八葉を継ぐ者──A2──   作:クラウンドッグ

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騎神大戦

 

 

 

緋の玉座へと到達する。

 

そこではⅦ組の面々や、協力していたヴィータ・クロチルダなどの面子と相対するようにギリアス・オズボーンがいた。傍にはルーファス・アルバレアとクレア・リーヴェルトが控えている。

 

 

 

「ナギト!来たのか!」

 

 

核からレクターと共に降りて「おうリィン」と手を挙げる。

 

 

「リベールからここまで……よく間に合ってくれたな」

 

 

「クロスベルにも寄ってラスダン二連覇中だ。《煌魔城》も攻略して三連覇といきたいね」

 

 

ナギトの戯言にリィンは「?」だが、それをいつもの事と流す。

 

 

「心配してたんだ、教会の通信でも連絡がとれなかったから」

 

 

「《煌魔城》を中心とした結界のせいだな。おそらく副次的な効果だろうが」

 

 

七耀教会からナギトやリィンにもたらされた通信用のアーティファクトを用いても連絡は叶わなかった。ナギトも何度か試したがリィンやクロウは応答せず、推察するに帝都に顕れた《煌魔城》を守護する結界によるものだと思われた。

 

 

 

「レクターさん……」

 

 

そこでクレアがレクターがこちらにいる理由を察したのか、声をかけた。レクターは申し訳なさそうに眉根を上げて応じる。

 

 

「悪いなクレア……俺はこっち側につくぜ。今までオッサンに付き従ってきたが、ここまで世界を荒らされちゃ翻意するしかねえだろ」

 

 

「フフ……、まさか君が裏切るとはね。筆頭でこそないが、君が最も閣下と長い付き合いではなかったかな?」

 

 

 

そこにルーファスが口を挟む。一見容赦のない口撃だが、そのルーファスもまたすでにオズボーンを裏切っている。彼のそばに立つのは未だ裏切りが露見していないからか、はてさて。

 

 

「来たか、ナギト・ウィル・カーファイ。役者は揃ったようだな」

 

 

オズボーンが口を開く。その低い声音は圧力さえ伴っているように思えた。

 

 

「よく言う。俺をさんざん遠ざけておいて、役者が揃っただ?それともこの状況もお前の絵図通りだってか?」

 

 

ナギトは言いながら、オズボーンならやってしまいそうだと感じた。そしてその予感は的中していた。

 

 

「いかにも。───我が宿願のために、お前にはここに来てもらわなければならなかった」

 

 

リベールに戦争を仕掛けたのは、旅行中だったナギトを足止めするため。

クロスベルの独立を許したのはナギトの意識をキーアに向けさせないため。

 

ギリアス・オズボーンは、この状況を整えるためにそうしたのだと思い至った。

 

 

「───さあ、決戦の時だ。腹を決めるがいい。

灰の起動者リィン・シュバルツァーよ。

蒼の起動者クロウ・アームブラストよ。

紫の起動者クレア・リーヴェルト及びレクター・アランドールよ。

金の起動者ルーファス・アルバレアよ。

銀の起動者リアンヌ・サンドロットよ。

緋の起動者ナギト・ウィル・カーファイよ。

 

───これより、騎神大戦を始める」

 

 

 

☆★

 

 

 

「騎神大戦………、それがあなたの目的だったのか!?」

 

 

リィンが声を張り上げる。血の繋がった実の父親、幼少の頃にシュバルツァー男爵家に預けられる以前の記憶は朧げで。しかし手放される寸前の、あの優しい表情と声音は思い出していた。

 

 

「………目的、ではない。《七の騎神》が一堂に集い覇権を争う────それそのものへの意味に、私は価値を見出していない」

 

 

やけに意味深だとナギトは思った。おそらく騎神同士がぶつかる事自体に意味はあるのだ。内戦時クロチルダやアリアンロードがナギトやリィンを攫って神機と戦わせたり、前の《煌魔城》ではヴァリマールとオルディーネに激動を演じさせたりした。獅子戦役の再現とか言ってたか。

これらは《身喰らう蛇》の企みだったが、《幻焔計画》を乗っ取ったオズボーンの狙いはその先にあるという事だろうか。

 

 

「騎神の力は強大………獅子戦役でもそれは証明されています。内戦ということもありましたが、その衝突はエレボニア帝国そのものを疲弊させるほどに……。魔女殿」

 

 

アリアンロード──《槍の聖女》リアンヌ・サンドロットはかつてを思い出しながら、クロチルダに話を向ける。

 

 

「オズボーン宰相の狙いは我々の想定を遥かに越えているようです。魔女の末裔たるあなたの意見を聞かせてください」

 

 

「そうね………私たち《身喰らう蛇》が先の内戦で騎神を戦わせたのは、分たれた力をひとつにするための儀式だった………けれど、彼の狙いはそうじゃない。………まるで、世界そのものを根幹から揺るがすような────」

