【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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トウカの森を抜けカナズミシティに到着した一行。
ゆるすぎのポケモンはホテルの1室でくつろいでいた。
「いやぁ、やっぱり野宿じゃないと夜襲を警戒しなくていいので気楽ですね」
普段のポケモンバトルであれば戦闘でトレーナーが的確に攻撃を指示してくれるのでよほどのことが無い限りはポケモンが致命傷を負うことは無い。逆に言えば、トレーナーの指示がない状態での戦闘は完全に野生状態のそれであり、純粋な命のやり取りである。
「そうねぇ、いくら火を炊いてるとは言え急に襲われたらひとたまりもないしね。ゆるちゃんは寝たら少々のことじゃ起きないし、今はかくしごちゃんがマユルドになっちゃったから人手もなり無いしね」
ひよりさんの言うように、先日ケムッソの隠し子はレベルが上がりマユルドに進化した。羽化までの一時はほとんど動くことはできないし声もほとんど発せない。
他の三匹にとってはゆるすぎに加え守るべき対象が増えている状況である。
「それにしてもトウカの森は色々あったわね。どこぞの悪の組織みたいなのに襲われてる人を助けたり、プラスパワーを拾ったりきずぐすり拾ったりアレ拾ったりコレ拾ったり」
「あなたって本当に色々拾うわね……。でもあのアクア団っていうのに襲われてた人のポケットからスーパーボールをこっそり取ってなかった?あまり他の人の迷惑になるようなことしちゃ駄目よ。マスターの品位も疑われてしまうわ」
「品位ねぇ~。サン・トウカの店員を口説こうとするゆるちゃんに品位ねぇ~」
その話題に触れた途端リンリンの目がやや細くなる。
「そうですよね、木の実のことよりもお姉さんのことしりたいですよね。ってボク達に話しかけてくるより随分甘い声だったよね。」
「あれは……マスターちょっとどうかと思う。」
リンリンは不満げに頬に少し空気を入れ膨らませることでなんとか悪い言葉が出ようとするのをこらえている。
「まぁまぁ、でもあの後はちゃんと店員さんの説明を聞いて木の実を育てられるようになったじゃないですか」
「そうねぇ、ゆるちゃんが木の実をバンバン育ててくれればワタシがこそこそと拾ったりしてこなくても良くなるから楽になるんだけどな。あ~でも、ゆるちゃんが育てるのはポケモンバトルに役立たせるためか。だったら結局おやつようにこっそりと拾ってくるのはやめられないわね、あっはっは~。」
話題が食べ物の話に移ってる中、一人でまだサン・トウカの店員のやり取りの事についてリンリンはその思いを巡らせていた。
その心中は複雑であり、リンリン自身今の感情を言語化できないもどかしさに苦しんでいた。今までの生活の中では決して存在しなかった感情。人間はその感情を嫉妬と呼ぶだろう。