を殴らないで!? 俺カンケーねーから!」

 

 そして、渋谷のボーダー大会は幕を開けた。




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