 

 

 

クロチルダがそこまで言ったところで、オズボーンは腕を上げた。それは合図を出したかのような仕草で。

 

 

「───来るがいい、イシュメルガ」

 

 

 

オズボーンの背後に漆黒の威容が侍った。それこそが《黒の騎神》イシュメルガ。ギリアス・オズボーンの駆る最後の騎神だ。

 

 

「これは………なんて…………」

 

 

エマが声を漏らす。それだけの迫力がイシュメルガにはあった。他のメンバーも似たような反応だ。

 

 

 

「こいつは……嫌になるぜ。さっきの魔王より断然強そうじゃねえか」

 

 

 

今度はクロウが軽口のように悪態をついた。彼らの疲弊度合いを見るに、やはりこの緋の玉座でも内戦時に顕れた猛者や《紅き終焉の魔神》を相手取っていたのだろう。

 

 

「会話を遮るようなやり口………どうやら俺たちに狙いを悟られたくないようだな」

 

 

呆気にとられた皆を差し置いてリィンが言い放つ。

 

 

 

「フフ………すでに時は満ちている。いずれにしろ我々は争うしかないのだよ」

 

 

 

泰然と微笑むオズボーン。その態度からは読み取れないが、ナギトは彼がどこか焦っている事を見抜いた。

 

 

「やけに拙速だな。ついつい雰囲気に流されそうになっちゃうが………焦ってるな?ギリアス・オズボーン」

 

 

「……気も逸るというものだ、大願成就を前にしてはな」

 

 

そう、雰囲気だ。なにかまずいと脳内で警鐘が鳴っている。すでに戦うしかないのはオズボーンの言う通りで、勝たなければ彼の野望の前に世界がどうなるかわからず───。

 

 

「……………………レクターさん」

 

 

 

「ああ……俺もヤベーのは感じてる。だがそのヤベーのが何なのか全くわからねえ……!」

 

 

勘の冴えるレクターでもオズボーンの狙いは見通せていない。

 

 

 

「やるしかないか……?」

 

 

オズボーンの狙いがどうあれ、この騎神大戦で彼を打倒すればその野望を阻める。

 

………そう信じるしかないが、その思考さえ誘導されているようにも思える。ナギトのつぶやきは虚空に消え、代わりにレクターはクレアに話しかけていた。

 

 

「クレア………お前、どうするつもりだ?」

 

 

「………私、は……────」

 

 

 

それは翻意を促す問いかけであった。先に中断された会話の続き。《鉄血の子供達》として表舞台にいたクレアとレクター、そしてミリアムにしかできない会話だ。

 

 

「……俺はオッサンを裏切る。ハナからそのつもりだった。世界のためって大義名分もあるが、本心からオッサンに従ってたわけじゃなかったしな。俺がオッサンの言いなりになってた理由は言わねえし、お前の理由も聞かねえ。お前がそっち側に立って戦うってんなら、俺も命を懸けてお前とゼクトールを取り合うだけだ」

 

 

《紫の騎神》ゼクトール。レクターとクレアを起動者とする騎神。オズボーンの狙いが七騎神の衝突である騎神大戦である以上、ゼクトールの行方をかけた戦いを見守る事になるだろう。

レクターは「だがな」と続けた。

 

 

「俺は知ってる。クレア……お前が優しいやつだって事を。正義のために動けるやつだって事を。……オッサンが何を企んでいるかはわからねえが、ろくでもない事は確かだ。優しいお前が、どうしてそれを見過ごせる?無辜の民に犠牲を強いるだろう鉄血の道に殉ずるほどに、お前を縛る鎖は重いのかよ?」

 

 

クレア・リーヴェルトが《鉄血の子供達》である理由。それの開帳をレクターは求めず、しかし彼女をオズボーン側に縫い止める鎖の強固に言及した。

 

 

「僕はさー、クレアやレクターみたいに事情があるわけじゃないからあんまり言えないんだけど……、でもたったひとつだけ胸を張って言える事があるんだよね!」

 

 

ミリアムは得意げに胸を張る。《鉄血の子供達》として共に時間を過ごしたクレアとレクターにとって、ミリアムの言葉は効くものであった。

 

 

「それは……僕は今、正しい事をしてるんだ……ってコト!………クレアたちとオジサンの命令で色んな任務をこなしたのも楽しかったんだけどさ、リィンや他のみんな……Ⅶ組の仲間たちと出会えて僕は成長できた。だからわかるよ……人間は正しい事をしてるといつもの何倍も力が出るんだ!」

 

 

子供っぽいミリアムの発言だったが、内容は概ね同意できたナギト。要は信念の問題だ。自らの信念、自らの正義に従って動ける者は強い。ブレないからだ。

 

そういった意味でクレアはブレブレだった。レクターやミリアムの言葉を受け止めるだけで何も言い返せていないのだから。

 

