原作知識を駆使してシロナさんを釣ろうとする前に全然違うヤツが釣れる話   作:鹿頭

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十五話

 

 

「初めまして。わたしの名前はナナカマドという」

 

「初めまして博士」

 

 現在、なにやら公権力を盾にされつつマサゴタウンにあるナナカマド博士の研究所に来ていた。

 

「旅の途中、無理を言って来てもらって申し訳ない。ああ、どうぞ椅子にかけてくれ。コウキくんも」

 

「はい」

 

「国際警察から今回確認された神話のポケモン、ギラティナの記述があるポケモン図鑑は存在するのか?と問い合わせがあったのでね。遂に来たかと思ってしまったよ!」

 

「その割には、随分と強引だった気がしますが」

 

「うん? ああ! もしかしたら国際警察ときみたちの間に何か誤解があったのかもしれない! だとしたら、きっとわたしの説明不足だろうね。申し訳なかった!」

 

 絶対わざとだろこのジジイ!!!

 騙されんぞ!!!!

『任意ですよね?』

『ええ、まぁ、そうなんですが……』

『指名手配解除されてますよね?関係ありませんよねギンガ団の件と』

『ええ、そうなんですが…』

 

 なーんか変だと思ったらこれだよ!

 どうしようね!

 

「おっと、いかんいかん。今飲み物を取ってこよう。モーモーミルクでいいかね?」

 

「ああ、いえ。水で結構です」

 

「そうかね? なら《おいしいみず》を出そう」

 そういうとウキウキと席を立つナナカマド博士。

 やべぇ、マジでどうしよう。

 コウキくんは心配そうな顔してるし……

 うん、もしかしてなにか盛大な勘違いが起きているのではないか?

 

 いやでも! ラベン博士に頼りっぱなしだったのは事実だから勘違いさせたというべきか。

 嘘ついてたというべきか。

 

 今からごめんなさい嘘ついてました!!!

 って言って…許してもらえるかどうか……

 

 ………いや、そもそも嘘だって事を信じてもらえるのか、これ。

 

「さて! 先の《やりのはしら》での件…ディアルガとパルキアを操るギンガ団のボスの計画を止めたそうだね!」

 

「ええ、はい」

 

「ギラティナの存在はシロナくんですら知らなかったそうだ。そんな存在をどこで知ったのかね?」

 

「シロナさんが?」

 

「うむ。なので調査すると言って飛んで行ってな……せっかくだからここで話を聞けば良かったのにな!」

 

 本当にな!!!!!!

 いやでも待って、図鑑見たなんて大嘘ついてた事なんて知られたら嫌われるどころでは無いのではないのか?

 よくやった!よく止めなかったナナカマド博士!!!

 

「なるほど、そうでしたか。ですが例えば…そう、カンナギタウンの長老ならば存在を知っていてもおかしくはないと思いますが」

 

「カンナギタウンの?うーむ、確かに知っていても不思議ではないが…それならシロナくんに話しているのではないかな?」

 

 話しとけよそこはぁ!!!!!

 話すだろ普通!!!

 絶対ギラティナ知ってるだろ!!!

 

「そうですかね」

 

「そこで我々は思ったわけだ。きみはかのラベン博士のポケモン図鑑を見た事があるのではないかね?」

 

 いやこれシロナさんいなくて良かったかも知れん。

 ………よし、嘘はつかないぞ。

 

「………ええ、見た事はありますよ」

 

 ゲームで。

 

「なんと!」

 

「やはり!!!して!それはどこに!?」

 

「………故郷に」

 

「それは!? それはどこなんだ!?」

 

「………もう、帰れない、帰ることのできない場所なので。地名もこの世には無いでしょう」

 

「!」

 

「なんと……では」

 

「……持ち出す事は叶わず」

 

「おおぉ……そう、か。そうだったか…実に残念──ああいや。辛い事を思い出させた。申し訳なかった」

 

「いえ。もう過ぎた事ですから」

 

 嘘は言っていないからヨシ!

 何か盛大に違う解釈されてるだろうけど最早仕方がない被害として甘んじよう。

 

「……だが、これだけは教えて欲しい。きみはこれからどうするつもりかね?」

 

 あれ、アヤシシの事聞かれると思ったのに。

 知らないのか? というかサターンはアヤシシの事は言ってなかったのか?

 うーん…ラベン博士の図鑑がなくとも、新たな進化に食いつかない人ではないのだが……?

 

 よし、ここは面倒だから黙っておこうか。

 

「そうですね……旅を続けますよ」

 

 シロナさんに会うその日までな!

 その日が旅の終わりで新たな生活の始まりなのだ。

 

「そうか…うむ!今日はわざわざ申し訳なかった」

 

「いえ。それには及びません。それでは、失礼します」

 

 足早に去るのが吉だろう。

 これ以上話していられるか!

 博士なんかと話したらボロが出るに決まっているだろ!!!

