【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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ミツルという可愛い男の子がゆるすぎ殿に勝負を挑んできた。
会話を聞いてみるとどうやら体が弱いのだろうか?保護者が止めているように見える。
私としてもあまりオススメはしない。このミツル少年が腰につけているボールはどう見ても一つ。たった一匹で私達五匹に勝負を挑むつもりだろうか。かつての私を思い出す……。
その時の私はとにかく自暴自棄になっていた。死んでもいいと思っていた。ただ、自分で死ぬ程の気力もなく、手当たりしだいに喧嘩を売るような性格でもなかった。虚ろな目でフラフラと歩いていたんだろうな。
そんな時に現飼い主であるゆるすぎ
「に見つかった。彼は私を見るなりグラエナを仕向けてきた。
「あなたが、私を、終わらせてくれるの……?」
トレーナーのポケモンだ。きっと戦いにおいてはそこらへんの野良ポケモンより何回りも強いだろう。私たちの種族、ラクライはこの辺りでは珍しくない。捕獲されることも無いだろう。できればここで……
「私を……終わらせて」
「さっきからブツブツと何を言っている。俺は、誰だろうと命を取るつもりは無い。そんなクソ重てぇもんを俺に背負わせようとすんじゃねぇ」
足に貯めた力を一気に開放し私に飛びかかり、噛み付いてくる。
その牙は私の皮膚を切り裂くには十分な鋭さを見せている。だが、それが私を貫く事はなかった。あれほどの牙と筋力があれば私の皮膚に牙を突き立てることはさほど難しいことではないはずなのだが、牙は私の戦力だけを削ぐ程のダメージだけを与えてくる。
恐らく本気だったら一撃で終わっていただろうが、その戦い方は私の戦意だけを挫くためのものなのだろう。幾度も私に後遺症を残させない攻撃をしてきた。
普通に戦うよりもよほど難しい戦い方だ。捕獲を目的とするにしても、一度全力で噛んで即捕獲すればもう少し楽だろう。なのにコイツはそれをしなかった。
後にその事をポチ先輩に聞いてみた。
「どうしてあの時あんなに優しい攻撃をしたのよ?」
「ん?いきなりどうした」
「いやだから……私を捕まえる時もう少し楽な方法もあったじゃない。どうして、私の皮膚に傷一つ付けずにしようとしたの!」
「あぁ、そのことか。お前はあの時戦う気がなかっただろ。そんな奴下手に攻撃して殺しちまったら、寝覚め悪いからな。それに……いや、今はそんなことよりとりあえず戦わないか?」
悠長と話してはいるが私達二匹の前には、ジグザグマとロゼリア。そう、今はポケモンバトルの最中で私は初めてポチ先輩と一緒に戦っている。
それどころか捕獲以降初めて会うのじゃないだろうか。だから、今まで考えていたことを聞いてしまっていた。とはいえ確かに今は戦う時だ。
「そうね。とりあえずやっちゃいましょうか!」
そういえば、あの時のセリフの続き、なんて言おうとしたんだろう。
ん……だけど今はそんな事を言っても栓がない。とりあえず今は、ポチ先輩を応援してやろう。
相手の繰り出したのはラルトス。ウチのR・Tとは違って雄のようだ。
なかなかに可愛い顔してるけど、まぁ私の好みじゃない。私はもっとワイルドな方が好みかな。
「僕は……ミツルの為に戦う……」
「小僧、その気持は買ってやる。だがな!」
即座に放たれたポチ先輩の一撃はラルトスを戦闘不能にするのには十分な威力だった。
あれが本来のポチ先輩の強さ……?どれだけ手加減されてたのよ私。
「気持ちだけでは駄目だ。強くなれ小僧」
私にはさんざん手加減したのに、今回は一撃。なんなのよもう!私ってそんなに弱そうに見えたの!?
いや、あの時の私はそっか……弱く見えたんだろうな。
そっか、アイツは倒すためでなく生かすために牙を振るってるのか。
かっこいいとこあるじゃん。
ラルトスあんた……強くなりなよ。私も、強くなるから。絶対。