 

 

「……では俺からもひとつだけ。短い時間でしたけど一応俺も《鉄血の子供達》のひとりでしたからね」

 

 

口は出すまいと思っていたナギトだったが、我慢ができなかった。クレアに向けて手を伸ばした。

 

 

 

「俺の手を取れ、クレア・リーヴェルト。後悔させないなんて言わない。だけどそれ以上に、この選択をして良かったと思わせてやる」

 

 

 

クレアは目を剥いた。あまりにナギトらしくない直截な勧誘だっからだ。レクターやミリアムが促した意思を強制的に引っ張るような無法。風情に欠けるが、それだけの価値がクレアにはあるとナギトは確信している。

 

 

「ヒュウ」とレクターが口笛を吹いた。

 

 

「まるで口説き文句だな」

 

 

茶化すな、と言いたかったが、背後からラウラの「む」という声が聞こえて硬直してしまう。

それを見てクレアは「ふふ」と笑った。それからオズボーンに向き直って敬礼をする。

 

 

「ギリアス・オズボーン宰相閣下。鉄道憲兵隊所属、特務準佐クレア・リーヴェルト、本日をもって退官したく願います」

 

 

 

 

「………よかろう。これまでの忠勤、大義であった」

 

 

 

オズボーンはクレアの裏切りをあっさりと許した。何なら微笑んでいるようにも見える。レクターの離反もそうだが、オズボーンは《鉄血の子供達》の、そうした自立を喜んでいるようにも思えた。捨てた子の代わりに、彼なりの愛情を持っていたということか、まるで父親のようだった。

 

 

 

「で、ルーファスさん……あなたはどうするんだ?子供達はあなたを除いて全員がこちら側についた………、筆頭たる城将は最期まで鉄血の城壁でいるつもりか?」

 

 

ナギトはルーファスに言葉を向ける。三文芝居だ。ルーファスは元からこちら側───、こんな勧誘に意味はないが、フリをするだけでもオズボーンに疑心を植え付ける事ができるかもしれない。

 

ルーファスはリベールでの通信の際にリィンらと連携すると言っていたから、Ⅶ組にも彼が味方だとは伝わっているだろう。ナギトの意図は伝わっているはずだ。

それにナギトも全面的にルーファスを信用しているわけではない。リベールでの通信越しにああは言ったが、ルーファスの提示した裏切りの根拠は薄過ぎるのだ。心情的には信じられるが、論理的には信じられないと言ったところか。

 

 

「それを言う必要があるのかね?今まさに刃を交えようとしているこの状況で」

 

 

ルーファスの答えに何を思ったのか、オズボーンは「ふ」と笑った。不気味だ。とりあえずルーファスは敵として扱いつつも味方になる可能性も考えてトドメを刺さない方向でいこう、とナギトは内心で方針決定した。

 

 

「いいでしょう…どの道こちらの数的有利は覆らない。鉄血の牙城は崩れた……後悔する事だ、ルーファス・アルバレア」

 

 

ナギトの挑発に応えるように───。

 

 

「来たまえ、エル=プラドー」

 

 

ルーファスの隣に金色の騎士人形が出現した。《金の騎神》エル=プラドー。黄金の威容は黒と並び圧倒的な存在感を放っている。

 

すでにレクターとクレアの隣にもゼクトールは呼び出されていて。

起動者たちはらそれぞれの愛騎に乗り込む。

 

 

「フフ………実に長かった。ここまで来るのに13年…………我が悲願のため……消えてもらうぞ、ナギト・ウィル・カーファイ!」

 

 

気を吐くオズボーンの言葉はナギトに向けられたものだった。殺気さえ込められた言葉に、しかしナギトは応じない。

 

 

「言う相手を間違ってるぜ、ギリアス・オズボーン。俺はお前の宿敵でも何でもない……ただ人生の余白を楽しんでいるだけのドリフターだ。……そりゃあ手伝いくらいはするがな、お前にケリをつけるのは────言ってやれ、兄弟!」

 

 

ナギトからバトンを渡されたのはリィン。“兄弟”なんて呼ばれ方をしたのは初めてかもしれなくて、それだけを原動力とするわけじゃないが、魂が燃え上がるのを感じた。

瞑った瞼の裏側にこれまでの人生を振り返る。これが最後だ。最後の決戦だ。

 

 

「───ああ。あんたの相手は俺だ、ギリアス・オズボーン!……未だに実感はないがあんたは俺の父親……その父親が道を誤ろうとしているなら、世界を敵に回してまで何かを成そうとしているなら……それを止めるのが、それを糺すのが息子である俺の役目だ…!」

 

 

 

「リィン………」

 

 

感慨深げにオズボーンはつぶやく。実子の成長に思うところがあるのか、長く瞑目した。

 

 

