赤い詐欺   作:ソウクイ

5 / 9
第5話

 

へリオポリスの近郊でザフトと遭遇し、ザフトが居て危険だと思いながらもヘリオポリスに態々戻った赤い人とラルフ。赤い人は自分が後悔しない為だが、ラルフは単純にお人好しだからだ。

 

 

ヘリオポリスで知り合いの安全の確認をしようと探して、面倒な事にはなったがキラとついでに友人の学生達の無事は確認できる。自分達が去った後に安全な場所に行ってるだろうと思っていた。

 

もう一人の知り合いのMS作成の協力者の教授については、シェルターに避難した様だと艦に戻っていた。

 

外には出れない。

 

ヘリオポリスに戻る前、外にザフトの艦が近づいてるのを確認している。去っていてくれたら嬉しいが…ザフトが取り逃したMSと連合の新型の戦艦がいるのを見たばかり。ヘリオポリスへの再度の襲撃があり得ると思われた。

 

民間人なら手出しされないと信じるか

 

中立違反をしたからといって他国の民間人もいるコロニーに警告も無しにMSを突入させ強襲しコロニーの中で戦闘もし、一歩間違えばヘリオポリスを崩壊させていた相手を信用できるわけがない。民間人、それも好かれてないジャンク屋だと問答無用に撃墜してくる可能性すらある。まだ此処にいる方が安全だと艦を何時でも出港できる状態で待機した。

 

シャアがラルフにMSの状態を見てほしいと頼み調べさせられる。

 

「脚部にダメージは有りますが、簡単な補修でどうにかなるレベルですね…ですが…脚部のダメージが何時もより大きいですが、デブリ以外にも何か蹴ったんですか?」

 

「逃げる時にザフトのジンをな」

 

「蹴ったんですか?……なんで蹴ってるんです」

 

「武器がないから仕方ない」

 

「戦闘に使うつもりは無いと武装を蔑ろにしたのは失敗でしたね。今後は武装も付けますか?前は要らないと言いましたが、今回みたいな事がないとも限りませんし」

 

「…付けるにしても今のOSが武器に対応してないだろう」

 

「OSについてはキラくんに相談しますよ。武器は持ち帰った銃と重斬刀が使えますし」

 

「武装でジャンク品を使うのは嫌なんだが」

 

「なら新品の武器を買いに行きます?ちょうど私達のMSの外側を本格的に作るための素材もあるか確認しに行く必要もありますし。その時に良い武装があるかも確認しましょう」

 

「武器はともかく買いに行くのは賛成だ」

 

「何か買いたいものでも?」

 

「MSの外側の素材に良いものが売ってないか調べたい」

 

「あー外装の為の素材ですか、我々が造るMSに一番重要な部分ですね」

 

MSで外側が重要?

 

「私もそろそろ見繕う必要があると思っていました。素材が手に入ったらあとは…相当な規模の改装が必要になりますね、それも1から造るレベルで改造できないと、それなりの施設を借りないとダメですが宛はあります?」

 

「施設を借りる伝はあるからそこら辺は問題ない」

 

「他には…デザインについては?」

 

「デザイナーに既にデザインは依頼してある」

 

準備万端か。

一体どんなMSを作りたいのだろうか。

 

「なら後は…お金ですね。外側については出来るだけ最高の素材を使いたいですし。稼がないといけませんね」

 

「稼ぎについては、ちょうど売れるものが外に沢山有る」

 

そう言って、つい先程戦場があった方向に的確に向く。まだ感じるものはあるが戦闘が終わったお陰か感じていた不快感はだいぶ収まっていた。

 

「…誰も手を出してない戦場跡がすぐ近くに有りましたね。他が来てない今なら取り放題、今さらながら罰当たりな事ですが」

 

シャアは確かにと頷いた。

 

「まぁ多少は良いことをするんだ許して貰おう」

 

「良いことって…?」

 

「救助活動だよ」

 

「…あぁ、ザフトはともかく負けたらしい連合は救助なんてする余裕なんてあるとは思えませんし、ザフトなら連合の救助なんてしなさそうですし必要ですか………そうですと早く去って欲しいですね。出来るだけ早く助けたいです」

 

ラルフの声は切実なモノに聞こえた。

 

「昔何かあったか?」

 

