【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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ジムリーダーアダン。どうやら、最後のジムリーダーらしい。
こいつをぶっ倒せばチャンピオンへの未知が開ける。
そして水タイプのコイツラに対して俺は草タイプ。
ポカチョウが倒れた今、俺がやらなきゃいけねぇのは……そりゃ当然だよな。
俺達の右腕が駄目になったんだ。他の器官がない部分の働きをするのは生き物として当然だ。
秘伝技を駆使してパーティを支えるのも好きだったけどよ、こうして前線に立って戦うってのも悪くねぇよなぁ。
「なぁラブカスさんよ」
対峙したハート型の魚のポケモン、ラブカスに呟きかける。
もちろん聞こえない声量で。
声は届かないが、一緒に放ったマジカルリーフはラブカスを襲う。
ラブカスが同時に放ったのはみずのはどう。
ダメージ自体は大した事は無かったのだが脳が揺れた。
なるほど……俺自体は水による直接ダメージは無いが、あの技の波動、つまり共振周波数が脳の硬膜、くも膜、軟膜辺りに振動を起こさせて脳を揺らしたのか。
その振動がどんどんと大きくなっていくのが感じられる。
攻撃の対象が分からなくなる。俺は……何を攻撃すりゃ良いんだ?
あんな小さいやつを攻撃して良いのか?
攻撃するとしたら強いやつを攻撃しないといけねぇよな。だったら俺自身か。
そりゃでかいもんな。
俺は俺の爪と牙で自分自身を傷つける。
痛ぇ。そりゃそうか。俺だもんな。
俺に倒されたやつはいつもこんな痛い思いしてたのか。そりゃ……悪かったな。
「ったくなにしてんだよ、スムージーの旦那」
どうやら、俺の脳の海馬が振動して視神経辺りに変な信号を出してるようだ。
俺の視界にかつての仲間、メガロニアが映る。
「おいおいメガロニア君、何しに出てきたんだよ」
「そりゃあおめぇ、敵を相手に自傷してるバカを怒りにだな」
「だってよ……あいつは俺より弱いだろ。可愛そうじゃねぇか」
それを聞いた瞬間、メガロニアは、俺の記憶の中のメガロニアの記憶は大きく叫んだ。
「ッッバッカヤロウ!何呆けたこと言ってんだ。どんだけ小さくても強ぇやつはいる。何よりも弱い相手にいきなり自傷かまして相手のプライドへし折ってどうする。正面からぶつかってやるのが礼儀だろうが」
ふふ……でもさ、自傷サせるのは相手の作戦だから相手は自傷してほしいんじゃないか?
それでも、そんな混乱の記憶の中でも、メガロニアはメガロニアだったことが嬉しい。
そっか、皆一生懸命生きて自分を貫いたんだ。その結果が死であっても何も怖くはないしやりきったってだけだ。
ま、もっとも死ぬつもりは無いけどな。
次のマジカルリーフのターゲットは間違いない。あいつだ。
「とどめだよ、おしまいだラブカス」
俺の放つマジカルリーフはラブカスを捉え体を切り刻む。
ったく一体目から随分な搦手を使ってくれる。
随分骨が折れそうな相手だぜ。
その後も一進一退、だが相手は水ポケモン。俺のマジカルリーフは適所で相手への有効だとなった。
そして出てくるキングドラ。タッツー、シードラの進化系となるポケモンで海に住みながらドラゴンの性質を持っているらしい。
つまりメイン火力となる技は水技とドラゴン技ってことか?
相手の口元に水が集まってくる、どうやら水鉄砲の系列の技なのだろう。
だが、そのキングドラの元に吸われた水は更に「熱」だけを吸われ、その水は氷へと変化していく。
十分な熱量を失った氷はそのままその付近の水を凍らせ始めていく。
その先端の氷を吹き付けてくる。
氷の塊を俺に飛んできて、その氷の尻尾にはまだ半分水の氷が先頭の氷を追従する。
その技は氷でありながらまるで流動的なビームのように俺を襲う。
「水ならなんとなかなるんだが……氷かよ……クソ」
よりによって一番苦手な氷技で生涯を閉じるか。
まぁ、最後なんてそんなあっけないもんか……。