ボクがマジェコンヌを抑えてる後ろで灰色の女神とマホが黒いクリスタルの取り合いになっている。ギアたち女神候補生が軽く戦闘になっているが、ボクと守護女神3人もまたマジェコンヌと戦闘していた。
「旅人とは聞いていたが、まさか別次元の女神だったとはな!」
「ことが終わったら、色々説明してもらいますわよ!」
「言われなくてもそのつもりだ、よッ!」
ギアたちと違ってこの3人は個人技の連続で連携を取っているからボクの動きを差し込みやすい。全体を意識しない、瞬間的な連携の連続。こればかりは経験のなせる業だ。それで確実に、傷が癒えなくなったマジェコンヌを追い詰めていく。そんな時だった。何の前触れもなくいきなり頭上の空間に穴が開いたのは。
「これはッ……!?」
「吸い込まれるッ……!」
戦闘どころではない大穴。あらゆるものを吸い込まんとする暴風。くそ、もう一回女神化できればだけど……!でも見渡す限り、マジェコンヌも戦闘どころではなさそうだ、なら……!
マジェコンヌから距離を取り、荒れ狂う向かい風をかきわけてマホのほうに向かう。ギアは浮かび上がったカプセルを持って踏ん張っていて、それを支えるようにみんなが集まっている。この状況、長く続けばまずいことは明白。空気中の余剰シェアとボク自身の残りのシェアを使えば行けるか……!
「ぎあちー!あーしも……!」
「来ちゃダメ!」
「生身じゃ吸い込まれるわよ!」
「ッ……!」
吸い込まれないように物陰に潜んでるマホに女神化して近づく。これはたぶんマホにしかできない。
「マホ、聞いて。ボクがあれを調べるからそこから何とかできる方法を考えて」
「え……?ゆーゆー?」
「時間がない、やるよ!《
コンソールフォルムに映し出される解析の情報をできる限りマホに見せる。正味20秒しか持たなかったから解析の途中で女神化は解けるけど、マホはその20秒で手に持っていた抑制装置のプログラムを書き換えて歪みに向けた。
「お願い、うまくいって!」
マホの祈りが通じたのか、歪みはなくなり嵐も収まる。引っ張られてた力がなくなったせいか、カプセルを抑えてたみんなはちょっと前のめりになって、カプセルは地面に激突していた。
その衝撃のせいだろうか、ピーという電子音とともにカプセルが開く。
「開いた……!?」
「ででーん!わたし参上!およ?えぇーっと……」
目覚めたネプテューヌさんは周囲を見回すと、マジェコンヌのほうを向く。
「今回の悪事はここまでだよ!マジェオバサン!」
「復活していうことがそれかよ!」
「おいしいところだけ持っていきますわね……」
ばばーんなんて言いながらマジェコンヌに指をさすネプテューヌさんだが、マジェコンヌは余裕を崩さない。
「そうか、目覚めたかプラネテューヌの守護女神。くくく、いいだろう。今回の勝利はくれてやる。また会おう」
そう言ってマジェコンヌはプラネタワーから飛び降りていく。逃げられた……が、二がしちゃいけないのはもう一人いる。
「カプセルが……」
ネプテューヌさんが目覚めたあと、打ち所が悪かったのかカプセルは軽く爆発して破損していた。灰色の女神はあの黒いクリスタルを持っているが、カプセルも欲しかったのだろう、しかしもうそれは叶わない。
「マスター」
「……ここでするべきことはもうありません。撤退します」
「逃がすと思う?」
ネプテューヌさんの復活でやいのやいのしている女神のみんなを横目に、ボクはグロウ-Cを灰色の女神に向ける。こいつも、ボクの中では不確定要素だ。だから……
「待って!」
「マホッ!?何を……」
後ろからボクの腕をマホが抑え、グロウ-Cが撃てなくなる。
「あなたは、あーしのお姉ちゃんなの……?」
「え……?」
マホの灰色の女神への問いかけはボクからすれば意味不明な物だった。確かにマホには記憶がない。だからマホは聞きたいのだろう。でも、ボクはもしかしたらという可能性に気づきつつある。確証はない。でも、解析で掴んだ情報がある。ボクはこれから、この灰色の女神を追う……!
「いいえ、私はあなたの姉なんかではありません」
「待てッ!」
マホに腕を掴まれてさえいなければ追えていたけれど……まぁいい。こいつが現れた時に駆け付ければいいだけだ。次の機会のために、ボクもシェアを蓄えないと……
マジェコンヌには逃げられたものの、バズール現象抑制装置のおかげでプラネテューヌからはモンスターがいなくなり、ついにイストワールさんたちや避難民の人たちもプラネテューヌに戻ることができた。
これで、一応の決着か。長い戦いだった……
「それで、夕。どうして今まで女神であることを隠していたわけ?」
「ユニ……それ今聞く?」
「えぇ」
というわけでボクだけ延長戦。この事件の黒幕じゃないとみんなが確信できるまでは見せるわけにはいかなかったなんて話をして、今度こそ本当の決着を得たのだった。ちゃんちゃん。
次回、第十六話「露呈」
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