「もはや止まれぬ。もはや止まらぬ。──《鉄血宰相》としてではなく、ギリアス・オズボーン個人として、お前たちに相対しよう……我が子らよ」

 

 

オズボーンの視線がリィンを、ナギトを、《鉄血の子供達》を嘗めていく。

ナギトはその瞳に、オズボーンの迷いを感じた。そしてそれを断ち切った事も。

 

 

「時は至った。──諍って見せるが良い、遊撃士よ、《身喰らう蛇》よ、Ⅶ組よ……!それが叶わなければ、私──ギリアス・オズボーンが全てを滅ぼす!」

 

 

 

騎神大戦が、始まる。

 

 

 

☆★

 

 

灰と黒がぶつかる。

ゼムリアストーンの太刀と赤黒の大剣が火花を散らした。

一瞬の拮抗、交わる視線。すぐに両騎は離れ───黒に追撃したのは緋と蒼。

 

 

双刃剣と霊力で編まれた魔剣を、黒は大剣で受け、そして押し返す。

 

 

「なんつーパワーだよ…!」

 

「見た目もそうだが大した武装みたいだな」

 

 

《黒の騎神》イシュメルガの構える赤黒の大剣は神々しくも禍々しい。この世全ての悪意を閉じ込めたかのような剣だった。

 

 

「────大神雷槍(グングニル)!」

 

 

戦場を蹂躙する雷撃をただの一槍に込めて撃ち放つ銀。

 

それを防御フィールドで受け止め、聖剣イシュナードで斬り払う金。

 

 

 

「ここだクレア──!」

 

 

「わかっています──!」

 

 

生じた一瞬の空隙に、青き方陣を駆ける赤き霊力。“カレイドフォース”と“ナイツオブルブルム”のコンビクラフト。ミラーデバイスを何度も反射して何倍にも威力が上がる。青と赤の合技を炸裂させた紫。

 

黒と金は並び立ち、それぞれ防御フィールドを展開する事でそれを防いだ。

 

 

 

これでようやく一合。5対2にも関わらず有効打はなし。というか、あの半透明の防御フィールドは何だ。黒と金はあんなものを標準装備してるのか。確かに黒と金は強そうな色だ。騎神にスペック差があるのか。

 

そんなぼやく思考とは別に戦闘用の思考回路が並列して事態を処理していく。

 

 

イシュメルガが手を翳すと、そこから黒い波動が放たれた。それはナギトらを分断させるためのものだ。左右に分かれる五騎。右にはゼクトール。左には残りの四騎がポジションする。

 

 

「ここは私が!」

 

 

迫るイシュメルガをアリアンロードが受け持つ。銀のアルグレオンが馬上槍をもって大剣を防いだ。

 

ゼクトールに超速で肉薄するのはエル=プラドー。左肩の鋼鉄のケープでショルダーアタック。ゼクトールは体勢を崩した。

 

 

「魔槍一擲!」

 

 

 

追撃の聖剣を構えるエル=プラドーを牽制するようにテスタ=ロッサが弓を引き絞る。

残留していた黒い波動を穿って放たれた魔槍をエル=プラドーはバックステップで躱した。

 

 

「はあっ!」

 

「オラっ!」

 

 

ヴァリマールとオルディーネがイシュメルガに突撃する。左右からの挟み撃ちをイシュメルガは背面の剣翼を広げて防いだ。

 

 

「むん!」

 

 

イシュメルガは大剣と剣翼を振り回しながら回転。ヴァリマールとオルディーネ、アルグレオンの三騎をまとめて弾き飛ばした。

 

 

その間にテスタ=ロッサは飛翔。周囲に千の武器のいくつかを鋳造して、それらをマシンガンのように撃っていく。

 

 

「閣下!」

 

「ここは任せる」

 

 

射出される魔剣や魔槍の間を縫ってイシュメルガとエル=プラドーは合流。千の武器の猛襲を金の防御フィールドで防ぎつつ、イシュメルガは赤黒の大剣を掲げた。

 

 

「大技、来るぞ!」

 

 

漆黒の悪意が大剣に纏う。ナギトはテスタ=ロッサの中から警告する。

 

 

「下がりなさい!」

 

 

「遅い───!」

 

 

リィンらを退避させようとアリアンロードが声を張り上げたが、それを為すよりイシュメルガが力を解放するのが早かった。

 

 

“ダージュ・オブ・エレボス”──世界中の悪意を蒐集し、世界という暗黒を凝縮し、ギリアス・オズボーンの願いを織った虚無にして絶無の一撃。

 

振り下ろされる剣は《煌魔城》ごと崩壊させてしまいそうな威力をもっていた。

 

 

「聖技──グランドクロス!」

 

 

聖女の銀から極光が放たれる。それは闇の剣と衝突し、押し留めた。しかし“ダージュ・オブ・エレボス”の力は絶大でアリアンロードの絶技をもってしてもいずれは押し負けてしまう。

