悟様、いい加減にしてください   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ついに、あの大人気キャラが登場やで。


めんそーれですよ、悟様

「「めんそーれー‼︎」」

 

 

青い海、白い砂浜、綱時達は沖縄に来ていた。星漿体である天内理子の付き人である黒井美里が拉致された為奪還の為沖縄へ飛んだのだ。

 

そうした任務の詳細や状況を飛行機の中で知らされた綱時。沖縄に着き、早速黒井を奪還し首謀者の尋問をした後、悟の提案で海水浴をしていく事になった。

 

 

「本当に申し訳ありませんでした。まさか、盤星教信者の非術師にやられるとは……………」

 

 

「不意打ちであれば仕方ないですよ。だからこうして、頼れる後輩を呼んだので大丈夫です」

 

 

「あの、その後輩さん寝てらっしゃるのですが………………」

 

 

黒いの視線の先にはパラソルの下でぐっすりと寝ていた。京都から全速力で走り回って色々準備して疲労していた綱時はぐっすりと寝ていた。

 

 

「綱時、疲れてるのは分かるけど、任務中だし寝るのは良くないよ」

 

 

「悟さんと夏油先輩が警戒している以上僕が何かする事は無いでしょ。それに、この後のこと考えたら1人でも体力全開の奴がいた方がいいでしょ」

 

 

「特級の九十九さんに言われた事かい?流石に杞憂じゃないかい?」

 

 

綱時は悟達と合流した時、九十九に警戒を促された事を2人に話した。

 

九十九が今回の件に関わりが無いのは悟達も承知している為、気をつけるに越した事は無いが一番の脅威だった呪詛師集団Qが壊滅し、天内に賭けられた賞金期限も迫っている為杞憂だろうという事になった。

 

 

「悟さんは術式ずっと解いて無いみたいだし、まともに寝てないでしょあれ。天内さんを天元様のところに送るまでにへばった時の為に僕は気を抜ける時に抜いておきます」

 

 

「そうかい、それなら良いけど」

 

 

そう言いながら天内に攻撃性のある呪力反応を防御するミサンガ型の呪具を渡しており、周囲の客に源の関係者を忍ばせている辺り流石だなと思う夏油だった。

 

 

「黒井さんも天内様と遊んできてはどうですか?折角沖縄にいるんですし」

 

 

「いや………もうそろそろ帰り支度しないとフライトに間に合わないね。悟、そろそろ時間だよ」

 

 

「なら滞在期間を1日伸ばそうぜ。綱時、宿の予約」

 

 

夏油は時計を見ながら悟に声をかけるが隣にいた天内の表情が落ち込んだのを見てか、滞在期間の延長を提案する悟。

 

 

「宿の予約と他の配備とかは済ませてあるんで、天内さん達は安心してもらって大丈夫ですよ」

 

 

驚いた表情を見せる夏油と黒井。しかし、綱時は沖縄に行くと言われた時から悟が滞在期間をギリギリまで伸ばそうとするだろうなと踏んでいた為、予め手を打っていた。

 

 

「いや、でも万が一って事もあるし早めに高専に戻った方が良いんじゃないか?」

 

 

「地方の方が呪いも呪詛師も少ないし、レベルも低い。それに飛行機の中で賞金期限過ぎた方が都合の良いでしょ」

 

 

夏油が綱時と悟に反対するが綱時はキッパリと答える。呪いは日本各地で発生するが、人の集まる都心と地方では呪いの質と量が段違いとなる。

 

観光地として有名な沖縄も東京や京都に比べると呪いの質も下がる。悟と夏油という呪術界の頂点がいる以上そこらの呪詛師に負ける訳が無いのだが、護衛対象である天内の身の安全を考えるとギリギリまで地方にいた方が良いという結論になった。

 

 

「確かにそうだね。理子ちゃん、この後はどうしたい?」

 

 

「そうじゃな〜、ソーキそば食べて美ら海水族館とか行ってみたいかの」

 

 

「あのー、ちょっと良いですか」

 

 

「どうしたんだい、綱時?」

 

 

「天元様の同化までの行動は天内様の希望に沿うようにするんですよね?なら天内様が同化を拒否したらどうするんですか?」

 

 

綱時の発言にウキウキでこの後の行動を考えていた天内や黒井の表情が固まる。

 

 

「それは………………」

 

 

綱時に聞かれ言葉に詰まる天内。星漿体は幼い時から星漿体として同化する時まで育てられる。故に普通の子供が持つような夢や希望を持つ事が許されない。

 

 

「綱時、そこまでにしとけ」

 

 

「でもこれって大事な事ですよ。そもそもおかしな話ですよね。情報が漏れる可能性があるのに影武者の一つも立てないのとかあり得ないですよ。むしろ、別の候補者がいて天内さんが影武者って言われた方が納得出来ます」

