ハイスクールD×DwithX〜悪魔と赤龍と黒狐〜 作:エルドラス
ー決戦当日ー
時刻は夜の11時40分…オカ研部室には部員が揃っていて、それぞれの服装でゲームに向けての準備をしていた。
アーシアはシスター服装だ。悪魔になってそれは大丈夫かどうか聞いて見たところ、なんと大丈夫らしい。十字架はダメなのに、意外とその辺の判定は緩いのだろうか?
因みにイッセーや俺達は駒王学園の制服だ。
まぁ俺の場合、変身したら格好なんてわからなくなるが…
俺は部室のソファに座りみんなを見回すと、木場は脛当てに傷がないかを確認しつつ装着し、壁に立てかけていた剣などを確認している。
小猫は格闘家が装備する手袋。オープンフィンガーグローブを装備している。
朱乃さんと部長はソファに座りお茶を飲んでリラックスをしているようだ…そしてイッセーとアーシアは緊張している様子が見受けられる。
俺は意外と緊張していなかった。まぁ少し前まで戦いの中に身を置いていたし、この程度慣れている。
と、時計が12時まで残り10分の時間になると部室に魔法陣が浮かび上がり、この間のメイドさん、グレイフィアさんが魔法陣から出て来る。
グレイフィア「皆さん、準備はお済みになられましたか?開始十分前です」
その言葉に俺とみんな立ち上がる、その様子を見たグレイフィアさんが説明を始める。
グレイフィア「準備はお済みの様ですね。ここからの魔法陣から戦闘フィールドへ転送が出来ます。ナイン様は悪魔ではありませんが、悪魔以外でも対応ができる様に改造いたしました。そして戦闘フィールドは異空間に作られた戦闘用の場所。そこではいくら派手な事をしても構いません、使い捨てのフィールドですので思う存分どうぞ」
成程、それなら周りを気にすることなく戦えるな。
と、イッセーが何か思いつくかの様に部長に問う。
一誠「そういえば部長。もう一人『僧侶』がいますよね?その人は?」
その問いに俺は合宿中の講座の内容を思い出す、『王』に与えられる『僧侶』の駒は二つ。言わばアーシアに一つの『僧侶』の駒を与えて悪魔に転生させた。
なら『僧侶』の駒は一つ揃ってるか朱乃さんに聞いた所もう既に他に眷属がいるそうだ。朱乃さん曰く「今は会うのが難しいですわね」との事。
そしてイッセーのその質問に部長は答えた。
リアス「残念だけど、もう一人の『僧侶』は参加できないわ。いずれ、その事について話す時が来るでしょうね」
そんな空気の中、グレイフィアさんが口を開く。
グレイフィア「今回の『レーティングゲーム』は両家の皆さまも他の場所から中継でフィールドでの戦闘をご覧になられます。更に魔王ルシファー様も今回の一戦を拝見されておられます。それをお忘れなき様に」」
…え?ルシファーって魔王だよな。いくら貴族のレーティングゲームとは言え、魔王が視聴するほど凄いことなのか?
リアス「…そう、お兄様が直接見られるのね」
…ん?お兄様?部長今、魔王をお兄様って…
一誠「い、今部長のお兄様が魔王て…俺の聞き間違いでしょうか?」
確かに。先ほど両家から観戦があると言う話があった、もしかしたら今から始まる試合で変な緊張で勘違いをしているかもしれないが、木場の答えでその間違いは正された。
木場「いや、部長のお兄様は魔王様だよ」
ナイン「…ワーお」
一誠「ま、魔王ぉおおおおお!?部長のお兄さんて魔王なんですか!?」
リアス「ええ」
俺の呟きの後イッセーが物凄い驚きを見せ、そしてすぐにお兄さんが魔王て言うことをすぐ肯定する部長。…ん?何故家族なのに二人はファミリーネームが違うんだ?……まさか。
木場「二人とも、部長のファミリーネームと魔王様方のお名前が違うから混乱してるかい?」
ナイン「あ、まぁな」
一誠「ま、まぁな」
木場「先の大戦で魔王様は致命傷になられてね、既に亡くなられたんだよ。しかし魔王なくして悪魔はあり得ない」
ナイン「…成程、だいぶ読めてきた。だからこそ、魔王の名自体は残し、力のある悪魔に襲名させる。他の四大魔王も同じ感じか。そして部長のお兄さんはもう『グレモリー』ではなく『ルシファー』、だからグレモリー家を継ぐことはできない。だから家を継ぐのは妹である部長ということになった訳か」
だが部長は結婚自体が嫌であり、そして最後にはこの戦いで決着をつける事に…全く、どう考えても高校生が背負って良い荷じゃないだろ。
自分の未来か家族の未来…その二つは天秤に傾けるほど容易くなく、故に自身と家族の為に今回の手段をとったという事か…。
そしてその未来を決めるのは俺達にかかってるというわけだ。…ますます負けられなくなったな。
グレイフィア「そろそろ時間です。皆様、魔方陣の方へ」
そうグレイフィアさんに促され、俺達は魔方陣の方へ集結する。
グレイフィア「なお、一度あちらに移動しますと終了するまで魔方陣での転移は不可能となります」
つまり帰って来るときはもう勝敗がついた後という訳か。
そう思っていると魔方陣が輝きを放ち、俺達を包み込んで行く…どうやら転移が始まった様だ。
