【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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まえだ、たしろ、おむすびをえんとつ山の麓に墓を作って葬ってやった。
マグマ団、大地を増やすことで大地に住むヤツを増やすという思想の集団らしい。
大地が増やす事で人とポケモンを活発にし発展を目指すという御大層な名目だが
「関係ねぇ」
歯をぎりぎりと食いしばる。
「あぁ、アイツラの大義なんて関係ないね」
横には埋葬に付き合ってくれたココ姉ぇが居た。
「どれだけ崇高な目的があったとしても罪なきものに牙をかけた、アタシらにツバを吐いた。だったらこれはもう戦争さ。どんな理想もおべんちゃらさ」
「俺も……俺も同じ考えだ姉さん。まえだも、たしろもおむすびも、俺の家族だった。それを奪ったアイツラは……敵だ」
そう、特にアイツラの大将のバクーダ。アイツは二人も持って行きやがった。
弱いから負けたんだと冷静に自分に言い聞かせようとしたけど、駄目だった。
俺は目の前のバクーダに、ただ憎しみのまま牙を立てていた。ただただ原始的に噛み付いていた。
自分でも意外だった。新参だった俺がアイツラのことを家族だと思ってたんだ。
それが殺され逆上した。そこで現れた感情は俺の人生には一度も顔を出したことのない感情だった。
感情のまま作戦もなにも無く噛み付いた牙はアイツには届かなかった。
アーティスとの実質的な2対1だったからなんとかなったが、俺だけでは……今は認めるしかない。勝てない。俺はまだまだ弱い。
ゆるすぎがアイツラの持っていた隕石を回収してくれたのは助かる。
あれを見る度に俺はあの時の気持を何度も思い出せる。
俺の牙を研ぐ為に、俺の気持ちを萎えさせない為に。
マグマ団もアクア団も関係ない。アイツラの理想なんか知らねぇ。
アイツラは俺達に喧嘩を売った。俺達は買った。
だから俺は徹底的にやる。
しょうぐんが墓に花を供えていた。あのポケモンはあからさまに他のポケモンとの距離をおいていた。
てっきり付き合いが悪いだけかと思ったが……どうやらそうでもないらしい。
花の名前は菊という花らしい。わざわざ探して来たのか、まえだの墓には白、たしろには黄色、おむすびには赤色をそれぞれ供えてやった。それぞれに意味があって供えているのだろう。それだけアイツラをしっかり見ていたってことだ。
「そっけない態度とってもアンタは結局……仲間を愛さずには居られないんだろ?もういい加減素直になりなよ」
姉さんの声は優しい。あの二人の付き合いはもう長いようで色々と俺が立ち入れない事情があるんだろう。
「結局そっけない態度とってもさ、今こうしてアンタの心の傷は結局前と同じほど、いや……後悔の分前よりも深いんじゃないのかい?」
「そうかも……しれません。けど、僕が仲良くしなければ彼らの心残りは一つ減るじゃないですか……」
自分に言い聞かせるように言い、歯を食いしばりながらしょうぐんは去っていった。
「しょうぐんさんのバカ、私は仲良くしたいのに」
その場に居たアーティスの囁きは火山に吹く風に流されていった。