【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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「そうかい、ピカチュウのやつは逝っちまったか」
サファリゾーンで捕獲され、ポケセンに転送された時にまさか同郷のキリンリキ……ここではミスターだったか?に出会うとはね。
「あぁ、俺は正直トレーナーってやつに捕獲してもらったら悠々自適に暮らしていけると思ってたんだけど……どうやらこのトレーナーだとそうはいかないみてぇなんだよ」
ミスターの言う通り、大抵のトレーナーは傷ついたポケモンをポケセンで回復することができるから大自然で生きるよりよほど楽になるってのが一般的な常識だ。
だが、何にだって例外はある。回復できないやつだっている。
それが金銭面なのか宗教面なのか、理由は色々あるのだろうけど、結果として私達はチャンスは一度切りってわけらしい。
「あいつは……ピカチュウは、ここではポカチョウか?あんたのとして責任を感じてたのかね?本来のあいつは臆病者だからそんな戦闘に向いたやつではないだろうに」
「あぁ……甘い俺の考えでは生きていけないって思ってくれてたんだろうな。あいつは、自分の技を積極的にアピールして自分が戦闘に向いているってアピールしていました。自分が戦闘の枠を一つ埋めれば俺が前線に出る可能性が一つなくなると思ってくれていたんだろう……」
「それで、アクア団とかいうふざけた奴らにやられた……ってわけかい。ったくバカな……いや、立派な……やつだよ」
「あぁ……俺みたいなのにはもったいないくらい立派な……上司でした。聞いた話では本当に紙一重の戦いで、石をケチらず使って進化さえしていれば勝てたと。それでも文句の一つも言わずに散っていったらしい」
為すべきことを為して誉れ高い死を享受した、ってわけかい。
でもさ、それはちょっと違うだろ。生きていないと……。どんなに惨めで哀れでも生きていないと私達残されたものには辛いもんだよ。
聞いた話だと、アクア団も、それの高層相手のマグマ団も既に敵討ちができなくなっているらしい。それはそれで悔しいが、それでも次の目標自体はあるようだ。
チャンピオン、とか言うのになるためにポケモンリーグという最高峰の戦いに挑むらしい。
きっとあいつが生きていたらそのメンバーに選出されていただろう。だとすればその意志を継ぐのは私だ。私はなんとかメンバーになりたい。なって、そのチャンピオンってのになってあいつの墓前に報告に行きたい。
そのためにしばらく生きるってのも悪くないね。
もとより私はあいつと違って戦うの好きだしな。待ってろよピカチュウ。慣れないね、ポカチョウか?あんたに勝利報告、してやるからな。