「いえね…子供の頃なんですけど、私が乗ってた船が違う船と衝突事故にあったことがあったんですよ。お互いに壊れて漂流。酸素が漏れて、酸素が無くて後数時間で救助が来なかったら死ぬ!って状態になったんです。ギリギリで救助がきて私の船の方は運良く助かりましたが……衝突した相手の方は救助が遅れたんですよ…逆ならどうだったかと思うと…その頃の怖さを覚えてると、早くしてあげないとって…」

 

「……そうか。ザフトが去ってくれたら直ぐに行けるんだが、連合のMSに新造戦艦があると去らないかな」

 

「恐らく、あの新造艦もMSを乗せてそんなに時間をかけずにへリオポリスから出ていくでしょう。へリオポリスで出ていけとデモが起きてましたしね」

 

「なるべく早く出ていってくれると良いな」

 

「はい」

 

「……ドレン、少しMSで外に出る」

 

「はい??」

 

 

 

それから暫くして…アークエンジェルが港から出ていくのを見るアークエンジェルは出港して行くのを見送った。

 

『どうやら行ったようですね』

 

アークエンジェルが出る時にザフトが戦闘を仕掛けていたが、どうやらうまく逃げた様子。救助をする様子はない。そんな余裕が有るわけがないか。

 

『無事に逃げられた様でよかったですね…貴方も無事でよかった』

 

『そうだな…本当に良かったよ。彼等が早く出ていってくれて此方も助かった』

二人とも連合の贔屓という訳でもない。彼等が居たらへリオポリスが危険だったと判断していたからだ。…実際に危険だった。

 

『貴方が出てなければどうなってたか、映像此方にも届いてましたがMSがエラく重装備でしたよね。へリオポリス破壊する気だったんでしょうか』

 

シャアが嫌な予感を感じてMSに乗って外に出るとジンを見つける…過剰な装備をしたジンを、D型装備と呼ばれるコロニーで使うには危険な装備をしているジン。相手がコロニーを破壊する事すら視野にいれている事を察した。声高にユニウスセブンの破壊を批難するプラント、核で無ければ問題ないと言うことだろうか。

 

見付けておいて放置もできない。

放置できないが装備無しでは足止めしかできない。

 

幸い対MSと考えると重装備は無駄に重しが付いてるようなモノ、複数のジン相手だったが何とかなった。

 

暫くしてアークエンジェルが出るとそちらに向かい。赤い人も助かりヘリオポリスも損傷軽微で済んだ。

 

『艦を出しますので合流しますか。MSの推進材とバッテリーは大丈夫ですか?』

 

『十分に残っている。このまま先行してお宝漁りを先にしておくよ』

 

『わかりまし…いや、先ずは救援が先ですからね?』

 

ツッコミを受けながら先に戦場だった地点に向かい救助を始める。

 

幾つか救命挺や行動不能のメビウスなど漂ってるのを見つける。当然救助をしたのだが、MSを使ってることでコーディネーターと思われて敵視され困ったことに。捕虜にするつもりだと思われたり、コーディネーターに助けられるかと抵抗されたりと。

 

シャアがナチュラルだと言ってもMSを使ってる事で信じて貰えない。それは大国ですら現状ナチュラルが使えるMSを作れてない。なのてでナチュラルではMSを使えないと言う認識がある。

 

コーディネーターと疑われるのが問題だ。なので救助した人間をラルフ(小太りオッサン)と会わせる。ラルフを見ると此方はナチュラルだと納得される。コーディネーターは大概容姿が良いイケメンに産まれるようにされてるのが関係あるのかは謎だ。

 

ラルフの心の傷を代償にMSは謎だが、ナチュラルも救助してると多少は大人しく救助されるようになる。救助を遂行し救助した軍人はヘリオポリスに送り届ける。救助が終わった後は救助の報酬として勝手にパーツは貰っていく…つもりだった。救助した人員を下ろせば次はジャンク回収の予定だったが、面倒なことになった。

 

「そこの瓦礫をどかしてくれ!!」

 

赤いMSはヘリオポリス内の支援もやっている。今度は自主的にではなかった。

 

ラルフとシャアは救援活動を行いを救援した兵士をヘリオポリスに下ろした後、金髪の少女とガタイの良い男が来て、金髪の少女にコロニー内の手伝いを頼まれる。手伝ってくれと少女の勢いに押しきられてしまった。

 

