【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】   作:null cedar

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#9【ジャック】

youtube:https://www.youtube.com/watch?v=BI7BYZCEZEk

ニコニコ:https://www.nicovideo.jp/watch/sm42831616

 

石の洞窟。その名の通り様々な石があることよりそう名付けられた洞窟の光届かぬ深層。

その漆黒の闇に溶け込むように我は存在する。

 

なーんて、かっこよく決めても結局俺以外居ないんだもんなぁ。

ここももう宝石大分彫り尽くしてるから食べるものも無いし、そろそろ誰か俺を捕まえてくれないかなぁ。

 

ここ最近は、そんな事をぼやきつつ洞窟内を徘徊している。だけど、この洞窟の暗さは人間には厳しいらしくって、ほとんど人間は来ない。たまに来る人間も俺のことを見つけられずに通過するだけだからそもそも出会いがほとんど無いんだよなぁ。せっかくボール投げてくれたら俺の方から入ってやるのに。

せっかく人間の役にたてるように戦闘用の技だって頑張って覚えたんだ。あ~、誰か見つけてくれないかなぁ~。

 

と、思ってたらポケモンを連れた人間がいた。んだけど、俺と同種、つまりヤミラミの雌と対峙している。ここで出るわけには行かないからこっそり岩陰から見ることにした。

あ~、あの人間捕まえるつもりだ。やめてやめて失敗して!そこの雌逃げろ!そうすれば俺がその後颯爽と現れてウキウキさせたところに捕まってあげるから。そしたら人間ってテンション上がるんでしょ。ほら早く早く。

……って、え?

なんで人間の方が逃げてんの!?

 

人間は雌のヤミラミを一時は捕まえるための動きをしていたのに、何故か急に洞窟の奥の方へと走っていった。え?何?どういうこと?

雌のヤミラミも呆気に取られてる。

 

いや、そうだ追わないと。もしかしたら俺だったら捕まえてもらえるかも。

でも……人間って足が速いな。俺の短い足じゃ追いつけない。

 

 

 

幸い人間も何か探しているらしくこの辺りをずっと探索していた。

手持ちのポケモンを総動員してこの辺りを徘徊している。

姿を現したらちょうどいい感じの丘が見えたのでそこから登場することにした。

「フッ…我こそは闇夜の影に舞う漆黒の」

「おいしょうぐん!そっちに居たぞとりあえず泥かけて目ぇ潰しとけ!動きが止まったらアタシがこもりうたで落とす!」

「わかったよココ姉ぇ!それどろかけ」

うわっ、一味のココドラが口上も終わらない足元の泥をかけてくる。

ちょっと待ってよ!うわ目に入った痛い!

「よし、畳み掛ける!洞窟で響くからな。皆眠らないようにしっかり耳塞いどけよ。

I believe the morning sun♪ Alway gonna shine again and I believe a pot of gold」

何この歌、気持ち良い。あぁ駄目だ……意識が……。

 

 

今までに感じたことのない明かりが目を刺激し覚醒した。

洞窟の出口近くに来た時に感じたことがある太陽の光、それを直接受けるとこんなにも眩しいものだと言うのを今日初めて知った。

目を覚ました俺の顔を覗き込む顔があった。緑のおかっぱのような髪?をした洞窟の中では見ないポケモン。

「あ、目が覚めましたか?団長さんが、どうしてもヤミラミの雄が欲しかったみたいですので皆でずっと探してたんですよぉ。あぁそうそう、あなたの名前は今日からジャックさんです。」

いきなりの説明で何のことか一瞬困惑したが、どうやら俺はちゃんと捕獲されたようだ。そしてジャックという名前をつけてもらったようだ。

「へぇ、ジャックか。いいな、かっこいい……じゃなくって!フッ、我が名にふさわしい名前だ。ジャック・ザ・リッパーと同じく我が双腕の刃で汝らの道を示そうぞ。我が主、我を選んだその眼力、称賛に値する。そして我が配下よ」

周りを見ると休憩中なのか主のポケモンたちは皆それぞれの休息法を楽しんでいた。

あれは俺に泥をかけたココドラか。さっきは不意打ちを食らったけどちゃんと勝負すれば多分負けないんだからな!

そして向こうでずっとガールズトークらしきものに勤しんでいるのはゴニョニョとエネコかな。あぁ、あのエネコの歌声にさっきやられちゃったのか。いい歌だったな……お母さんを思い出すような優しい歌。

そして俺を起こしてくれたこの子、髪の隙間からちらりと目が見える。

「よく見るとかわいいな」

思わず口に出してしまった。

「あら、うふふ、お世辞でも嬉しい。私はR・T。よろしくね。」

バッチリ聞かれて居て思わず赤面した。

「ポチさーん。ジャックさん起きましたよぉ。」

そしてもう一匹、主の近くに座っていたポチエナがこちらの方に寄ってきた。

「よぉ新入り、目が覚めたか?ボク…いや、俺の名はポチ。このゆるすぎ率いるチームの一番の古株だ。トレーナーに捕獲されて安全に生きていけると思ってるかもしれないが、俺たちは戦えなくなったらそのまま死ぬからな、気をつけとけよ。」

ヒィ…なにこのポケモン。ポチエナのくせに貫禄ありすぎるんだけど!?

幼体の頃ってもう少し無邪気でも良いでしょ。どれだけの修羅場くぐり抜けたらこうなるのよ!?

もしかして……このチームってそんなにヤバイ所なの?

でもR・Tさんは可愛いし、悪くは無いかな。

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