原作知識を駆使してシロナさんを釣ろうとする前に全然違うヤツが釣れる話 作:鹿頭
あの毒殺現場屋敷から見事プレートとロトムを回収した後、見覚えのある名前の人が撮った写真を眺めていたらどういうわけだかソノオタウンに来ていた。
多くの花が咲き乱れ、どこか常に優雅な香りが漂う牧歌的な町。
それがソノオタウンだ。
「前は、ここギンガ団がとおせんぼしてたんですよ」
「どこにでも居るな、アイツら」
「はい。その時は、良く分からずにやっつけたんですが……」
おお、谷間の発電所イベントはコウキくんが終わらせていたのか。
てっきりヒカリちゃんだと思ってたんだが。
「と言う事は、コウキくんの活躍のおかげでソノオタウンの安寧は守られたってことだ」
「そ、そうですか?」
「そうだとも。お陰で花畑が見れるからね。ありがとう」
シロナさん来てねぇかなぁ〜!
イベントは無かったはずだけど、プライベートで来てたっておかしくないはずだからね!
欲を言えばシロナさんよりロリシロナちゃんと花畑が見たいですねぇ。
いつかコウキくんが捕まえるであろうディアルガに頼めばなんとかならないかな。
セレビィでも良いぞ。
「しかし、国際警察は何をしているんだろうね」
「国際警察がどうかしたんですか?」
本当お前ら仕事しろよ。
特にハンサム、お前潜入してる所に出会しても支援とかなんもしねぇもんな。
「ほら、ロケット団だってカントーの消えたチャンピオンが壊滅に追い込んだだろう?国際警察と言う割には、ね」
レッドさんは今でもシロガネ山で山籠りしているのだろうか。
もしかしたらパシオに居たりするかもしれないけど。
「と、ここが花畑か」
そんな雑談をしながら、目的の《ソノオの花畑》へと辿り着いた。
グラシデアの花は勿論、多種多様な花が咲き乱れている。
シンオウ有数の観光地は伊達ではないと思わせてくれる美しさだ。
「ふむ、観光客が居ないね。当たりかな」
「そうですね!」
人が居ないなら、花をじっくり眺めながら、道なりに沿って歩いていきつつ、ヒスイの歴史を語るとしよう。
「この辺りはかつて、《園生の開墾地》と呼ばれていてね。かつては荒れ果てた土地だったが、誰かがふと「感謝の気持ち」を伝えた所、花畑が咲き乱れていたという伝承があるのは有名だね。ま、あるポケモンのしわざなんだけど」
「なんでそんな事知ってるんですか?」
「《ラベン博士のポケモン図鑑》さ」*1
「じゃあ……割と最近の出来事って事ですか!?」
ラベン博士と聞いて、コウキくんが思い当たった。
「だからといって、今ある風習を否定する気は無いけどね。グラシデアの花を贈る風習は今では世界中に広まっている。それはとても尊い事だと思うよ」
「そうでしゅ。ミーに感謝するといいでしゅ」
「!!!!???」
「!」
足下の方から聞こえちゃいけない声が聞こえた!!!
気がするじゃなくて聞こえた!!!
見たくない!!!
「わっ、かわいい…!」
「もっとほめるでしゅ」
コウキくんは足下のそれを見てしまったようだ。
絶対に見ないぞ。
「見てください!このポケモン喋りましたよ!?」
「えぇ……やだぁ」
嫌だ!!!!
初遭遇の幻ポケが感謝取り立てクソガキシェイミなのは嫌だ!!!!
チェンジだ!!!チェンジ!!!
やり直しを要求するぞアルセウス!!!!
「む、なんでしゅかおまえ。失礼なヤツでしゅね」
シェイミ。
しかも黙っていれば良いのにわざわざテレパシーかなんかで喋るヤツだ。
喋らないでみいみい鳴いていた方が絶対可愛いぞコイツ、間違いない。
「コウキくん、コイツはシェイミ。かんしゃ取り立てポケモンだ」
「なっ、シェイミはそんなんじゃないでしゅよ!?」
「って言ってますけど……」
ミーに感謝するでしゅ〜なんて抜かしとる時点でお前は取り立てポケモンなんだ!
「………冗談だ。さっきの話。この辺を一面の花畑に変えたのがシェイミだ」
「えぇ!?」
「そーです。ミーはしゅごいんでしゅ」
「この子が……」
いやその語り口、お前ヒスイから生きてるとか言わないよな?
止めてくれよ、こんな所で歴史の教科書ブレイカーされても困るぞ。
───違うよな?
「うん、貴重なポケモンを見たな。さて、行くとしようか」
踵を返し出口へと向かうとしよう。
これ以上関わってられるか。
初の幻のポケモンがアニポケ基準のクソガキシェイミで心がズタボロなんだ。
「えっ、ちょっ、良いんですか!?」
コウキくんがすかさず腕を掴んできた。
「良いとも。シェイミは時期になるとグラシデアの花に反応してその姿を変えてどこかへ飛び立っていくのさ」
「へえ!」
「幸い、グラシデアの花はそこら中に生えているからね。さて、行こうか」
コウキくんを引き寄せ両肩を押して歩く。
「待って欲しいでしゅ!」
そうするとシェイミが待ったをかける。
「…………はい」
花畑、連れてけって……言うん、ですよね?