「本国の救援が来るまでに出来ることはまだまだあるんだ!!自分達でやるしかない!一人でも多く助けるぞ!!」

 

カガリ・ユラ・アスハ。アスハ、オーブの偉いさん、トップの家名。直情的な性格のようで無駄に高い行動力と異様なカリスマがあった。

 

カガリはシェルターから出てきた民間人に救助した連合の軍人まで従えて、救援活動をしている。去ろうとしたシャアとラルフもカガリに巻き込まれ、本来なら予定になかったヘリオポリス内部での救助や瓦礫の撤去などにも駆り出された。

 

そして

 

「有名になってますね……」

 

「そうだな」

 

ヘリオポリスでテレビで救助の様子は放送されている。赤いMSは目立ち救援活動をしたと言うことで軽くヒーロー扱い。

 

初めは襲ったザフトのMSに似た外見と、MSを動かせるのはザフトだと言う認識があり…襲ったザフトだと思われたのか救助していても嫌悪の視線を向けられた。ザフトでなくナチュラルのジャンク屋と言っても信じてもらえない。

 

 

しかしカガリが本人がナチュラルのジャンク屋だと言ってるのになぜ信じない!と怒り、論争になり証拠をみせる事になり、また押しきられる形でシャアは遺伝子検査をさせられナチュラルだと目に見える証拠がでた。

 

検査結果付きでナチュラルだと大々的にテレビ報道までされる。で、ソコからは評判は反転、ナチュラルの乗ったMSと言う事で良い方に有名に。止めに外でD型装備のジンを足止めする映像も見付かりヘリオポリスを守った事もバレる。それからは軍服の様な赤い服は良いカッコいいと紹介され、ヘルムの中身は素性を隠したい名高いイケメンだと勝手に推測され、評判は普段の不審者や変人から一変していた。

 

あまり持ち上げられ過ぎて居心地が悪くなり、正直に自分達はジャンク屋で外の戦場跡の残骸を回収するつもりだと暴露はしている。助けられた事実があるので評判は思ったより落ちない。襲撃したザフトと巻き込んだ連合の評判が落ちたせいで、ジャンク屋の方がマシだとされたせいもあるか。

 

救助した連合の軍人が情報の拡散に協力していた。助けられた礼とコーディネーターと疑った詫びというのもあるが、コーディネーターのMSは中立コロニーを襲い。ナチュラルのMSは人を助けたとザフトの評判を下げたかったようだ。自分達に出来る復讐だろうか。彼等の戦友の遺品となる連合のジャンク品を貰っていく対価と思えば文句も言えない。

 

相当に時間をかけようやくヘリオポリス内部での作業が一段落。途中で抜けれない変なところで律儀な性格のせいで終わりまで手伝った。

 

 

一番働かされた赤い人は艦内で休み、ラルフは別れの挨拶をして行こうかと思いカガリ達の所に行くと……話が聞こえた。

 

「アルスター次官が?」

 

「ああ…此処で艦を迎えに来る艦隊と一緒に来てるそうだ」

 

「パパがなんであの艦を迎えに行くの?私を迎えにへリオポリスまで来てくれるんじゃないの」

 

「いえ、それが、此処から出ていった新造された艦に貴女が乗ってると誤解があったようで……」

 

「ええ!何でそんな誤解するのよ!」

 

なにやら話が聞こえたがラルフには関係ない。関係ないがシャアの様な感覚はないが何か嫌な予感がする。別れの挨拶は伝言で済ませて足早に去っていくこと。途中で住人に見つかり感謝の絨毯爆撃を受けた。

 

「…感謝は嬉しいですが、物理的に重た過ぎですね…」

 

ラルフの抱えているのはは感謝の印として貰った色々な荷物。人助けをした事には後悔はないがとても疲れる。赤い人は艦内で休憩してるのでその分の感謝もラルフが受けることになった。

 

「絶対面倒だから此方に押し付けられたんですよねえ。……そう言えば救助活動に学生の協力者が結構居たのに、キラくんもキラくんの友人の学生たちも見てませんね」

 

彼等なら救助に参加してるだろうから会えると思っていたが会ってない。偶々会わなかっただけなのか。キラには武器について相談が有ったのに、忙しくて会わないようにしてたのか?