 

「220番水路にいつものように行きたいんだけど、大丈夫かい?」

 

 手に入れたら、ミオに行ってこうてつじま行って……もう直ぐでほぼほぼ回収しきれそうだけど…だがキッサキ行く前にわざわざ氷鋼岩を揃えて、レジギガスを起動させる必要もないしな。

 あれ、プレート集める意味とは……?

 

 

「………あ、はい! 行きましょう!」

 

 コウキくんが考え事してた!

 ………まぁ、さっきの話だと故郷がなんらかの理由で滅んだヤツの話だもんな。

 

 帰れないのは本当だけど。

 

 ………アルセウスなら返してもら…えないか。

 少年/少女を拉致して返すどころか夢にまで現れて睡眠を邪魔するヤツだったわ。

 ノボリさん諸共返してやれ。

 

「終わりましたか」

 

「リラさん?」

 

 げっ、国際警察。

 出待ちしていやがったとはなんという奴らだ。

 タワータイクーンのボクっ娘リラだったら喜んでお話しするのだが。

 

「少しお話よろしいですか?」

 

「………ええ、まぁ」

 

「単刀直入に申し上げますと…アローラに来る気はありませんか?」

 

「!」

 

「何故…アローラに?」

 

 UBだろ知ってる。

 

「詳細は明かせませんが。我々の追っている存在がありまして。是非ともその知識をもって御協力頂きたいのですが」

 

 絶対嘘だぞ体目当てだ!!!

 ウルトラホール通ってきた覚えは無いんだけどなぁ!

 

「いえ、そんな気は───」

 

「もちろん、今直ぐにとは言いませんが。そういう選択肢もある、という事を覚えていただければ結構です」

 

「これがわたしの連絡先です。こちらに連絡して頂ければ───」

 

「持ってません」

 

「はい?」

 

「連絡できるものは持っていません」

 

「………ではコウキさんにお渡ししますね」

 

「あ、はい」

 

 そういうとリラは去っていった。

 

「行くんですか、アローラ」

 

「アローラに興味はあるけど……怪しさしかないからちょっとね」

 

「ですよね! さ、次はどこへ行くんですか? キッサキですか?」

 

「んー、キッサキの前に220番水路かな」

 

 

 

◆◆◆

 

 

220番水路の向こうにはパルパーク、或いはハマナスパークがあったのだが、どうやらここは普通にハマナスの島の名残のような島があるばかりだった。

 昔はゴウカザルが住んでたんだよな、ここ。

 

 と言う訳で《しずくのプレート》だ。

 順調過ぎて逆に怖くなる。

 これはあの邪神をギラティナと共にぶん殴れと言う事か?

 それならレジギガス連れてくわ。一番因縁ありそうだし。

 

 さてキッサキ…と行きたかったがミオから《こうてつじま》に行かなければ《こうてつプレート》を回収できないので、ミオシティに来ていた。

 

「このミオから西はアルミア地方だ。海運が発達しているが…ポケモンレンジャーの総本山がある事で有名だね。まあこれから行くのは《こうてつじま》なんだけど」

 

「こうてつじまにはいつもの以外に何かあるんですか?」

 

「うーん…噂によるとホウエン地方にも伝わるレジスチルというポケモンが眠るとされる遺跡がある……くらいかな」

 

「十分ありますね…」

 

 でもそいつ、レジギガスいないと目覚めないんですよ。

 という訳で全財産を払い《こうてつじま》へ行って、《こうてつプレート》を手に入れて帰りはコウキくんに立て替えてもらってミオシティに戻ってきたのだ。

 

「プレート、後何枚なんですか?」

 

「うん? 6枚、かな」

 

「6枚……ですか」

 

「ま、集めた先に何が起こるか…何も起きないのか。何も起きなくても、プレートがあれば色々できる事はあるから……集めきった後の事をそろそろ考えるべきなのかな」

 

 カミナギのふえがないから、てんかいのふえになる保証もないし。

 会えた所でギラティナ呼んでぶん殴るとか、返してくれとかその二択くらいしかないしなぁ。

 

「後、ですか……」

 

「そう。例えば……うん、シロナさんに渡す…とか?」

 

 博物館寄贈とかナナカマド博士へ託すとかより絶対良い!!!!

 ここからネタにして行って共同研究なんてすれば良い…あれ待て、本当に出来る…よな?

 

「シロナさんですか……」

 

「チャンピオンだしね。悪用しないと思うし。無難っちゃ無難じゃないかな」

 

「それで良いなら…ボクはいいんですけど」

 

「ま、とりあえずキッサキだね。キッサキに行った後は、カンナギからノモセに行こう」

 

「はい!」

 

「じゃ、テンガン山に向かおうか」





───テンガン山、某所

「あれ、人が倒れてません?」

「……本当、だね」

「大丈夫ですか!?」

「………ここは…わたくしは確か…」
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