 

 

「ナギト!」

 

 

しかし今は拮抗している。それがアリアンロードの見出した光明だった。

聖女の呼びかけにナギトは「はいさ!」と応えて研ぎ澄まされた一閃を放つ。

 

 

「──八葉一閃」

 

 

闇の剣が斬り祓われる。極大の悪意も何もかも、そのすべてを超越した場所からの裁きには敵わない。

 

 

「ナギト・ウィル・カーファイ……!」

 

 

「フフ……それでこそ我らが《緋玉の騎兵》……」

 

 

オズボーンもルーファスも、今再びナギトの異常性を理解して苦々しげに、あるいは優雅にその存在を認める。

 

 

「いやあ……なんでこんなに強いんだよ、ギリアス・オズボーン……ウン十年前は軍人だったらしいけど……今は政治家のはずだろうが」

 

 

対するナギトも認識を改める。《鉄血宰相》ギリアス・オズボーンは知謀の人物で、軍人だったのは過去の話というそれを。

 

 

「ハッ、それでこそぶっ倒し甲斐があるってもんだろ、ナギト」

 

 

「クロウ……お前、宿敵が強くてテンション上がってんな?」

 

 

「さあな……。だが、俺より明らかに気合い入ってるやつはいるぜ」

 

 

 

ナギトとクロウが言葉を交わす間にもリィンは“神気合一”し、出力の上がったヴァリマールで突撃を仕掛けていた。

アルグレオンとゼクトールもそのサポートに入る。

 

 

「俺らも行くか、クロウ!」

 

「ああ、いっちょ気張るとするぜ!」

 

 

 

☆★

 

 

騎神にはサポート役をつける事ができる。その原理は不明だが、固く友誼を結んだ者の力を発揮する事ができた。

 

リィン──ヴァリマールはⅦ組メンバーから様々な支援を受け。

ナギト──テスタ=ロッサはラウラからアルゼイドの奥義を授かり。

クロウ──オルディーネはクロチルダから卓抜した魔法的補助を施され。

レクターとクレア──ゼクトールはミリアムから鉄壁の防御を敷かれ。

アリアンロード──アルグレオンは《鉄機隊》の結束で強化されている。

 

 

げに恐ろしきは黒。そういったサポートを受けずにエル=プラドーと共に五騎神の攻撃をいなしている。

 

 

「というか、動きがおかしいんだよな」

 

 

いかに《黒の騎神》のスペックが高かったとしても、相手をしているのは猛者揃い。特にアリアンロードは世界一の武人と言っても過言ではない練達だ。

彼女と比すればリィンはまだまだ青く、ナギトも荒削り。その2人もオズボーンと比べれば剣士としては上だろう。それなのに攻めきれないのには理由がある。

 

それを警戒してか、ルーファスも未だオズボーンを裏切れていない。ある意味でこちらの切札であるルーファスの裏切りはオズボーンが致命的な隙を晒さなければ発動できない秘中の秘だ。

 

 

「クロウ、レクターさんにクレアさん、少しの間ルーファスさんを止めてください。聖女殿はオズボーンの足止めを。リィンは俺に合わせろ」

 

 

騎神の内部にウインドウを開いて短い作戦会議。ナギトを信じた面々は二つ返事で請け負った。

 

 

「ナギト…何をするつもりだ?」

 

 

「試す。神機戦の時の連携…覚えてるな?」

 

 

内戦時に精霊窟で対峙した神機アイオーン。それに対して放った2人のコンビクラフト。

 

二騎が全力以上のものを己の得物に込める。2人ともあの時より数段成長していて、武器に込められる力もそれに比例する。

 

 

オルディーネとゼクトールはエル=プラドーを押し留め、アルグレオンがイシュメルガを引き受ける。

 

2人の奥義を止められるものは存在し得ず───

 

 

「「──絶佳臨界超越」」

 

 

重なる声。重なる剣。重なる想い。

 

 

 

「「──── 灰焔閃花 / 火生三昧(クロスブリンガー)!」

 

 

同時に振り抜かれた太刀がX字の斬撃を描く。

 

 

「もいっちょお!」

 

 

ナギトはさらにリィンに要求する。限界を超えて、臨界点を越えて、2人の八葉を継ぐ者は更なる奥義を放つ。

 

 

 

「「天の太刀・黄龍───!」」

 

 

 

龍の顎が広範囲を飲み込む焔と嵐の斬撃として放たれる。

 

2つ連続した奥義はイシュメルガから逃げ場を奪う。そしてどちらも受ければ絶死の一撃だ。

いかに《黒の騎神》と言えど、赤黒の大剣が大した武装であろうとも防ぎ得ぬ。

 

 

 

 

───ギリアス・オズボーンが只人であったなら。

 

 

 

 

イシュメルガの姿が消える。彼を確実に捉える軌道にあった2つの奥義は必然不発───

 