 

「…ん?噂をすれば…げ」

 

艦の前まで来るとラルフは誰か走ってきた足音を聞いて、キラ達が来たのかと思ったが違った。

 

オーブの姫と言っていいカガリとそのお付きだ。

 

「あぁまだ居たか良かった!少し良いか!」

 

「な、なんですか」

 

ラルフは年齢半分ほどの少女に及び腰。本人の性格もあるがオーブの権力者の娘なのが怖い。機嫌を損ねるのが怖い。連合やプラント等に好かれないジャンク屋的に中立のオーブはわりと重要。頼み事をされたらよほどに不味いことでないと断るのが難しい。

 

後ろの中東系の男が何処と無く申し訳なさそうな顔をしてる……絶対に厄介な話だ。

 

「お前たちは何処に行くんだ」

「何処と言われても、まだ決めてませんが…」

 

「集めたジャンク品を売りに行くんじゃないか」

 

「え、ええ売りには行きますが……」

 

「あぁ、咎める気とかは無いぞ。」

 

そう言うわりに不機嫌そうな顔をしている。戦場で集めたジャンク品、墓荒しの様な行為、死んだ相手からモノを剥ぎ取る行為、倫理観が有れば不愉快に成るのは仕方ない。真っ直ぐな少女らしい反応だと思う。

 

「それでは何のようなんですか」

 

ラルフはまさか集めたジャンクを連合に返すように言われるのかと身構える。咎める気はないが彼等の戦友の遺品を持ってくのは止めてくれないかと言われないかと。

 

「頼みがあるんだ」

 

「…な…なんですか」

 

「其方の艦に乗させてもらいたい」

 

「…はい??」

 

なんでそんな頼みをされるのか判らない。

何処かに行きたいのだろうか?

 

「船ならへリオポリスに他にも有りますよね。何処かに行きたいならそちらの方が良いですよ」

 

オーブの姫ならもっと快適に移動できる船を借りる事もできるだろう。

 

「…移動が目的じゃない。そちらの艦に乗り色々と知りたいことと聞きたいことがあるんだ」

 

「…はぁ…聞きたいこと」

 

聞きたいこととはなんだろうか。

此処で話せば良いのに態々艦に乗る必要が有るんだろうか。

 

ラルフはハッとした。

 

オーブのトップのアスハは立場で言えば王族みたいなモノ。ならカガリの立場はお姫様みたいなモノ、そんな相手が自身の国土であるヘリオポリスが襲われるなんて緊急時に、へリオポリス襲撃の対応などしないといけないのに何の狙いもなしにジャンク屋に近付くと思えない。

 

 

ジャンク屋は戦場跡でまだ使える高価な兵器をただで奪っていく。高価な兵器を奪われる連合、ザフト両方から嫌われているのは当然。戦争には関与してないオーブのヘリオポリスだからジャンク屋も其処まで忌避されないが、一年も続く戦争でジャンク屋は儲かり国さえ迂闊に手が出せない大きな組織も出来るほどの利益。自分達の生き血を吸って肥太るジャンク屋、自分達が苦しんでる戦争で肥太るジャンク屋、他の国からの嫌悪はどれだけか。

 

オーブはどうか。

 

今回コロニーに攻められた事からわかる通り、オーブもジャンク屋並みとは言えないが立場が良いと思えない。また攻められるかもしれない。もし攻められても味方をしてくれる同盟国が有るとも聞かない。中立と言うより孤立無縁、今回ザフトに攻められたことも抗議する事が精々だろう。ジャンク屋と同じで弱い立場。

 

立場が弱い者同士でジャンク屋と連携しようとするのが狙いか。自分達をジャンク屋の窓口にするつもりだろうか。それか赤いMSについてか。ナチュラルにも操縦出来る機体だと思われて狙ってるのか。あの時にシャアの検査をしたのも本当にナチュラルがMSを操縦出来るのか確認するためか。

 

どちらにしてもオーブとジャンク屋の未来に関わる事と思え断れる案件ではない。

 

「わかりました…確認しなければいけませんが、私は乗ることに反対しません」

 

「良いのか?感謝する!」

 

どう考えても裏の目的があるはずなのに、カガリの裏を一切感じさせない笑顔にラルフの顔はひきつった。

 

「ではもう片方に確認するのに乗せて貰うぞ」

 

カガリは早速とばかりに艦に乗り込んだ。

 

「ゴチャゴチャしてるな」

 

