ーー西暦1345年、旧南シンド公国(現シンド公国)の鉱床から発見された魔石。その発見によって世界は変わった。採掘された当時はただの飾り石として扱われていたが…数年ののち、南シンド公国と北シンド公国が一つのシンド公国に戻ると同時に魔石の研究が始まり、その結果。魔術発動機(MCM マシマ)が開発された。
MCMは魔石の発する正体不明のエネルギーを利用し、様々な事象を起こすことが可能な革新的な技術であった。
だが革新的な技術であるMCMを使うには生まれつきの素質と使用者の実力が一定以上でなければならないという制約がある。そのため開発当時の時点では使用者が極端に少なかった。ただ現在は改良によって制約を簡略し誰でも使用でき、かつ使用者の暴走を抑えるセーフティーまでも組み込まれている。
なぜセーフティーが取り込まれたのか、それは時のシンド皇帝、後の暴君『オルトロス』がMCMに適合したことで革命的な技術は人殺しの技術として扱われていくことになったことが要因であった。
MCMの望んだ事象を起こす能力によって人々を洗脳し支配したオルトロス皇帝はさらに周辺国を支配していき、最終的に当時のレッドホルク帝国の15倍以上の国土を持っていた。
ただ、その圧政も長くは続かなかった現レッドホルク帝国軍総帥の『シルフ・ルシ・ファルネ』の祖先に当たる市井の臣であった『アルベルト・ルシ・ファルネ』が帝国の義勇軍を募り、当初はただの寄せ集めであったがシンド皇帝府を陥落させ、オルトロス皇帝を討った。
ーー
レッドホルク帝国、地下水道。
透き通るような美しい白色の髪を腰まで伸ばした、可憐な少女『システィナ・セイラル』。
システィナは今、死地に立っていた。…その死地を抜けるため、目の前にいる黒鉄の軍服を纏った大男に自身の得物である太刀を抜き。システィナの流派、『白日流』の構えを取る。しかしその構えは決して褒められたものではなかった、構えから発せられる威圧がないのだ。大男はシスティナの構えを見て、鼻で嗤う。それもそうだ、蟻と象では差が有りすぎる。それでもシスティナは怯えることなく、むしろこの後の展開を望んでいるようにも見えた。
「久しぶりに太刀を握るからね、容赦をしてくれると助かるよ。レッドホルク帝国の兵士君」
レッドホルク帝国…魔術研究によって発展した世界に威を放つ、2000年という長い歴史を持つ大国。周辺国の政治にさえ影響を与えるという大国の兵士が一民間人の、他国の少女に銃を向けている。
「貴様、帝国軍の武器庫から最新鋭のMCMを盗んでおいて容赦とは…。愚かで滑稽…まぁいい。ここまで追えたのは俺だけなのは残念だが、貴様のような小娘…俺一人で十分だ。」
システィナに反論する兵士、しかし一瞬でも銃口をシスティナから外したのがいけなかった。システィナの姿が兵士の視界から瞬間移動のように消え、兵士は突然出来事に着いていくことが出来なかった。
「【雪火】」
何処からかシスティナの声が響くと、兵士の周囲が青い炎に包まれる。突然の少女の消失、炎に囲まれたことにより兵士は先の余裕は何処に行ったのか、取り乱して腰を抜かす。
だが兵士の目前まで迫った炎は霞のように消えてなくなり、兵士は安堵すると同時にシスティナが逃走したことを理解した。
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この先の展開
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シリアス
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陽気