─紅魔館跡地
紅い瓦礫の積もる地面から四人の少女が飛び立つ。
永遠に幼き姉妹『レミリア・スカーレット』、『フランドール・スカーレット』
楽園の巫女と魔法使い『博麗霊夢』、『霧雨魔理沙』
四人はある程度の高さまで上昇する。
「ルールは二対二のチーム戦、使えるスペルカードの枚数は一人につき三枚まで、一回被弾で退場、チームの二人共が退場するかどちらかが降参することで負け、逆にチームの二人共が残っているか片方でも残っている方の勝ち。で良いわね?」
「異論は無いわ」
霊夢の説明を受けてレミリアがそれに答える。
ルール説明が終わったので、四人はそれぞれ戦闘態勢を取る。
フランは戦闘態勢を取りながら、不安そうにレミリアに問いかける。
「お姉様、私と一緒に戦うなんて.....私こんなの初めてだから足を引っ張るかも....さっきの事だって..」
「さっきの事は気にしなくて良いわフラン、姉妹だもの喧嘩の一つや二つ当たり前よ、それに足を引っ張るかも?大事なのは初めてを恐れない事....恐れていては何事も始まらないわ」
「でも....」
「大丈夫よフラン、今私達の出せる全ての力を出して、この勝負勝つわよフラン! 勝ったら皆でパーティーでもしましょう!」
「っ......うん!」
レミリアとフランのやり取りを見て魔理沙は微笑ましい気持ちになる。
「何か知らねぇけど仲良くなったみたいで良かったぜ」
「そうかしら~?私は何か釈然としないわ、あの姉妹と傑に良いように乗せられた気がする....」
霊夢は不機嫌な顔をしたまま戦闘態勢を取る。
パチュリーは両チームの準備が出来たのを確認すると、出来るだけ声を張り上げる。
「準備できたわね、じゃあ弾幕勝負!! 始め!!」
パチュリーの宣誓と共にスカーレット姉妹が動き出す。
「いいフラン? 弾幕勝負っていうのは弾幕一つ一つの威力は意識しなくて良いわ、どんな弱い弾幕でも当たれば負けだからね、大事なのは弾幕の密度と美しさよ、この場に居る全員が息を飲むほどの美しい、私達姉妹の新しい門出に相応しい弾幕を作りましょう」
「分かったよお姉様!」
レミリアとフランは背後に魔方陣を展開し、レミリアは紅い弾幕、フランは紫の弾幕を霊夢と魔理沙に向けて撃つ。
二人の弾幕が彩る鮮やかな光の渦はまさに絶景と言えるもので、魔理沙は感心する。
「ほへー、これまた綺麗な弾幕」
「呆けてないで!!来るわよ!!」
二人の弾幕が霊夢と魔理沙の目と鼻の先まで迫ってくる。
霊夢と魔理沙は持ち前の飛行能力で弾幕の間をすり抜けていく。
「へへ!こっちも負けてられないってね!!行くぜ霊夢!」
「言われなくても!!」
霊夢と魔理沙も負けじと弾幕を展開する。
レミリアとフランは二人の展開する弾幕を回避し、フランは一枚のスペルカードを握る。
「さっきと違って一分で消えちゃうけど!!」
フランはスペルに魔力を込めて、技名を叫ぶ。
『禁忌「フォーオブアカインド」!!』
フランが四人に分裂し、それぞれが弾幕を展開する。
無法とも言えるフランのスペルに霊夢は驚愕する。
「はあ!? 増えるのはズルでしよ!?」
圧倒的に増えた弾幕の密度に霊夢と魔理沙は四苦八苦する。
「ちっ、厄介なガキね!!」
「霊夢!姉の方もくるぜ!!」
魔理沙の忠告と共に霊夢はレミリアを発見し、レミリアはスペルカードを既に構えていた。
「我らが姉妹の弾幕、味わいなさい」
『神罰「幼きデーモンロード」!!!』
レミリアはレーザーと共に紅い大弾を発射し、霊夢と魔理沙を追い詰める。
レミリアとフランの弾幕を掻い潜りながら霊夢と魔理沙はスペルカードを握る。
「ちっくしょー!!やられっぱなしになるかよ!!」
「ええ、反撃開始よ魔理沙!!」
二人は同時にスペルを発動させる。
『夢符「封魔陣」!!!』
『魔符「スターダストレヴァリエ」!!!』
魔理沙の星弾幕と霊夢の発する光の柱が、レミリアとフランの弾幕と交差する。
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四人の弾幕が交差するのを夏油は地上で静かに見守る。
「綺麗だね、これこそ幻想郷名物の弾幕勝負だ」
「夏油様、よろしいでしょうか?」
「? 咲夜さん、どうしました?」