カガリが艦内の格納庫を見回して若干失礼なことをいう。輸送艦でありMSにMSの備品、作業機械が乗ってる。これからジャンク品を乗せてさらにゴチャゴチャすることになる。

 

格納庫にやってきた赤い人はカガリ達を見つけた。

 

「なんで彼女が?」

 

シャアを名乗る不審者は艦内にいる侵入者の少女を見て聞く。

 

「聞きたいことがあるから乗りたいと…私達が行くところにも着いてくるつもりらしいです…」

 

「ああ!聞きたいことがあるからこの艦に暫く乗せてくれないか。そちらの仕事の邪魔をするつもりはない」

 

乗るだけでも邪魔になるがそう言った。

 

「まぁ構わないよ」

 

何を考えてるのか赤い人はアッサリ許可をする。渋る様子一つない即決に常識人の大人二人が驚いた。

 

「感謝する。早速だがMSを見せてくれ!」

 

カガリは彼が良いという間もなくMSのあるデッキに向かう。まるで裏のない子供の様な行動。シャアはついていく。少女の後ろについてく…。

 

「カガリがスマナイな」

 

溜め息をはくラルフに対して謝る中東系の男、カガリは一人に出来るお嬢様ではないのでお目付け役兼護衛だろう。本当ならアウトローなジャンク屋の船に乗るのは止めたいだろう。

 

なんで島国のオーブで護衛が中東系なんだろうかと思うが、移民が集まった国がオーブでその中に中東系が居ても可笑しくない。

 

「お互い苦労しますね」

 

ラルフが苦笑しながらそう言う。面倒を掛けた側と掛けられた側だが、お互いに同じ苦労人の臭いがして親近感を感じてか空気は悪くない。

 

「……こう言っては悪いが、少しみた印象に過ぎないが、ラルフは安定を好みそうな感じがするな。なんでジャンク屋に?」

 

ラルフは乾いた笑いを浮かべた

 

「元々は機械弄りが好きで個人で修理屋を営んでたんですが………彼にあるMS造りに誘われて、気付くとジャンク屋の一員みたいになってました」

 

「それは…後悔してるのか」

 

「いえいえ、後悔はしてません。遣り甲斐も有りますし。私の理想のMSを造るまでは止める気も有りません……まぁ道を間違えてると言われると否定はしにくいですが」

 

ラルフは哀愁漂う遠い目をしていた。

 

「ラルフから見てシャアと言ったか。彼は……どうなんだ?大丈夫なのか?」

 

「ははは…見掛けは怪しいですけど基本的には善人ですよ」

 

「…いや俺が聞きたい大丈夫というのは善人とかでなく、善人なのはヘリオポリスの救助をしてたのでわかる……そうでなくて………大丈夫なんだろうか」

 

MSのある区画に入りキサカの見る先、カガリとシャアがMSの前で話していた。

 

「観賞用の試作にこのMSを作ってるのか!?嘘だろ!?」

 

「嘘をつく理由はなにかあるかな?」

 

「本当なのか…いや、兵器として造るのよりはマシだが……」

 

赤い人はカガリと話している。話しているのはいいが、シャアの唯一見える顔の部分の口元が笑っている。見るからに機嫌がよさそうだ。なんで機嫌が良いのか。カガリと距離も近い。キサカが聞きたい大丈夫の意味は………

 

「………少女趣味という事は」

 

ロリコ○かどうかということか。

 

「…………」

 

心当たりがないかと言われると……ラルフは無言でソッと目をそらした。

 

キサカは慌ててカガリの元に向かう。

 

「どうしたんだキサカ」

 

「……なんでもない」

 

キサカはそう言いながらシャアとの間に立った。シャアの口元から笑みが消えている。いや筋肉を感じる男が近くに居たらそれは嫌だろう。多分カガリとは関係ない。

 

「此処で回収するジャンクは何処に売りに行くんだ」

 

「何処にかは決めてないな。ラルフ何処にする?なるべく近場が良いが」

 

「そうですね…近い所だと」

 

ラルフはヘリオポリスから近くに拠点を構える買い取り専門の業者を脳内にリストアップしていく、一番近い所…それに信用できる業者…該当する所を見付けたがラルフは渋い顔をした

 

「厄介な所なのか」

 

ラルフはええと答える。

 

「……ユニウスセブン跡地を拠点に使ってる業者ですね…」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。