…転移の光が消えるのがわかると俺は目を開け、辺りを見回す。
ナイン「…ん?」
が、目に映り込んだ光景は先ほどとは変わらず。オカ研の部室だった。
まさか転移失敗?だが他のみんなを見た感じアーシアとイッセーは戸惑いを見せるものの他のみんなは落ち着いた様子だったしそれはない筈…そう言えばグレイフィアさんがいないような…
そう考えていると…
グレイフィア『皆様。この度グレモリー家とフェニックス家の「レーティングゲーム」において審判役を務めさせていただく事になりました、グレモリー家の使用人。グレイフィアと申します』
校内放送が聞こえてきた。この声はグレイフィアさんのものだった。
グレイフィア『この度のレーティングゲームの会場として、リアス・グレモリー様方の通う、駒王学園の校舎を元にしたレプリカを異空間に用意させていただきました』
成程、そう言うことか。
言われてみれば校舎にそっくりではあるが、本や漫画がなかったり、学校の外が不気味なオーロラで包み込まれてるしな。
グレイフィア『両陣営、転移された先が『本陣』でございます。リアス様の本陣は旧校舎のオカルト研究部の部室。ライザー様の本陣は新校舎の生徒会室。『兵士』の方は『昇格』する際相手の『本陣』の周囲まで赴いてください』
つまりこの部室。勿論旧校舎にライザーの『兵士』が侵入してしまえば『昇格』ができ、下手をすれば『女王』に『昇格』した敵が一気に襲いかかるかもしれないわけだ。
逆にイッセーが新校舎に入り『女王』にさえ昇格してしまえばこっちの物だ。『赤龍帝の籠手』と合わせれば戦況を巻き返せるかもしれないと言うわけか。
朱乃「全員、この通信機を耳につけてください」
と、俺があれこれ考えてると朱乃さんがよくSF映画で出て来そうなイヤホンマイクの通信機を渡す。これでお互い連絡を取り合うのか…失くしたり壊さないようにしないと。そう思い俺は耳に付ける。
グレイフィア『開始のお時間となりました。なおこのゲームの制限時間は、人間界の夜明けまでです。それでは、ゲームスタートです』
キーン、コーン、カーン、コーン…
学校のチャイムが響き渡る。これが戦いの合図だ。
まずは作戦タイム。木場は学校の地図を取り出し、アーシアと小猫はソファに座っている。そして部長もソファに座りお茶を飲んでいて、朱乃さんはそのお茶の準備をしていた。イッセーとアーシアの新参者は緊張でどうすればいいかわからないと言う状態だった。
一誠「えーと、俺てっきりこう、映画みたいな『入り乱れて超決戦!』みたいな感じなもんかと…」
ナイン「イッセー、そう言うのは漫画の中だけだ。実際はこんな感じだぞ」
リアス「ナインの言う通りよイッセー。戦いは始まったばかり、確かに戦いはそう言うイメージが強いけれど、『レーティングゲーム』の場合は短時間で終わるものじゃないのよ。勿論短期決戦のはあるけれど今回のはそうじゃないわ。チェスと同様この学園内にどう眷属を動かし、相手の裏をかくのが重要よ」
そう考えている間部長や木場、朱乃さん小猫が作戦会議に入ってた。
…作戦会議が終わり、部長が指示を出す。因みにイッセーは蚊帳の外だった。
リアス「まずは小猫と祐斗、そしてナインは森にトラップを仕掛けてちょうだい。トラップの位置は予備の地図に示すように、終わったらそれをコピーして全員に配るわ」
ナイン「分かりました」
木場「はい」
小猫「…了解」
俺に指示が降る。謎の札や魔法陣が描かれた紙を部長に渡され、それを持ち俺達は外に出る。
トラップが仕掛け終わった後、俺達は旧校舎へ戻り、再び部長の作線を聞いた…その作戦には異論は無く、みんなは同意した。
そしてオカ眷メンバー全員は旧校舎の玄関へと出て、次の行動へと移り始めていた。
リアス「貴方達二人はまず誘導を、変身するタイミングは自分の判断でお願いね。そしてイッセーと小猫は体育館。作戦通りに行くわよ」
部長の指示を聞きうなづく。まずイッセーと小猫は体育館へ移動し、俺と木場は指定の位置へと移動するとの事だ。
リアス「アーシアは私と待機。貴女は常に私と一緒にいて頂戴。もし貴女が倒れたら大変な事になるわ」
アーシア「は、はい!」
リアス「そして朱乃。タイミングを見計らって、お願いね」
朱乃「はい、部長」
アーシアは緊張した様子で、朱乃さんはいつも通りの笑顔で返事をする。
そして全員の確認が終わると部長は前に出る。
リアス「さぁ、私の可愛い下僕達。準備はいいかしら?敵はフェニックス家の中でも有望視されているライザー・フェニックスよ。さぁ!消し飛ばしてあげましょう!」
オカ研全員『はい!!』
その返事と共に作戦は指導する!
ナイン「イッセー、しくじるなよ」
一誠「ああ!そっちこそな!」
そしてお互いそう言って腕を叩き合わせ、俺は木場と共に森へ、そしてイッセーと小猫は体育館へと向かっていった。
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