咲夜が救急箱を片手に夏油に話かける。
「右肩の応急処置をと思いまして....綺麗な包帯と、さっき瓦礫の中からまだ使える消毒液を持ってきましたので」
「それはありがたい、お願いします」
夏油はその場に座り右肩を咲夜に向ける。
「軽く拭きますので、痛かったら言ってください」
「分かりました」
咲夜は夏油の右肩を処置を始め、夏油は弾幕勝負を見つめて、二人の間に静寂が流れる。
ふと、咲夜が処置をしながら夏油に話しかける。
「夏油様、くどいようですがさっきお嬢様たちを助けてくれたこと、改めて感謝を申し上げます」
「そうかしこまらないで、私はやりたいと思ったことをやっただけです」
「そうですか...」
夏油の発言を聞いて咲夜は少し涙ぐみ、小さく語り始める。
「私は小さい頃、道端に捨てられていたところをお嬢様に助けられました、それから10数年間、ずっとお嬢様に仕えてきて....私にとってお嬢様は、自分より大事な生きる目的そのものなんです、だからさっき....お嬢様が死ぬかもしれないってなって私......凄く怖くて」
「大事な人達なんですね...」
「はい......とても!!」
咲夜の目から涙が流れる。
夏油はあえて何も反応せずに静かに微笑んで佇む。
「妹様の方は特に...ここまでされても助けてくれて、本当にありがとうございます!!」
「あ~、フラン嬢については実はちょっと事情がありまして....責任半分って所ですかね」
「? 責任?」
「いやー、実はフラン嬢を外に出したの私なんですよね」
「え?」
夏油の発言に咲夜は唖然とする。
咲夜の反応なんていざ知らず夏油はヘラヘラと言葉を続ける。
「美鈴さんに注意はされたんですけどね、好奇心には勝てなくて」タハー
「そ、そうなんですか...」(真面目な人だと思ったけど、もしかして夏油様ってどちらかと言うと問題児側?)
咲夜は夏油への認識を改めながら処置を終わらせると、そこに美鈴がやってくる。
「お二人ともー、決着が付きそうですよー!!」
「お! 本当だ!」
「.......」
咲夜はレミリアとフランを見上げる、二人は弾幕を掻い潜りながらスペルカードを握り発動のタイミングを狙っていた。
弾幕勝負を楽しむレミリアとフランの爽やかな笑顔に咲夜は微笑む。
(まあ良いか、色々あったけど
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レミリア、フラン、霊夢、魔理沙の四人はスペルカードを持ってそれぞれ向き合う。
「これで決めるわよ!!魔理沙!!!」
「デカイの喰らわせてやるぜ!!!」
「スカーレット姉妹の底力を見せるのよ!フラン!!」
「うん!!やろうお姉様!!」
四人は同時にスペルカードに力を込めて、技を叫ぶ。
『霊符「夢想封印」!!』
『恋符「マスタースパーク」!!』
『神術「吸血鬼幻想」!!!』
『禁忌「レーヴァテイン」!!』
レミリア紅い弾幕とフランの炎の剣が交わり、霊夢の光弾と魔理沙のレーザーと衝突する。
─ゴゴゴゴゴゴ!!!─
互いのスペルは最初こそ拮抗したが、霊夢と魔理沙のスペルは、交わったスカーレット姉妹のスペルに徐々に押され始める。
「ウグギギギギ、や、やべぇぞ霊夢!!」
「くっ、くくく、あ、あんた、もっと力を込めなさいよ!!」
炎を纏った紅い弾幕は霊夢の光弾と魔理沙のマスパを飲み込んで行く。
「行けるよ!!お姉様!!!」
「ええ、押しきるわよ!!」
地面から弾幕の押し合いを見ていた美鈴は誇らしげに夏油に語りかける。
「この勝負、お嬢様達の勝ちですね!!」
「.....いや、それはどうでしょう?」
夏油は不敵な笑みを浮かべて霊夢と魔理沙を見守る。
スカーレット姉妹の弾幕が迫る中、霊夢と魔理沙はぎゃいぎゃい言い合っていた。
「うおおおお!!!マジで押し負けるぞ!!これ!!!」
「落ち着きなさい魔理沙!!私達の出力は負けてない、こうなっている原因は私達の霊力と魔力がバラバラなのが理由よ!」
「は?つまりどういうことだよ!?」
「向こうは魔力の流れを均一にして混ぜあっているのよ!!お互いの魔力を一点集中することでこのパワーを引き出している!!対する私達はお互いの霊力と魔力をバラバラに拡散しているから力負けしているの!!!」
