【ポケモンエメラルド】失ったポケモンは二度と戻らない。【ポケモン視点】 作:null cedar
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あれからしばらく経ったけれども、今でもジグザグマやイシツブテと戦う時にはあの時の事を思い出す。
きっとこれからも先、ずっと思い出すんだろうな。
それは私が背負った事なんだからずっと背負わせてもらうよ。
命なんて、あんなにも簡単に消えてしまう軽いもの。なのに、こんなにも重たい。
マスターも、きっと少し引き摺ってる。
野宿の時の深夜、私はたまたま目が覚めたらマスターの声が聞こえたっけ。
「うっ」と嗚咽を漏らすような声を出していた。きっと皆のことを思い出して泣いているのだろう。朝起きたらティッシュの枚数が少し減っていたりする。恐らく涙をふいてこっそり捨てているのだろう。私達の前では平然といつもの姿を見せる為に。
マスターはそんな優しい所がある。だから私はマスターのことが……。
そういえば、仲間が増えた。
一匹目はスバメのソラシド。
「俺のスピードについて来れるかい?」
とスピード自慢の彼だが、確かにその速さは眼を見張るものがある。私もスピードを活かした戦いを旨としているが、それよりも一回り速い。
彼の動きはその翼で空を切ることにより加速しているようだ。あの動きは参考になる。私もあの動きを参考にすればより高みに行ける気がする。
私はもっと強くならないと、もう失わない為に。
二匹目はツチニンのサスケ。
こんな名前だけど女の子なんだよね。彼女的には、
「忍びたるもの相手を欺くために男みたいな名前もアリかな、とは思うでござる……。それにくノ一だからってカスミやアサギだと変な目で見られるかもしれないでござるし……。」
との事。その語尾はキャラ付けで言ってるのだろうか。それとも、忍者って皆こうなのだろうか。
三匹目はエネコのココ。
ちょっと姉御肌な感じの図太さがある。私達のムードメーカーになってくれるかなとは思う。
なんでもズバズバ言ってくる彼女だが嫌味があるわけでもなく、むしろ雄には人気があるようでソラシドやポチはよくメロメロになっている。
雄はあんな雌が好きなんだろうか。マスターもああいう子が好きなのかな。
それと、それより少し前に仲間になったカラサリスのいみごは兄弟分のかくしごが亡くなってからピタリと動かなくなった。
心のどこかで通じ合っていたのだろうか。
もしかしたらまた動き出すかもしれないからと言うことでしばらくはポケセンに預かってもらっている。
これからしばらくは、私、ポチ、ソラシド、サスケ、ココで行くみたいだ。
しばらく皆で修行した後に腕試しということで、お金持ちの二人組とポケモンバトルをすることになった。
マスターは私のバディとしてソラシドやサスケを選出してくれた。
彼らはそれなりに戦えるとはいえ、人の指示の下で戦うのはまだまだ初心者だ。私が、お姉ちゃんとして、先輩としてお手本を見せないと。
お相手の手持ちはそれぞれ二匹ずつ。
先方をいなし、二匹目はジブザグマとポチエナのペア。まるで昔の私達みたいなパーティだ。
ひよりさん、もしかしたらポチと並んで戦っていた未来もあったのかな?
(さぁリンリン、いつまでも言ってないで私を超えていきな!)
声が、聞こえた気がした。
そうだよね、ひよりさん。私は進むよ。でもあなたを置いて行ったりはしない。私はあなた達を背負っていくよ。
「さぁ行こう!ソラシドさん!あなたの動きを参考にさせてもらうよ」
腕は相手の前の空を切る動きをイメージする。私の動きに呼応するかのように腕からは風切り羽を思わせる葉が生える。
「そしてひよりさん!あなたの稲妻を思わせる軌道の体当たり、私の憧れだった。私の体ではとても無理、だから私はこの両手で稲妻を再現するよ。行こう私とあなたの技だよ!」
私の右手の葉は相手の体を捉え斬りつける。左に捻った体をそのまま逆に捻り今度は左の手が空を切り相手の体を捉える。
二撃目の手応えは一撃目を上回るのを感じる。
相手はこの二発で倒れたが、同じ要領でこの動きを繰り返せばまだまだ加速し続けることができるだろう。
「れんぞくぎり、ってところかな」
戦闘に勝つことができたが、サスケはまだ目を見開いている。
「リンリン殿、あの……」
「あぁ、この技は今思いついたっていうか」
「いや、そうではなく体がその、進化しているでござるよ」
そう言われて気づいた。今の技に体が反応したのだろうか。
私の四肢はキモリの頃より伸び、背びれが伸びていた。
このフォルムは、博士の持っていた本で見たことがある。確かジュプトル。でも見た目なんかどうでも良い。私はどれだけ進化してもリンリンなのだから。
「そうでしょ、マスター?」
マスターには私の声は進化時の鳴き声にしか聞こえない。
けれども、マスターは喜んでくれている。
私の新しい体そんなに良いのかな?気に入ってくれたら、嬉しい。
この新しい力で皆を守ってあげるからね。