【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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少女は早急な生まれ変わりを望んだ。
戦闘で命を落としたポケモンはその恐怖故かしばらくは命のやり取りのない死後の世界を楽しむのが普通である。
だが、少女は生まれ変わりを望んだ。
生まれ変わりで望んだことは2つ。
生前特に悪行を行っていないためある程度の願望であれば聞き入れてもらえる。
彼女が望んだことは、1つは鱗があるポケモンへの転生。
1つは前世の記憶を残すこと。
前者は鱗を持つポケモンが多いことからすんなりと聞き入れられた。
後者はポケモンの種類によっては世界のバランスを壊しかねないが、生まれ変わり先は鱗さえあれば弱くても、性別すらどちらでも構わないということなので聞き入れられた。そう、記憶を残す理由は彼女の恋心故であるはずなので性別のファクターは重要なはずだった。しかしそれでも、それすらを捨ててでも彼女は記憶を取った。
そうして彼女は決して強くない、鱗のあるポケモンへの転生を果たした。
そしてゆるすぎがチャンピオンロードを登る数週間前。
彼女はポケモントレーナーに捕獲されることとなる。
そのトレーナーは彼女の美しさを見抜いた。
外見ではなく、その心。キレイなキレイな、曇りなき心を。
純粋な心は無限のエネルギーとなることをそのトレーナーは知っていた。
彼女の願いとトレーナーの願いは共通していた。
強くなること。
強さを求めるポケモントレーナーは数多。だがその数多のトレーナーは一つの場所に集約される。
それがチャンピオンロード、そしてその先。
そここそが全てのトレーナーが目指す場所。
そして彼女も同じく目指していた。そこでならきっと出会えるその人と出会うために。
だからトレーナーは努力した。最強を目指すために。
だから彼女は努力した。彼の物語の行く末を見るために。
彼女の心の美しさを見抜いたトレーナーは彼女の素質を伸ばす育成をした。
彼女はその才覚を伸ばし、またたく間にそのトレーナーの切り札となるほどに成長した。
彼女は本当はゆるすぎに見つけてほしかったのだろう。
しかし、トレーナーの数は星の数ほどもいる。だから彼女は誰に捕まえられたとしても彼をまた再び見ることができる場所を望んだ。
彼女が望んだことは、ゆるすぎの隣。でもそれが叶わないのであれば、それでも最も近い場所を。
それが叶うのであれば彼女は他はどうなっても良かった。だから彼女は……。