「ちょ、簡潔に言ってくれ霊夢!!」
「つまり私達も息をあわせて、あんたの魔力と私の霊力を混ぜ合えば勝てるって言ってんのよ!!」
「成る程!! 良し霊夢!私に合わせろ!!」
「はあ!?あんたが私に合わせるんでしょうが!?」
「私にそんな技量あるか!?」
「はぁーん、出来ないって訳?」
「いつもそうやって小馬鹿にする!! いいから黙って!!」
「「私に合わせろ(なさい)!!!」」
瞬間、霊夢の夢想封印と魔理沙マスタースパークが混ざり合い、レミリアとフランの弾幕を押し返し始める。
「うぐぐぐ、お姉様!!あいつら押し返してきたよ!?」
「フラン!!持てる力を振り絞りなさい!!!」
互いの弾幕が再び拮抗し、四人は叫ぶ。
「「「「勝つのは!!私達よ(だぜ)!!!!」」」」
そして弾幕は─ドオォォォォォォン!!!!!!─と轟音を響かせて爆発する。
爆発の衝撃を防ぎながら美鈴は呟く。
「勝ったのはどっちなんですか!?」
「分からないわ!!」
爆煙の中を咲夜と美鈴は息を飲んで見守り、パチュリーと夏油は結果が分かってるかのような素振りで語り合う。
「ついたわね、決着」
「ええ、期待通りの決着でした」
夏油がフッと笑うと、爆煙から二つの物体が出てくる。
紅魔館当主『レミリア・スカーレット』と妹の『フランドール・スカーレット』の二人だ。
二人は真っ逆さまに地面に向かって落ちていく。
「「お嬢様!! 妹様!!」」
咲夜と美鈴は落ちてくるレミリアとフランに向かって走り出し、咲夜はレミリアを美鈴がフランを抱き止める。
「お嬢様!! 大丈夫ですか!?」
「大丈夫よ、弾幕勝負だったからね」
「う~、疲れた~」
「お疲れ様です、妹様」
そして爆発の煙幕が晴れて空中に浮遊する、すすだらけの霊夢と魔理沙が顔を見せる。
霊夢と魔理沙はすすを軽く払うと夏油の元に降り立つ。
「二人共、お疲れ様」
「本当、早くお風呂に入りたいわ...」
「いや~近年稀に見る接戦だったぜ」
話し合う夏油達の元にレミリア達がやってくる。
「お互い、良い勝負が出来たわ、ありがとう」
「御託は良いからさっさと霧を消してくれる?」
霊夢の発言にレミリアは困ったような仕草をする。
それを見て霊夢は不機嫌な顔をする。
「何よ、まだ何かあんの?」
「約束だし霧は消すわ、だけど今は正午でしょう? 紅魔館も日傘も吹き飛んで無いからね~太陽から身を隠す物が無いから、今霧を消したら吸血鬼である私とフランは死んじゃうのよね、夜まで待ってくれない? 紅魔館が治るまでの宿も探したいし、夜になったら霧を消すわ」
「だったら私の妖怪を貸しますよ、傘型の妖怪を二体、それと紅魔館が建ち治るまでの宿は.........博麗神社で良いんじゃないですか?」
「ちょ!? 何言ってんのよ傑!!」
夏油の問題発言に霊夢はもの申す。
「なんでよりにもよってうちなのよ!泊まりなら人里の方が向いてるでしょ!!」
「いやレミリアさんほどの大妖怪を人里に連れ込むことはできないよ、入るのならいろんな手続きをしなきゃ人里には入れられない、レミリアさん達は今すぐ宿が必要だろう?そしたら選択肢は霧雨魔法店か博麗神社の2択だ」
「じゃあ魔理沙のところでいいじゃないのよ!」
「 霧雨魔法店は人が6人入るほど広くはないよ」
「なんか今さらっと私の店馬鹿にされなかったか?」
「気のせいだよ魔理沙」
「うむむむ、それを言ったらウチだって人は6人も入らないわよ...」
「博麗神社にはデカイ蔵があっただろう?掃除すれば中に6人くらいは入るんじゃないかな?」
「あの蔵か、でもなーそもそも神社に妖怪って問題があるでしょ!」
「そうかな?紫さんがたまに来るし問題ないでしょ」
「そういう問題じゃ...」
「それにだ霊夢、君にもメリットがある」
夏油は霊夢の隣に移動すると小さく耳打ちをする。
「咲夜さん、彼女かなり出来る人だよ霊夢」
「出来る?」
「ああ、料理はもちろん、掃除、洗濯、家事全般そつなくこなすだろうね、更に泊めてもらうともなるとどうなる?博麗神社の家主は君だよ霊夢、 つまり....」
「........ 甘いわね傑、私がそんな目に見えた甘い餌に食いつくとでも思ったら......」