 

 

「───ナギト!」

 

 

リィンからの忠告は遅きに失していた。

 

 

「やはりお前が最も厄介だ」

 

 

赤黒の大剣がテスタ=ロッサを薙いだ。

 

 

「ぐおっ………!」

 

 

防ぎ切れていない。リィンの忠告のおかげでクリーンヒットは免れたが、それでもイシュメルガの一撃はテスタ=ロッサにめり込んでいた。

 

 

弾き飛ばされるテスタ=ロッサ。ナギトは痛みを堪えつつ、先の作業の意味が果たせた事を理解した。

 

それはナギトらがオズボーンを攻め切れなかった理由。2人のコンビクラフトが不発に終わった理由。消えたと思ったイシュメルガが次の瞬間にはテスタ=ロッサを攻撃できていた理由。

 

 

「ようやく……露骨に使いやがったな………」

 

 

はじめからわかっていた事だ。それがどこまでの異能なのか───、ナギトが確認したのはその無法加減だった。

 

 

 

 

「《時の至宝》───ギリアス・オズボーン!」

 

 

 

 

 

古代ゼムリア文明を終わらせた神話の戦い。

《時の神》クロノギアと《焔の神》マクバーンの激突。相討った二柱を《空の女神》が封印し、ダウンサイジングされた“時の異能”は、とある血族に脈々と受け継がれていた。

 

ギリアス・オズボーンは“時の異能”を受け継いだ当代の《時の至宝》だった。

 

 

 

「ほう……どこで知った?」

 

 

「ブリオニア島でな……神の抜け殻に聞いたよ」

 

 

 

騒然と沈黙が入り混じる緋の玉座でオズボーンの問いにナギトは答える。

 

 

「フフ………当然のようにエイドス以外の神を語るか………それも“特異点”ならではの特性か?」

 

 

「“女神の枷”か。………俺は──“特異点”とは世界の外から世界を眺める観測者のアバターみたいなもんだ。ゆえに枷に縛られる事もない」

 

 

「───だが、お前にも至宝の力は通用するようだな。我が血を受け継ぐ次代の至宝──リィンはかすかに時の揺らぎを感じ取れるようだが」

 

 

リィンがナギトに警告できたのはそれが理由だった。時の因子を受け継ぐリィンだけが、オズボーンの止まった時の世界に入門できるのだ。

やはりナギトの特異点性をもってしても至宝の力はレジストできないらしい。エマの暗示程度なら弾く事もできたが、やはり至宝ほどの規格外になると、本質は特異点でもゼムリアナイズされた肉体には有効なのだ。

 

 

 

「しかし、かなりの制限があると見た。時間停止ができるのは数秒……しかも他の物質には干渉できないな?本当に時間を自在に操れるのなら、俺たちなんざすぐに全滅できる」

 

 

違和感。自らの言葉にどこか違和感を覚えた。

オズボーンは「フフ……」と意味ありげに笑うだけ。何か、前提から間違えている気が───。

 

 

「つってもかなりチートだな。……まさか、俺の狙撃から生き返ったのもその力か?」

 

 

「巻き戻し──ですか。厄介ですね。……しかし、世界そのものの時間を巻き戻す事は叶わないのでしょう。仮に巻き戻せたとしても己の肉体のみといった所でしょう」

 

 

「それでもヤベーだろ。時間停止中に騎神ごと動けるんなら、巻き戻しも騎神には適応される可能性がある」

 

 

「いくらダメージを与えても無駄───いえ、力を使わせて疲弊を狙えるでしょうか?」

 

 

 

「──ナギト、どうする!?」

 

 

ナギトが違和感を追求する間もなく戦局は変遷していく。リィンの呼びかけに思考を切り替えて勝つ事だけを考えた。判明した中で最も重要なのは時間停止中に攻撃はできないという点だ。

 

 

「お前がカギだ、リィン」

 

 

オズボーンが《時の至宝》の権能を振るうのなら、それに対抗できるのはリィンだけ。

おそらくナギトが指摘した以上の弱点がオズボーンの権能にはある。だが、その解明を待ってくれるほどこの戦いは生ぬるいものではなかった。

 

 

 

「俺が………」

 

 

リィンも時の因子を受け継ぐ一族の末裔とは言え、至宝の力を持つのは当代であるギリアス・オズボーン。リィンのは残滓というか、むしろいずれ力を継ぐ兆しのようなものだ。

 

 

 

 

周囲を警戒する。時を止めたイシュメルガの襲撃にはほとんど無意味だった。

 

 

まずゼクトールが吹き飛ばされた。次はオルディーネ。アルグレオンまでもが時間停止に対応できない。

 

 

苦境に追い込まれている─────

 

 

 

 

────そう演出する事はできているだろうか。

 

 

 

「リィン……お前の“神気合一”は未来のお前の力の前借りだ!イフの未来でもいい、お前が至宝の力を受け継いだ未来の─────」

 

