【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】   作:null cedar

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#7【ソラシド】

youtube:https://www.youtube.com/watch?v=m6mrL5I8dEY

ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm42809928

 

ゴニョニョのひそひそちゃんが仲間になった。

野生で出てきた時はポチ君が相手をしていたけど耳が良いせいか、騒ぎ声が耳を貫くみたいだ。

しばらくは耳が遠くなっていた。死ぬかと思ったとは言っていたけど、流石に声で死にはしないだろうって笑い飛ばしてあげたら怒られたよ。どうやら本当に重症だったみたいだ。

 

そういえば、ゆるすぎ君がポケナビって便利グッズをもらっていた。

地図が表示できたり、お互いに番号を登録すれば遠く離れた人ともお喋りができるみたいだ。一体どういう仕組なんだろう。

たまたま街で出会った、ゆるすぎ君の知り合いのハルカさんって人が番号交換しようって誘っていたら急にリンリンさんがボールから飛び出てゆるすぎ君のジャケットの端を引っ張っていた。急にどうしたんだろうと思ってたけど、その様子を見てココ姉ぇは手を叩いて笑っていた。

ゆるすぎ君は慌ててリンリンさんをボールに戻して腰のボールホルダーに装着し直した。

移動中はだいたい俺たちの入ったボールは腰のホルダーに付けられる。

自転車に乗る時や動きが激しくなる時はリュックに入れられたりもするけれど、俺は腰のホルダーの方が好きだ。ボールから眺める景色が好きだから。腰のホルダーだとお互いの距離が近くて会話もしやすいのが良い。今だってココ姉ぇの声が聞こえてくる。

「リンリンさぁ~心配しなくても大丈夫だって。あの人間の女はゆるくんの事友達程度にしか思ってないって」

「そ、そんなの分からないじゃないですか。いやそもそも別にそういうのじゃなくて、その……新しい機械だから安易にそういう個人の情報を流出しないほうが良いというか……。」

え?ん?どういうことなんだろう。

二人の会話の意味がよくわからない。

けど、そんな会話をしている間に、ゆるすぎ君とハルカさんが腕試しをすることになったみたい。

 

 

相手の先方のハスボーは俺がかっこよく仕留めてやった。

でも、ハルカさんは全く驚いた様子もなく、むしろ感心したかのように次のポケモンを繰り出してきた。

見たことないポケモンだった。形としては俺たちのような鳥の仲間なのだろう。その体毛は赤く熱い熱を帯びているようで、周りの空気がもやもやと揺らめく陽炎現象を見せる。間違いなく炎ポケモンであることを感じさせる。

「また俺の出番か。ハルカはいつでも俺頼みだな。ふっ、まぁ良い。このアチャモ、お前のために彼奴等を蹴散らしてやろう」

なんだ、このスカした野郎は?続けてぶっ飛ばしてやろうか、と息巻いていたが俺は下げられココ姉ぇが投げられた。

ココ姉ぇは戦場にでるなり、官能的なポーズを取り初めた。その扇状的なポーズは百合の花のように甘く誘惑する毒婦を思わせる。こちらからは見えないがその瞳は恐らく相手のアチャモに向け釘付けにしているだろう。

……って戦場ですよ、ココ姉ぇ?

半ば呆れていたが、相手のアチャモが動かない。え?何こいつもしかしてあれだけかっこいい前口上を口にしといて骨抜きにされてんの?

攻撃ができないほどメロメロになっている隙に、甘い鳴き声や官能的なしっぽの動きでアチャモはどんどんとその戦闘力を削られていった。時折ハルカに強く叱られ我に返り、火の粉を浴びせかけていたが、攻撃の直後にココ姉ぇに「ごめんなさい、熱くなかったですか?」と謝る始末だ。

散々弱体化させられた挙げ句に最後のトドメは俺に譲ってくれるようで、ココ姉ぇの器の大きさには痺れる。

せっかくなのでそのお誘い、ごちそうになります。

「いただくぜ!俺のでんこうせっか!疾風迅雷だ」

上空の相手の視界を外れた位置からの急襲。俺の得意技だ。この技には相手の速度は関係ない。必ず先手を取る事を旨とする奇襲技だ。

「普通の速度勝負でも負けりゃしないけどな!やるなら徹底的にやらせてもらうよ」

上空から相手に接近する時の感覚が好きだ。全身で大気を受けながら両の羽がその大気を切り裂く。空気を滑走路として加速するのを全身で感じる。周りの景色がどんどん後ろへと流れていき自分だけの時がゆっくりと流れていく。相手の体をしっかりと目で捉え、そこ目掛けてクチバシをぶつける。直撃させると命に関わるので相手の戦力を削ぐ程度の位置にしておく。

腑抜けになった敵だけあって、当てるのに苦労はしない。どちらかと言うと注意が散漫になっているので下手に動いて致命傷になるのを危惧しなければならない始末だ。

「ま、それでも外す俺ではないけどね。スカしたテメエは鏡を見るたび今日の負けを思い出してもらうぜ。」

俺のクチバシはアチャモの頬に大きな傷をつけた。突進の衝撃でアチャモは吹っ飛び、二度三度と転がる。もはやそこに戦闘能力どころか意識すらない。誰がどう見ても勝負ありだ。

 

 

ポケモンを回収したハルカがゆるすぎ君と何か会話をしている。

「お?もしかしてゆる君が勝った勢いでそのままデートに誘ってるのかなぁ~?だとしたらどうするリンリン?」

「マスターはそんな人じゃありません!それにマスターだってあの人……ハルカさんの事はお隣さんだから気にかけてるだけで、そういうのじゃない……と思う」

リンリンさんの声はどんどんと小さくなっていく。別に違うと思うならちゃんと喋ればいいのにね。

その声の小ささとは対象的にココ姉ぇは大きな声で笑っている。よくわからないけどからかってるのかな?女の子同士の会話は本当に分からない。

そうだ、今日の勝負のことは後でポチ君に自慢しよっと。

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