 

 

「わ、妾は………………」

 

 

「だからそんな杜撰な呪術界にわざわざ付き合う必要無いですよ。天内様が嫌なら拒否すれば良いんです。それでも同化したいとかなら、貴女イカれてますよ。まぁ、呪術界に関わってる時点でイカれてる事に変わりないですけどね」

 

 

悟は大きくため息を吐くとガシガシと頭を掻きむしり、綱時を殴った。

 

突然殴られ困惑する綱時。

 

 

「禪院の所いったりで忙しいのは分かるが、言い過ぎだ馬鹿。だけど…………天内、実際にこいつの言う通りだ。お前が同化を拒否するなら俺達はお前の意思を尊重する」

 

 

「今すぐ決める必要は無いよ、今は沖縄観光を楽しもうか」

 

 

天内の頭を優しく撫で慰める夏油。黒井も俯き黙ってしまった。

 

 

「すみません…………….言い過ぎました」

 

 

腐ったみかんのバーゲンセールな禪院家さんざんストレス感じた後、九十九からの呼び出し、そして大急ぎで準備して沖縄に来て人質奪還と尋問。

 

ストレスが溜まり苛立ちも限界まで来ていたからこそ出てしまった失言。

 

流石の悟も綱時に無茶させた自覚があるのか注意も程々にしている。

 

 

「か、構わんぞ‼︎妾は天元様で天元様は妾だからな‼︎そんな事で怒るような器ではないわ‼︎」

 

 

手を腰に当ててのけぞるほど高らかに笑う天内。夏油も黒井も天内が許すなら構わないといったようで張り詰めた空気が再び緩みだした。

 

その後、5人でソーキそばを食し美ら海水族館で遊んだ。皆楽しんだがその間、星漿体の事や天元の話は誰も口にしなかった。

 

翌日、15時には高専に戻ってきていた綱時達。結果的に高専に戻るまで呪詛師などの襲撃は無かった。

 

 

「皆、お疲れ様。高専の結界内に入ったから安全だ」

 

 

「うむ、これで一安心じゃな‼︎」

 

 

「ったくよぉ、ガキのお守りなんて二度とゴメンだね」

 

 

「なんじゃと⁉︎」

 

 

ひと段落し、和気藹々とした空気が流れる。悟も高専に戻ってきた事で三日間張り続けていた術式を解除した。

 

 

「だいたい俺はガ「悟様‼︎」」

 

 

「チッ…………流石に綱坊がいちゃ不意打ちも上手くいかねぇか」

 

 

術式を解いた悟に背後から近づき刀で突き刺そうとした何者か。

 

悟が刺される直前に刀を蹴り折って悟達との間に入る。

 

 

「高専の結界内だっていうのに…………」

 

 

「気配も全く感じなかったぞ」

 

 

悟も夏油も何のアラートに引っかかる事なく悟に不意打ちをした男に驚愕していた。

 

 

「お久しぶりですね、甚爾様。髪伸びました?」

 

 

「お前が様付けするって事は御三家…………加茂か禪院か」

 

 

綱時が名前に様をつけて呼ぶのは基本的に御三家の者だけである。しかし、五条家の者で悟に気取られずに近づける者は居ないため加茂か禪院に絞られる。

 

しかし、悟に気取られずに近づける程の実力者を加茂も禪院も隠している訳が無い。

 

 

「あの方は禪院甚爾。天与呪縛で呪力を犠牲に超人的な身体能力を手に入れた男です」

 

 

悟は綱時の説明に納得した。術式至上主義の禪院に呪力が無い男がいる事は汚点でしかない。

 

「褒めても何も出ねぇぞ?元気そうで安心したよ、綱「◼️◼️◼️◼️‼︎」」

 

 

甚爾が話し切る前に巨大な口を広げた呪霊が甚爾を呑み込んだ。夏油による呪霊操術だ。

 

 

「綱時、傑。天内を優先して天元様の所まで行け」

 

 

「油断するなよ」

 

 

「御武運を」

 

 

綱時と夏油は天内と黒井を連れて高専の中へと入っていった。

 

4人の姿が見えなくなったのと同じタイミングで甚爾が呪霊を引き裂いて出てきた。特級呪具の一つ、釈魂刀が握られており、獰猛な笑みを浮かべていた。

 

 

「女子高生狙うとかロリコンかよ、オッサン。ロリコンはうちの馬鹿だけで充分なんだよ」

 

 

「俺もあんな乳臭えガキは御免だよ。ただ、あの女の命を欲しがってる物好きがいるからな。邪魔すんな」

 

 

最強対天与呪縛が生んだイレギュラー。星漿体を巡る最後の攻防が幕を開けるのだった。




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