 

 

──時が止まる。

 

 

それを認識できている。

ナギトは“特異点”としてのリソースを使い、己の──テスタ=ロッサの周囲に膜を展開した。それはあらゆる干渉を跳ね除ける結界だ。

 

 

的外れ──あながちそうでもないかも──を言ったおかげでオズボーンは油断しているのだろう、テスタ=ロッサの背後で大剣を構えるのがわかった。

これにレクター、クレアもクロウもアリアンロードも対応できなかったのだ。停止した時間の中を動けるなんてズルもいいとこだ。

 

 

 

──時が動き出す。

 

 

振り下ろされる赤黒の大剣を振り返って受け止めた。

 

 

「───ほう?」

 

 

弾き返す。数合打ち合って、再び時が止まった。

時間停止解除と同時に繰り出される大剣を防ぐ。

 

 

「まぐれではないな?見えているのか」

 

 

オズボーンは、アリアンロードにも対応できなかった時間停止からの奇襲をナギトが捌いている事実に、止まった世界を認識できている事を理解した。

 

 

「それこそ特異点の力を解放してようやくだクソッタレ」

 

 

ナギトが“特異点”としてのチートを使えば、その度合いに応じて“特異点”の肉体は消費される。リベールでの変事で喪失した脇腹は願いの化身のおかげで戻ったが、今はそれ以上の喪失を味わっていた。

左の腹部から左大腿部までが無になっている。幸いにして動きはするが感覚はなくなっていた。

 

 

「───だが、動けはしないようだな?」

 

 

再び時間が止まる。

 

数秒の間にイシュメルガがポジショニングしてテスタ=ロッサに対応を迫る。

 

 

「それもハッタリだ馬鹿野郎!」

 

 

ナギトは止まった時を認識できるが、時間停止中に動く事はできない。そんなものはオズボーンの油断を誘うためのブラフだ。

 

 

動き始めた時間。余裕を持ってイシュメルガの剣撃を弾き、反撃の魔剣を叩き込む。

たたらを踏んだイシュメルガに───

 

 

「──リィン!」

 

 

同じ止まった時間を認識できるリィンに追撃を請う。

 

 

「無想───」

 

 

リィンも慣れて来ているのだ。時間停止という馬鹿げた力に。その身に《時の至宝》の因子を宿すがゆえに。

あるいは、ナギトが言った通りに未来の自分の力を借り受けているのかもしれない。

 

 

「───覇斬!」

 

 

刹那、七つの斬撃が収束する。

叩き込むゼムリアストーンの太刀にはリィンの“刻焔”が付帯していて、イシュメルガが苦し紛れに張った防御フィールドを瞬時に燃え散らし、本体にダメージを与える。

 

それでも被害を最小限に抑えるオズボーンはさすがだ。彼の常の最善はおそらく体感時間を引き延ばす事で成立しているのだろう。

 

 

しかし、ナギトとリィンの連携によってイシュメルガは完全に体勢を崩している。

 

 

「今─────!」

 

 

ナギトの合図に、動き始めた時間での出来事を確認した起動者たちが奥義に取り掛かる。

 

 

「デッドリー────」

 

 

カレイド(ナイツオブ)────」

 

 

「聖技──────!」

 

 

 

────時が止まる。

 

 

 

これまでの時間停止は、そのスパンが数呼吸分はあった。だが今はたった一呼吸の間で発動した。

オズボーンも手を隠していたのか、無理をしたのか、どちらにせよ本気というわけだ。

 

 

 

「黒き魔王が息吹……魂に刻むが良い───!」

 

 

 

ダージュ・オブ・エレボス────イシュメルガの奥義が発動する。

ゼムリア大陸を、星を、世界を滅ぼす悪意の剣。

本来は長いタメが必要なそれを、オズボーンは《時の至宝》の権能を用いてキャンセル──タメ時間を無効化して即座に発動した。

 

 

 

 

「滅せ─────」

 

 

 

 

 

 

「────ここだね」

 

 

 

イシュメルガがそれを振るう直前。オズボーンを騎神の核ごと聖剣が貫いた。

 

 

 

「………ルーファス……何故───」

 

 

 

ルーファス・アルバレア。《金の騎神》を駆る起動者の、裏切りの一撃である。

 

 

「──その“何故”とは、裏切っている理由を聞いているわけではありませんね」

 

 

エル=プラドーが無慈悲に聖剣を抜き、イシュメルガが崩れ落ちると同時に時は動き始めた。

 

 

 

「ナギトくんですよ。彼の加護で私は凍りついた時の中を動けた───それだけです」

 

 

 

ギリアス・オズボーンははじめからルーファスの裏切りに気づいていた。偽りでも自らの側についたのだから利用したまで。後ろから刺されるなんて油断はしていなかった。

だが、秘奥たる時間停止まで対応されはじめ、あと一歩で敗北が迫った事で焦りが生じたのかもしれない。

ルーファスが──ナギトが突いたのはその隙だ。

 