詳しいので、わかります。
「ミーはお花畑に行きたいでしゅが、場所がわからないでしゅ」
そんな暇はないんだ!!!
シロナさんを探さねばヒカリちゃんにかっさらわれてシロヒカ百合空間が構築されるかもしれないだろ!!!
或いはちょっと先の未来、カトレアさんの別荘でトウヤかトウコ*2にシロナが水着を選ばせようとするイベント発生させるかも知れないだろ!!!
「お花畑って……ここじゃないの?」
「こことは違うお花畑でしゅよ」
知らんぞそんなの!!!
そんな暇はないんだ!!!
「ほかの仲間たちといっしょに飛ぶはずが、ぽかぽかお天気でおひるねしてたらひとりになってしまったでしゅね」
「そんな、かわいそう…」
「えぇ……」
可哀想なのはシェイミの脳みそがお花畑な所だ!!!
「なので、ミーのためにお花畑をさがしてほしいでしゅ」
───うん?
ちょっと素直だな、このシェイミ。
もっとこう、『お花畑をー、探させてやるでしゅ〜』みたいな事言うと思ったんだが。
いややっぱそれでもだいぶ図々しいなコイツ。
「このままだとかわいそうですよ! 心当たりないですか?」
「あのねぇ……コウキくん。あるけどさぁ」
「本当にあるんですか!?」
「あるんでしゅ!?」
コウキくんが縋るような目で見てくる。
シェイミがつぶらな瞳でこちらを見てくる。
───正直よして欲しい。
変な罪悪感が湧いてくるだろ。
「合ってるかは解らないけどね。違う地方に飛んでったとかだったら正直お手上げだよ?」
「それでもいいでしゅ!つれていくでしゅ!」
「でもなぁ…遠いんだよねぇ……」
「どこなんですか?」
「224番道路」
感謝の石碑が建ってある、あの場所。
オーキド博士曰くカントー地方にも同じようなのが見つかった、らしいが、思うにアレ立地的にもヒスイウインディの墓なんだと思うんだよね。
掘ってみたらわかるかな?いや、しないけど。
「それって……!」
「知ってるとこでしゅか?」
「だからまぁ……よし、コウキくん。君のボールに入れてあげなさい」
そして責任持ってキミがシェイミを連れていくんだ。
地図にその時書いてあげるから。
その時はきっとシロナさんの隣にいるから、行けないだろうからね!!!
あーいや、シロナさんと一緒に行くのもありかも……?
「………あー、すみません。持ってません。切らしてます」
「えー! そんな事あるのー!?」
そんな!キミがボール持っていなかったらこっちの手持ちにしなきゃいけないじゃないか!!!
やだよ!ちょっと素直なクソガキシェイミなんか!!!
「ないです! すみません!」
無いのか!なら仕方ない!*3
では、コイツを説得する方向にしよう。
「うーん……シェイミ、割とすんごい寄り道するし、とんでもなく危険な目にも遭うかもしれないけど、それでも良い?」
「連れてってくれるなら構わないでしゅ」
いやお前、話聞いてた?
「………じゃ、よろしく」
そう言ってこの前拾ったモンスターボールを当てる。
開いたボールにシェイミが収まり、ゆらゆらとしばらく動いてから、カチッと音が鳴って、静かになった。
捕まえてしまったようだ。
「ふー、よろしくたのむでしゅよ」
そして勝手に出てくるシェイミ。
トレーナーぢからが低いから、勝手に出てきたのだろう。
ウソでしょ、レベル30*4すら制御できないの……
「よろしくね、シェイミ!!!」
「うんうん、いいかんしゃでしゅね」
「……さて、次はヨスガだろう?」
シェイミをボールにしまう。
「なにするでしゅ」
シェイミがボールから飛びだした。
「いや、移動するからさ」
「ミーを運べばいいでしゅ」
「いや………」
ただでさえキャモメで重いのに?
道中キャモメに頼ってるから出しっぱなしなんだぞ?
更に重くなる?冗談か?
「キャモメはどうおもうかなー」
そう言ってキャモメを繰り出す。
「きゃ」
構いませんよ?みたいなツラをするキャモメ。
お前オドシシの背中に乗ってろ。
「………コトブキシティに向かおうかコウキくん」
キャモメとシェイミの二匹はそれぞれ肩に乗った。
ライドポケモンとはそういう意味だった…?
「はい!!!」
ま、まぁキャモメより軽い*5からいっか……
「重い。キャモメちょっと空飛んでて」
「きゃ!?」
しゅじんこう
あくたい ポケモン
お金が無いのに手持ちが3体になった。
《ラベン博士のポケモン図鑑》を言い訳に使いすぎてラベン博士に申し訳なくなってきている。
実は完全版たる原本は失われて久しい。
コウキくん
多分髪型はヒスイで言うところの総髪ってやつなんだろう。
シェイミにはすごくかんしゃしている。なぜだろうね。
今日も元気に女主人公はイモモチ片手にボールを投げまくっている。
シェイミさん
ついに出たヒロイン(とはいっていない)
映画の個体より素直なので図々しいと言うよりはワガママな子。
ちなみにレジェアルのシェイミの初期レベルは70。