霊夢はそう言って レミリア達の方へ向き直る。
(大間違いよ!傑!!)「よし!あんたらウチに泊まりなさい!!」
「霊夢、言ってることと思っていることが逆になってるぜ....」
魔理沙は霊夢の発言にツッコミ、レミリアは微笑む。
「あらそう?じゃあお邪魔させてもらうわ、博麗の巫女」
「ただし、家主の私の言うことは絶対よ!覚えときなさい!!」
霊夢の宣言と共にレミリアは指を鳴らす。
すると紅魔館跡地を中心に紅い霧は消えていき、数十秒もすれば幻想郷には再び太陽の光が差し込まれた。
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─二週間後
─人里寺子屋
紅い霧も消えて、寺子屋では変わらず授業が行われていた。
「2×9この答えがわかるやつはいるか?」
「はいはいはいはいはいはいはいはーい!! あたい解るよけーね!!!」
「お!じゃあチルノ!答えは何だ?」
「9!!!」
「残念だが間違いだ」
「えー当ってると思ったのに!!」
「当てずっぽはだめだぞチルノ!いいか2×9っていうのはな─」
暑さで項垂れていたチルノは何処へやら、教室には慧音によって冷える魔法がかけられており夏でも涼しくされていた。
午前の授業が終わり、子供達は昼食を店に買いにいく、その後ろ姿を慧音と夏油は静かに見送る。
「チルノ、元気になりましたね」
「ああ、どっちみち手のかかるやつではあるがな」
「全くですね、あ、慧音先生私ちょっと抜けますね」
「噂の館のところか、気をつけて行くんだぞ、 肩の傷のことだってあるんだからな」
「はい、わかりました!」
夏油はそう言って寺子屋を後にする。
─霧の湖 紅魔館跡地
粉々になっていた紅魔館は復旧が進められていた。
「パチュリー様!今日までに二階は終わらせますので頑張ってください!!」
「そう言ってもね、誰もがあんたみたいに体力バカなわけじゃないのよ美鈴」
美鈴と小悪魔が資材を持ってきて、パチュリーがそれを元に修復魔法で紅魔館を直す、この二週間ひたすらにそれを繰り返していた。
ふと、─ポンポン─とパチュリーの背中が叩かれる。
「何か手伝いますか?」
「誰かと思ったら夏油じゃない久しぶりね、手伝いはいらないわ、修復魔法を回せるのは私だけだもの、 資材の運搬も間に合ってるしね」
「確かにそうですね!」
「 それよりも体の方は大丈夫なのかしら?」
「私の方は大丈夫です、パチュリーさんも元気そうで何より、にしても紅魔館かなり治りましたね!」
「なんとか明後日の『宴会』までには間に合いそうだわ」
「 『宴会』か、楽しみにしてますよ!」
「ええ、期待していいわ」
「はい!レミリア嬢たちの調子はどうです?」
「咲夜は霊夢の命令で馬車馬のごとく働く生活ね、あんな働いてる咲夜初めて見たわ、レミィ達はもうすっかり仲直りよ、この間なんてお饅頭の取り合いで喧嘩してたんだから」
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「あ!お姉様それ私のお饅頭!!」
「別に良いじゃないの、饅頭くらい」
「大事に残していたのに!!!許さない!!」
「そこまで怒る事じゃないでしょフラン!?」
「うるさい!!バカお姉様!!!」
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「ハハハ、仲直りはできたんならよかったです」
「まあそうね、あ、 思い出した!!よかったら今度あなたの能力について研究させてくれないかしら?」
「私の能力についてですか?」
「ええ、神社の蔵で古い文献を見つけてね、そこにはかつての術者たちの記述が載っていたわ、その中にはあなたの能力『妖怪を取り込み使役する程度の能力』、本名を『呪霊操術』についても載っていたわ」
「私の能力の本命まで知っているとは、驚きました」
「降伏した呪霊、ここで言う妖怪を取り込むというあなたの能力、なかなか興味深い、特に気になったのは奥義と言われる『極ノ番』『うずまき』について、もし書かれていることが本当なら、使い方次第であなたの能力は妖怪が支配する、この幻想郷において頂点に立ち得る素質がある、魔法使いとして、とても気になる能力だわ」