 

 

 

「──まずいっ!ルーファスさん!」

 

 

「む───!」

 

 

勝利の予感に油断が生まれたのはナギトらも同じだった。

世界を薙ぎ払うはずだった悪意の剣──“ダージュ・オブ・エレボス”が力の行き場を失って暴発した。

 

 

 

「───エンド!」

 

 

「───フォース(ルブルム)!」

 

 

「───グランドクロス!」

 

 

 

奇しくも時間停止直前に三騎神が奥義に取り掛かっていたのが功を奏した。

暴発した闇の力にそれぞれの奥義が激突して押し留める。

 

 

 

「──ナギト!」

 

「──リィン!」

 

 

 

互いの名を呼んだのは同時だった。

 

 

呼吸を合わせる。太刀を合わせる。三度目の合技。

 

 

 

「「真の太刀─────!」」

 

 

 

ナギトとリィンの全力だけではない。騎神の全力も、そのすべてをこの一振りに懸ける。

 

 

八葉一閃 X 無仭剣 X龍脈凱旋・王剣真授 X千の武器 X無想覇斬

 

 

 

 

 

「「────無仭一閃!」」

 

 

 

 

 

放たれた白光は暴発する闇を撃ち破り───。

 

 

 

────。

───────。

─────────そして。

 

 

 

 

☆★

 

 

 

 

「まだだ………まだ──終わってない!」

 

 

 

衝突した闇の暴発と八葉を継ぐ者たちの合技。それを支えた三騎の奥義は緋の玉座を崩壊へと導いた。

エル=プラドーが暴発に巻き込まれたにも関わらずⅦ組をはじめとした仲間たちに防御フィールドを張ってくれたおかげで──その他クロチルダの魔法やトヴァルのアーツなどがあり──彼らは無事に済んだ。

 

が、それらの煽りをまともに受けた七の騎神は大破────すでに戦える状態ではなく、それはダメージのフィードバックを受けた起動者たちも同様のはずだった。

 

 

しかし、それでも壊れた核からいの一番に飛び出して来たのは最もダメージを受けているはずのギリアス・オズボーンだった。

 

聖剣エルヴァースに貫かれ、ナギトとリィンのコンビクラフト“無仭一閃”を受けてなお、彼の闘志は萎びず、むしろ戦闘中よりも滾っているように見えた。

 

 

「気合い……入りすぎだろーがよ、オッサン……」

 

 

「レクターさん、無理はせずに……」

 

 

ボロボロのゼクトールから出て来たのはレクターとクレア。連座で起動者だった彼らだったが、騎神が損傷を受ける直前にレクターはクレアのダメージを肩代わりしていた。その代わりに今はクレアに肩を貸してもらってようやく歩けるくらいで、戦闘続行は不可能だった。

 

 

「フフ………、情けない話だが……私ももう立つ事さえできなさそうだ……」

 

 

「良いとこは譲ってやるから、もうちょい気張れや後輩ども……!」

 

 

 

騎神から這うようにして出て来たルーファスとクロウも同様だ。彼らにはユーシスやマキアスが肩を貸しに行っている。

 

 

「因縁に決着を。あなた方に託します」

 

 

デュバリィらに支えられながら、アリアンロードがナギトたちに手を翳すと、光がこぼれて少しだけ体力が回復した。

 

 

「だってよリィン……やれるな?」

 

 

「当然だ………君こそやれるだろうな、ナギト?」

 

 

 

2人は立ち上がる。オズボーンを見ると、やられた傷が修復していっていた。《時の至宝》の力だ、時間を巻き戻してダメージをなかった事にしているのだ。

 

 

 

「ぐ、かは……っ」

 

 

 

だが、それも完全ではない。オズボーンも体力が尽きて《時の至宝》の権能を十全に発揮できないのだ。それができるのならさっさと騎神を修復しているというもの。

 

 

喀血したオズボーンが口元の血を拭うのを待ってから、彼に対峙する。

 

 

 

「フフフ…………決着だ、ナギト。そしてリィン」

 

 

 

「ああ、決着だ。ギリアス・オズボーン」

 

 

「──今はただ、この剣にすべてを込めてみせる」

 

 

 

三者三様に得物を構える。

リィンはゼムリアストーン製の太刀“利剣・緋皇”を。

ナギトは2つの剣を融合させた“神魔調伏刀・緋葉村正”を。

オズボーンは赤黒き大剣“終末の剣イシュメルガ”を。

 

 

 

 

 

 

「「行くぞ───ギリアス・オズボーン」」

 

 

 

 

「来るがいい───八葉を継ぐ者たち」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして──騎神大戦の、閃の軌跡(リィン・シュバルツァーの物語)の決着がついた。

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