「幻想郷の頂点ってところは知りませんけど、能力の研究ならいいですよ、暇な時があれば」
「そう? ならよろしく夏油」
「はい! あとこれ差し入れです、皆で食べてください!」
「あら、ありがとうね。頂くわ」
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─二日後 霧の湖 紅魔館
日は落ち、月が出始めた頃に夏油は紅魔館を訪ねる。
「もう完全に元通りだね」
「あ!夏油さん!いらっしゃい!!」
美鈴が夏油を迎え紅魔館の門を開く、既に紅魔館の庭は彩られお祭りムードだった。
「霊夢と魔理沙は既に来ているので......ほら!あそこで酒を飲んでるのが魔理沙で、隣で爆食いしてるのが霊夢です」
「まだ宴会は始まって無いだろうに...全く」
「夏油さんも気にせずにじゃんじゃん食べといてください!!」
そう言って美鈴は再び門番の仕事に戻る。
夏油は美鈴に言われた通りにお皿を取り、出された料理を乗せていく。
咲夜の手で作られた様々な洋食に夏油は興味をそそられる。
「あの料理は何て言うんだろう?この肉料理は?全部気になるけど、これは全部を食べれそうに無いな」
「食べれないと思ったら是非お持ち帰りしてください、夏油様」
料理を見て回る夏油の元に咲夜がやってくる。
「! 咲夜さん、良いんですか持ち帰って」
「もちろんです、気になる料理があったら是非お申し付けください、こちらがお持ち帰りの準備をいたします」
「じゃあ、帰りの時に頼りにさせてもらいます」
「はい、夏油様は我々紅魔館の恩人ですから遠慮せず─」
「咲夜ー!!ビーフストロガノフおかわりー!!」
咲夜と夏油の間を霊夢の大声が駆け抜ける。
咲夜は眉をひくつかせながらも、瀟洒な佇まいを崩さずに夏油と接する。
「じ、じゃあ私はあのダメ巫─じゃなかった霊夢に料理を持っていかなければならないのでこの辺で」
「あ、はい頑張ってください」(キレかけていたな咲夜さん、あの調子じゃ二週間相当こき使われたんだろう事が容易に想像できる、今度菓子折り持ってこよう)
夏油が心の中で咲夜を労ると、門が完全に締まり美鈴が庭に入ってくる、それと同時に紅魔館の上空に一つの影が舞い降りる。
紅魔館当主『レミリア・スカーレット』だ。
レミリアはワインの入ったグラスを片手に庭に向かって語りかける。
「まずは今日この日を迎えられたことを嬉しく思う!一度は完全に破壊された紅魔館をここまで見事に復元してみせたパチュリーと美鈴と小悪魔!3人にはこの場で感謝の意を申し上げる!!!」
レミリアの言葉にパチュリーは少し嬉しそうにし、美鈴と小悪魔は感激する。
「褒められちゃいましたよ!!パチュリー様!!」
「ま、当然ね」
「頑張ったかいがありました~!!」
パチュリーと美鈴の反応を見て、レミリアは演説を続ける。
「そして次に!私達が異変を起こした加害者でありつつも、宿無しの間、私たちに住む場所を与えてくれた霊夢!!暴走するフランを止めてくれた魔理沙!!瀕死に陥った私たち姉妹を助けてくれた夏油!!お前たち3人にも感謝の意を申し上げる!!」
レミリアの発言に三人は驚く。
「ハハ、こう真正面から言われると少し恥ずかしいな」
「んお~レミリアが何か言ってる~、ヒック!」
「まひはほひほははふひほ!!」
夏油の反応とは逆に何処までもマイペースな霊夢と魔理沙にレミリアは呆れつつも、演説の締めに入る。
「あ~コホン、では紅魔館再建と私達の新たな旅立ちに!!」
『乾杯!!!!』
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─こうして、新たな仲間を迎えて紅霧異変は解決した。
フラン「初めての外!! 楽しみー!!」
霊夢「存分に楽しみなさい、ここが幻想郷一の名所博霊神社よ!!!」
フラン「落ち葉が散らばってなんかごっちゃりしてるね」
霊夢「ぐっ、ま、まあ居間に上がってなさいな、霊夢様直々に緑茶を淹れてあげるわ!」
フラン「なんかここ埃っぽくない?私のいた地下の方が3倍は綺麗だったよ」
霊夢「言わせておけばこのガキ!!」
次回『第十一話 青い春 出会い』
フラン「もっと別の場所に行きたーい」